バイオリンの話(2年目終了)

 去年の記事から一年たちました。札幌のレッスン会場が2/20を最後に一時閉鎖になってしまい、三か月後の6/11にようやく再始動レッスンを消毒体制完備のもと受けられたので、再び進捗日記にしようと思いました。前の記事で課題だった「エデンの東」は修了し、「見よ、勇者は帰る」、「木星」を経て、「メヌエット」をやっています。移弦付きの八分音符の列に苦しめられています。そのうち安定するでしょう。

 2年が経ち思っていることとして、バイオリン修得は「脳をなんとかして独立に動く関節を増やす訓練」がベースにあるような気がします。どういうことかというと、以前は弦の傾きなどが演奏に影響していたので肘と手首の運動が右腕の訓練でしたが、2年目では各指の第三関節、第二関節、第一関節(根元から順に)を独立制御する事がメニューに入ることが増えてきました。音色に影響するので全くさけられません('ω')なんかできてるつもりでいましたが、実際にレッスンに行くと指摘された関節は確かに動いていないので、「アッ私の脳がサボっているわ」と思うわけです。おもしろいですね。

 制御する関節を増やさなきゃならなくなった時点で進歩を感じるわけなので、全然いいことだと思っています。これは確かに人体の根元側→先と順序を踏まないと出来ないし、指導側も何を教えていいかわからんになるに違いないです。今まで肩・肘・手首の位置と旋回で動かせていたものに、各指三か所×5本の15か所の制御がいきなり加わるのは厳しくないですか…?全部色々な局面で役割を持って動くのです。想像いただけたでしょうか。「やらなければわからない」というのはxRのゴーグルと一緒ですね。

 レッスンが休みの間、何をしていたかというと、オンラインの受講システムを試したりの後はぞんぶんにサボっていました。制御を間違えてクセがついたらマジヤバイとわかっているからです。すでに間違った癖がもし付いていたとしたらこの長期休みでリセットできるチャンスでもあると思っているので、技術力向上のためにサボっていました。どうだすごい言い訳だろう('ω')

 というわけで再開一発目の練習メニューは「フォームチェック」でした。遅刻していって「フォームチェックだけのつもりで来た」と言ってみたところ先生もそのつもりだったと言っていました。さすがプロ。さすプロ。読まれている。というわけでラの音を弾くだけです。簡単!……じゃないんだなコレが。。

 弓の上げ下げの際に右手指の全関節をクッとやって気持ち曲げたり、気持ち開放したりといった操作を行ってクッションのようにする練習になりました。小指は制御下に置かれていない事がバレました。これを今まであんまり意識的にやってこなかったんですが、これをやることで弓の先っぽが違う方向に向くんですね、正しくできると向きが変わらない。普段の運弓と移弦の難易度が上がるという事なのです。また宿題が増えました。ただ、練習法を教えてもらったのでまた何とかなると思います。段階ごとに理屈が判れば大体なんとかなってるし。

 サボっている間に、実はもう一つやってたことがあって、色んなバイオリン講習動画でビブラート動画をひたすら観ていました。あれ出来るとかっこいいですよね('ω')ほわわ~んって。出来ないんだけどさ('ω')色々観ていたんですが、あらゆる動画シリーズに共通なのは、「けいれんを使ったビブラートはダメ」という事を学びました。ゲーマーなので連射用のけいれんは得意ですが、ダメみたいですね。アプローチを変える必要があります。手が映る動画をひたすら観察していて、左手について気づいたのは指が伸び切る瞬間が一つもない事ですね。クッションとして使うために関節の可動域をどっちにも残した状態で弾いてるみたいです。試しにネックを持ってマネしてみると全然動かなくて、一人で数十時間試したあと親指の第三関節(一番根元)の制御かもしれんと思った時点でとりあえずやめました。まだ先生に訊いてないのでハズレかもしれない。でもひとさし指から小指まで全指出来ないんだから、原因はきっと反対側であろうと思うわけです。でもこんなところ意識してリズムに乗せたことない。訓練法が居るわ…というところで本日のレッスンが始まり、左手の練習は一つもやらずに右手の課題が発生してたという状況が分かり、次回お楽しみにという状況です。

 けいれん絶対回避の条件で音高を揺さぶるためには肘が動かないとダメなんです。移弦のために肩を軸に回転させて肘の位置をネック真下に潜らせたり抜いたりという操作は一年やってますが、まだ体にたいして肘位置を前後させる操作はやってないんです。体に近く少ない関節を制御して脳みそに慣れさせるのがもしセオリーだとすると、ビブラートで十か所くらい制御点がいきなり増えるよりは、肘の1自由度を増やすポジション移動の方が先なのかもしれないですね。脳の負担が少ない。

 そんなわけでサックリ独学ビブラートを諦め、とにかく4の指の速い移弦が苦手な課題(特に右の弦から左の弦への移弦が致命的)を解決するために、指を独立して動かせるグリップを買いました。2年前にバイオリンを始めた時には、曲げ0延ばし1として0→1の制御が全くできてなくてビクンビクンしてました。今はやっとかろうじて出来ているのでもうちょっと細かい制御(0.2⇔0.3くらい)をできるようにわずかな力加減を視覚化できる指バラバラグリップが役立つ気がしています。握りこむためには使わず、一定量のへこみで止める事に目的があります。手壊れたらいやだし。(両手の小指の操作がどっちもお留守なのは、プレステのコントローラに小指が割り当たってなかったからだと今更主張したいです)

 左手の前後操作でネックの先端がふらつかないためには、普段の楽器保持の仕方も重要だなぁと再確認して、肩当ての位置の探り直しを2年ぶりにやりました。楽器をアゴに挟んだまま普通に生活でき、かつ構えた時に各関節に無理を感じない位置を何日かに分けて調べました。どんどん戻っていくのでしたが、なんとなくわかったので、今日は自分のサイレントバイオリンも会場に持って行って、現地で違いがわかるようにはしていきました。

 終わったらいつも通りラーメンを食べに行きました。ルーチンだった食後のゲーセンはまだちょっと怖い気もするので、その分の予算を味玉にひきかえました。

 そんなわけで、やればやるほど課題が出てきて楽しいバイオリンなのでした。出来なくても脳が慣れてないんだからしょうがないよね!(ひとごと)

 以上です。
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