国家公務員のリアルな転職事情~総務省官僚がヘルステックスタートアップに転職した件(その2)~

はじめに

はじめまして。Ubie(ユビー) Discovery のjuncosと申します。総務省からUbieに転職して1か月ほど経ちましたので、入社エントリーを書いてみることにしました。

どういった経緯で転職することになったのか、Ubieでどんな仕事をしているのか簡単にご紹介したいと思います。主に国家公務員から転職を考えている方や今の働き方に悩んでいる方の今後のご参考となれば幸いです。

1.自己紹介

改めまして、2021年11月にヘルステックスタートアップのUbie DiscoveryにPA(Public Affairs)として入社したjuncosと申します。Ubie Discoveryに入社する前は総務省で総合職事務系として約11年半勤務していまして、実は先日似たようなタイトルのnote(総務省官僚がヘルステックスタートアップに転職した件)を公開していたmoeshiと同期入省です。総務省では主に情報通信分野を渡り歩き、国際・放送・電気通信事業・電波と幅広い部署を経験してきました。

プライベートでは、30代半ばの2児(4歳、1歳)の母です。

2.転職を考えた理由

子どもが小さい中で官僚の働き方はやっぱりしんどいよ問題

私は今年の4月に二人目の子どもの育休から復職したのですが、未就学児二人を抱えて霞が関で働いていくのは厳しいです。国会議員対応等はどうしても時間・場所の拘束があります(明日の朝イチで説明に来てとか言われる)。そして、いくら自分がテレワークやフレックスを利用していても、皆が同じような勤務体系でいる組織(ベースは出社、定時は基本一緒)において、「皆が就業している時間には十分に仕事を出来ない」ことは相当しんどいです。そんな訳で労働環境を変えたいという気持ちが強くなっていました。

新しいことにチャレンジしたくなってきた

また、同じ組織で10年以上働いて、組織の中で出来ることの限界をはっきりと認識するようになっていました。国家公務員としての仕事は、法令改正を行って直接ルールメイキングに携わることが出来たり、大きくコトを動かすことが出来て非常にやりがいもありますが、国の中からルールメイキングを行うことに課題感がありました

役所で出来るルールメイキングは、事業者が事業展開を行っていく中で何か問題が起き、その現実にルールが追いついておらず、後手後手でパッチをあてるように法令を改正する対応をしているというのが実情だと思います。特に、総務省で所管しているような、進歩の早い情報通信(IT、テクノロジー)の世界においては、ルールが企業(プレーヤー)の活動を制約する枷になっているということもあるはずです。

そうした歯痒い気持ちがあり、国の中ではなく、プレーヤー側としてスピード感を持ってルールメイキングに携われるような、新しい環境でチャレンジしたい気持ちが出てきていました

3.実際の転職活動

やりたいことはPAだと気付く

初めての転職活動、まずは転職サイトに登録しました。大きな傾向としては「いきなり事業会社は厳しい」「総務省での知見を活かして」ということで、コンサル/通信系企業の渉外あたりをエージェントから勧められることが多かったです。まぁそうだよな~、と思いつつピンとこない自分がいました。

そんな中で一つだけ、ある企業の「渉外」ではなく「PA(Public Affairs)」ポジションの紹介を受けました。この二つの違いについてそれまで明確に認識していなかったのですが、前者については既存のルールの枠組みの中で関係者との調整(認可を取るための調整等)を行うものというイメージだった一方で、「PA」は今あるルールにとらわれず、規制当局や政治の世界に限らず広く多面的にステークホルダーとの関係を構築しながら、新たなマーケットやルールを作っていこうというポジティブなものということを知りました。そして、自分のやりたいことはまさに「PA」なのだと気が付いたんです。

そこで、PAを軸に転職先を探してみようと思ったものの、まだ日本においてはPAのポジションで求人をしている企業はとても少なく、絶対にここに入社したいという企業には巡り会えずにいました。

Ubie Discoveryとの出会い

そんな中、同期のmoeshiが一足先にUbieの選考を受けていて、とても面白そうな会社であることを色々と教えてくれていました。どの辺が面白そうと思ったかというと、医療という全方位に関わるサービスを事業ドメインとしており成長の可能性がとても高いであろうことや、ユニークな組織構成(ホラクラシー)やカルチャー(Ubiness重視)です(詳しくは他にnoteに執筆されている方がいるのでそちらをご覧ください!)。


また、自分の両親は小さな診療所で開業医をしているので、医療機関の業務効率化といった会社の掲げるミッション・事業内容にすごく共感できました。

それに加えて、働き方もリモート前提、フルフレックス(裁量労働制)ということで、条件的にも非常に魅力的でした。

とはいえ、さすがに同期揃って同じ会社に転職は無いよな~という気持ちがあり、とりあえずカジュアル面談で話を聞くだけのつもりだったのですが、実際に説明を受けると事業内容や組織戦略が想像以上に面白く、話上手のUbieメンバーに誘われて気が付けば選考に乗っていました。

面接のスタイル的にスキル云々よりもかなり思考を深堀りされている感じなのですが、選考過程で会った人たちが皆話は上手いし、非常にスマートな印象で、こんな優秀な人たちと一緒に働いてみたいという気持ちがどんどん大きくなっていきました。この人たちとなら楽しいことにチャレンジ出来そう、そしてチャレンジするだけでなく必ず事業を成功させて行けそう、と思えて、話を聞くだけだったつもりがいつの間にか入社することになっていたのです。

4.何やってる?

では、PAとしての実際の仕事内容を簡単にお話ししたいと思います。私もmoeshiと同じPAではあるのですが、moeshiが攻めのPA(ステークホルダー(自治体や医師会等)とのアクティブな関係構築)だとすれば、私は守りのPA(ステークホルダーとの間で適切に事業リスクをコントロールする)という感じの役割分担になっています。

具体的には?

具体的にどういうことをやっているのかと言うと、

  •  事業に関係する(国内外の)法令等の規制について、どのようなものがあるか、どのような内容を遵守しなければならないのかをリサーチして把握し、会社の事業リスクを減らし、事業展開がスムーズに進むようにする

  • リサーチした結果を踏まえて、個別の開発内容について法令等に抵触しないかをチェックする

  • 規制について関係する議論の方向性(法令等の改正に向けた政府での検討会の状況等)や、関係するステークホルダーの動向等についてリサーチし、会社のアクション(ステークホルダーとの関係構築等)を検討し、実行する(実行する局面では攻めのPAが中心のことも)

というようなことをやっています。

特に、最近ではグローバルな事業展開を本格的に行うフェーズに入ってきたこともあり、海外の動向を調べたりすることも多いです。

役所で働いていたときとは異なり、事業者の立場から、業界全体に関わる問題について、自分事としてスタートアップならではのスピード感を持ってより良いルール作りのためのアクションをしていくのは、とてもやりがいがあり面白い仕事であると言えます。

特に、医療業界は人命に関わるために規制の度合いが強い業界であり、そこにITという新しい技術を持ち込んでいくことは色々な議論を呼び、常に多くのステークホルダーの意見を聞くことが必要となります。そのため、ルールメイキングもタフではありますが、そんな医療業界だからこそ、テクノロジーの力で社会的課題を解決するため、既存のルールにとらわれず(守りのPAといいつつ)攻める気持ちで新しくマーケット・ルールを作っていくことに特別な面白さがあります

5.労働環境はどう?

フルフレックス(裁量労働制)でリモート前提なので、未就学児を抱える身としては本当にありがたいです。皆が好きな時間に働いているので、定時で上がる肩身の狭さ、みたいなものは存在しないし、急に休んでも全く問題ないし、皆が働いているのに私だけ申し訳ない…みたいなのは全くなくなりました

あとは、役所は基本的にメール文化だし、自分の好きなように有料ツールを使うことも基本的に無いのですが、社内のITツールがとても充実しているので、リモートであってもコミュニケーションや仕事を進める上での問題をほとんど感じないです。何かあったらシュッとslackで聞いちゃえ~という感じです。

そして何より周囲のメンバーが皆クレバーで優秀であること、そんな人たちにどんな些細なことでも質問したら何でも親切に教えてくれること、皆のwillを大切にしていてそれぞれやりたいことをやっていること(もちろんそうでないこともありますが、その場合にはちゃんと改善策を周りの人も一緒に考えてくれる)、こういった環境で仕事ができることは本当に最高だと思います。

6.まとめ

やはり、国家公務員という仕事を辞めてスタートアップに転職するとなると、周囲(特に親)からはいろいろと言われることもありましたが、今のところは思い切って転職して良かった、と心から思っています

ちなみに、転職活動は今やオンラインでできちゃうのでコストもあまりかからず、面接を受けるのもタダなので、迷っているなら思い切ってやってみても良いのでは!??と今回の転職活動を経て学びました。

Ubie Discoveryはどんどん事業展開を加速しており、常に素晴らしい人材を募集していますので、ご興味がある方はぜひお気軽にお問合せ下さい!!

https://recruit.ubie.life/





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