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住み続けたい街

下町の風物詩

20代の後半に私は、笹塚から向島に引っ越した。笹塚駅は地下鉄の始発駅で借りていたマンションは駅前にあったので、都内で地下鉄に乗りさえすれば、雨にぬれずに家まで帰れたので、とても気に入ってはいたのですが、たまたま申し込んだ向島のマンションが抽選であたったので、下町の生活も悪くないと思い、また地下鉄浅草線の始発駅ということも気に入り、引っ越すことにしました。下町で最初の夏を経験した時に感じたことは「風がぬるい」ということでした。「その辺りは戦後焼野原になったせいなのか、公園には木はあっても、森のような場所はなかったので、風が涼しくないのかな?!」「だから下町では軒先に植木鉢を並べるのか」と思ったことを覚えている。

そんなこともあり、30台後半に「また引っ越そう」と思った際の住まい探しの条件は「駅近、始発駅、風が涼しい」の3つ。当時の候補駅は、東西線の中野駅、丸ノ内線の荻窪駅、総武線の三鷹駅でした。どの駅も東京西部の始発駅でした。結局いろいろ検討し、中学まで住んでいた三鷹駅のマンションを選ぶことにしました。

郊外に住まう

郊外に引っ越して変わったことは、以前よりも休日に仕事に出かけなくなったことでした。向島に住んでいた頃は、会社まで近いので、ついつい休日でも会社に出てましたが、三鷹に引っ越してからは休日は会社にいかなくなりました。会社まで1時間かけていくのが馬鹿らしいと思うようになったからです。コロナの時代を経験してあらためてその時のことを思い出しました。ネットを見ると「郊外に住みたい方にピッタリの暮らしやすい街」に三鷹駅が選ばれていました。私の選択もさほど間違ってはいなかったようです。

コロナの時代を経験して

数年前に東京都の小池都知事が「オリンピックはリモート勤務で!」と言っていました。ところが私たちは、オリンピックが来るまでもなく新型コロナによってリモートワークを余儀なくされました。リモートワークが住宅を選ぶ際のモノサシを大きく変化させたようです。「コロナの時代を経験して住宅選びがどう変わったのか」について調べたら、下記のような「快適に通える郊外」という記事が出てきました。「駅の近さよりも広さ」「マンションよりも一戸建て」の人気が上昇したとのこと。この記事を私なりに解釈してみました。リモート勤務が増え、家族と一緒にいる時間が増えることによって「家族の中でも、適度な距離感が保てる空間が必要になった」ということではないかと思いました。

住み続けたい街

下記の記事は「2021年の住み続けたい街ランキング」です。「住みたい街ランキング」は憧れやイメージを示す数値ですが、「住み続けたい街ランキング」は「実際に住んでみた結果として住み続けたいと思う存った」という点でよりリアリティがあるような気がします。そのランキングの1位は三鷹駅のある武蔵野市でした。他にも逗子市や葉山町も入っています。きっと「海の近くで住みたい」という仕事ではない視点も加わって選ばれたのではないかと思いました。

調査だけで語るのは軽率ではありますが、少なくともコロナ前とコロナ後では「住みたい街」や「住み続けたい街」のモノサシが変わってきていることは確かのようです。


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