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アニメ「無職転生」は面白くて見るに堪えない

『無職転生』はファンタジー世界が緻密に描かれた一方で、その世界観が読者にとって直感的に理解しやすくなっており、読者は作品の世界に完全に没入してしまいます。

主人公の成長物語

主人公の物語は、引きこもりから始まり、人や社会とのつながりを取り戻すまでの旅を描いています。

彼が出会う人々との交流は、彼らとの関わりを通じて彼自身の内面的な動きや状況の変化が描かれます。この物語は単なる異世界冒険譚とは異なり、成長と変化を重視しています。

強い/弱い、勝った/負けた、異世界で活躍した、見聞録… などのチープな物語ではなく、興味深い世界観の中で主人公が使命感を帯びていく描写が素晴らしい。

見るに堪えない第二期

第二期では物語の焦点が変わり、使命は保留され、「勃起不全の治療と学園ラブコメディー」にシフトします。「幼馴染にちんこ立った」そして「結婚」という締めくくりは、多くの視聴者にとって受け入れがたい「気持ち悪さ」でした。

性的描写の質の違い

第一期の性的表現は、成長期の男子の胸に湧き上がる自然な感情を表しています。性へのあこがれや願望、欲望、妄想、神聖化は、彼らにとってはある程度あるものであり(その姿を見せられては、気持ち悪いのも理解できますが)それはほほえましくもあります。このような表現は物語の中で無視できなくもないです。

第二期の勃起不全というテーマは、挑戦的でありながらも非常に興味深いものです。主人公の内面を描くという観点から言えば、そのテーマは彼の深いコンプレックスと絡み合っています。しかしその結末は予想外のバカにしたかのような形になってしまっているのです。

何を見せられているのか

原作はライトノベルである。ライトノベルは一般的に、特定の読者層の嗜好に合わせて書かれることが多く、公衆的倫理よりも読者の好みを優先する傾向があります。そうしたものが、アニメという形で公共的倫理観を問われるテレビで放映されたのが、なかなかの事件だと言えるのかもしれない。

ライトノベルや同人誌的なメディアで、その性的表現が偏ったものであっても、それを好む人のために書かれたものなので問題ない。

さらに主人公の性的志向は、ネットやビデオやゲームで発散されている現実でもあるでしょう。

しかし、特に第一期で許容できる程度に面白かったものの、第二期でそうした性的志向を期待していない人が気持ち悪さを感じるプロットになってしまった


「無職転生」は異世界転生ものとして新境地を切り開きながらも、第二期の展開により賛否両論を呼びました。

私は原作を知らずに、単純にアニメについての評価をしています。
これからどのような展開になるかも、特に知りはしませんが、結局主人公の願望を満たす過程の物語に成り下がる予感がしてなりません。
それほど第二期は酷く「気持ちの悪い」内容だと感じていますが、今後の挽回に期待したいと思います


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