日本政府のふところ具合

   経済ニュースウエブ版に興味深い記事が掲載されていたのでお知らせします。
 2022年度の一般会計の当初予算は107.6兆円。税収は65兆円しかなく、税外収入や日銀の納付金などを合わせても70.7兆円。残りの36.9兆円が借金。国の会計の3分の1が借金による調達だ。
 さらに厳しいのは、これは当初予算の姿だということ。最近では年度途中で補正予算を組むことが多くなって、2020年度と21年度は新型コロナウイルス対策もあって補正予算の規模が大きく膨らんだ。今年度(22年度)も、10月末に取りまとめた経済対策を受けて、大規模な補正予算を編成することになった。
 決算ベースでは20年度の歳出は147.6兆円だった一方、税収は60.8兆円しか無かった。21年度は歳出144.6兆円に対し、税収は67兆円にすぎず、全く足りていない状況。
  結果として、国・地方の債務残高もどんどん積み上がっている。GDP比で見ると260%程度という水準。IMF(国際通貨基金)のデータがそろっている2020年で見ると、比較可能な176カ国中、日本はダントツのビリ。ちなみに、さきごろ話題になった英国が102%で148位。173位はイタリアで155%、174位はアフリカの島国のカーボベルデで159%、175位はギリシャの212%。もう日本はダントツで悪い。
終戦直前期の債務残高のGNP(国民総生産)比が約200%だったから、今の日本は、それよりも悪い財政状況だ。まさに戦争状態なのだ。
(日経ビジネス22.11.14)

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