「合計特殊出生率が最低を記録=少子化対策の破綻」 

 政府が1994年の「エンゼルプラン」から少子化対策を講じ始めて24年で30年経つ。その間投じた少子化関連予算が累計で66兆を超えた。その頃に出生数は124万。そして、昨年は72.7万人。今年24年は70万を切ると言われている。
 つまり、この30年間、少子化対策は全く実を結んでいなかったと言うことだ。それは何故か?
 私は既に今年の2月にその理由について,noteに掲載した。それを再掲したい。
 
Note2月28日
「しかし、出生数は減り続けている。それは明らかに国の施策の方向性が間違っているのだ。
根本的に、子どもを作ろうという階層づくりが破綻していることが原因なのだ。
 昨年の婚姻数が50万組を下回ったということだ。10年前と比べても17万組減っている。婚姻数が50万組を割るのは90年ぶりということだ。90年前の1933年というと日本の人口は6700万人と今の人口のおよそ半分だ。
日本では、婚姻数と出生数は強い正の相関がある。特に2000年以降その傾向は顕著だ。つまり婚姻数を増やさない限り出生数も伸びないわけだ。
 男性の生涯未婚率が90年代に入り顕著に増加しだし、2020年の国勢調査の結果では28%を超えるようになっている。それを就労形態で見てみると2022年のデータでは、正規雇用の場合、男性の生涯未婚率は21%なのに、非正規雇用の場合は61%になっている。つまり収入の低い非正規では、結婚を実現す ることのできるものではなかったということの明確な表れなのだ。そしてこれは、現在50歳前後の日本人男性について言えることで、非正規層はさらに若い年代に亘って広汎に広がっているのだ。今後はもっと深刻にならざるを得ないのだ。
 とすれば、政府の少子化対策は、ここに焦点を当てるべきなのだ。非正規労働やフリーランスで働く人たちの収入を増やす手立てこそ、本当の意味での少子化対策なのだ。しかし、政府は、今年からインボイス制度を導入して、1千万人と言われるフリーランスからも消費税を取ることによって、さらにその生活を追い詰めることをしているのだ。
 
 だから、今、世に現われた子どもたちへの対応だけではなく、これからの世代に対する対策こそ必要なのだ。
 まず非正規雇用と正規雇用の格差の修正を実現する必要があるが、日本の大企業の現在の業績アップは人件費を削減して内部留保を増やすという手法で進んできているので、決して、この仕組みは変更することはしないだろう。大企業から多額の献金を受け取っている今の自民党政府では、その圧力をはねのける力はないので、一層の少子化は進んでいくことだろう。」
 
 東京の50歳時点での未婚率は男性32.15%、女性23.79%(20年)
その結果、東京都の合計特殊出生率は、史上初めて1を切って0.99になった。
 
これは日本の近い将来の姿を明示しているのだ。
 
 

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