アメリカン・ファクトリー

Netflixのドキュメンタリー映画。車両関連のガラスを製造する中国企業が、アメリカのデトロイトに工場を築いて、アメリカの労働者を雇用する。そこで起こる人々の摩擦を描いている。とても面白い。

描かれる労働者は、かつてはGMやフォードで働いていた人たちだ。アメリカの自動車産業の衰退に従い、職を失った彼らは、中国企業の進出に最初は歓迎する。しかし、文化の大きな違いに気がつき、唖然とする。

この中国企業は、かつての日本企業でもあったような、軍隊式の朝礼などで社員を教育して、長時間労働を強いて、成長の原動力としてきた。

研修のために、中国本土の工場に連れて来られたアメリカ人の労働者たちは、宇宙人でも見るような目で、中国人労働者たちを眺めている。

この中国企業の経営者も、中国のやり方でアメリカの工場の生産をあげていくことはできないと気がつき、ロボットの導入をすすめていく。かつて、フォードやGMで働いていた時のような収入を得ることは二度とないだろうと言った、アメリカの労働者がひどく寂しそうだ。

でも、この中国企業のやり方も、これからもずっと続けていくことは出来る訳ではないと思う。国が豊かになれば、労働者たちの要求も大きくなっていく。また、画一的な社員教育も、やがては成長の妨げになるだろう。

このドキュメンタリーは、この工場に関わるいろんな人からの取材をしている。カメラもいろんなところまで入っていく。解雇されたアメリカ人がインタビューに応じるのは分かるけど、この中国企業の会長まで取材に応じている。すごい。どうやって説得して、取材の許可を得たのだろうか?

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