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【感想・レビュー】『ボイド・テラリウム』がめちゃくちゃ良かったのでその話をしたい(2020/01/30)

どうも、巡漓じゅんぺーです。今日は個人的な振り返りとか、あとがきとかでもなく、ただ単純にオタクとしての記事になります。

『void tRrLM(); // ボイド・テラリウム』、皆さんご存知でしょうか。
2020年1月23日、日本一ソフトウェア様から発売された、かの会社の最新作になります。

超絶ざっくりにどんなゲームか説明すると、『人類が滅んだ世界で偶然にも再起動した「ロボ」が、唯一生き残った少女「トリコ」と出会い、彼女を生き延びさせるために頑張る』というゲームです。

発表は確か去年の10月くらいだったかな。ティザームービーの雰囲気があまりにも好きすぎて、めちゃくちゃ楽しみにしてました。

概要は全部公式サイトに書いてあるので見ていって下さい。雰囲気が1発で掴めるはず。

そんなわけで、つい先週発売した本作。
僕もようやくクリアしたので、今回は感想を交えつつ『ボイド・テラリウム』の紹介をしながら、良いところ・悪いところを書いていこうと思います。

全部書いていくと流石に多いので、ピックアップしたものだけ書いていこうかと。

極力ネタバレは無しで行こうと思うので、未プレイの方も気にせず読んでもらえればと思います。
※本記事は僕の主観的意見・感想になります。あくまで「こう思った人もいるよ」くらいの気持ちで居てもらえると幸いです

というわけで本題。


■(良いところ); // サクサク遊べるローグライク


そもそも『ボイド・テラリウム』ってどんなゲームやねん、って言う人に説明すると、このゲームは「ローグライクお世話RPG」になります(公式サイトより引用) ローグライクの説明は省きますが、分かる方は不思議のダンジョンを想像してもらえれば。

このゲームは基本的に、「探索⇔お世話」のサイクルで動きます。このうち、ローグライクは探索に当たるのですが、このローグライクの部分が良い。


既存のローグライクの例に漏れず、敵を倒し、アイテムを拾い、レベルアップする……という流れなのですが、本作の特徴は「探索で得たスキル・レベルは、1度探索が終了するとリセットされる」という点です。

拾った資材・資源はそのままに。スキル・レベルだけがリセットされるため、どんだけ成長しようが次回時には再びレベル1になっています。
逆に言えば、得たアイテムは持ち帰れるので、何回死んでも良い、というわけです。


僕があんまりローグライクをやっていないので比較できないのですが、ペナルティというペナルティが存在しないのは、ローグライクにおいては非常に気が楽なのではないかと思います。

実際僕もプレイしてて敵に倒されたとき、「あ~~~やられた。まぁいいか……次だ次!」っていう気持ちになりました。
(この、「まぁいいか」っていう感情が発生するのが、結構重要なのかなって思います)

倒されても再プレイするまでに心理的ハードルが低く、サクサク遊べるローグライク。このシステムにしたのは成功だったな~と感じました。

おそらく、僕みたいなローグライク初心者にはものすごくピッタリなシステムなんじゃないでしょうか。ローグライクRPG経験が低い人でもしっかり遊ぶことができます。


スキル・レベルもリセットされるため、「このスキルが最初からあってほしいんだけどな~」っていう人のために、『ロボカスタム』という機能がきちんと搭載されていたのも良い配慮だった。

『ロボカスタム』……
その名の通り、ロボをカスタム出来ること。セットすることで、最初から探索に任意のスキルを持ち込める。
注意事項として、探索でそのスキルの「レシピ」を持ち帰り、「クラフト」しなければならない。「レシピ」を手に入れられるかは完全に運。

ちなみに僕が最後までセットしてたスキルは「Wチャンス(一定確率で1度に取れるスキルが2つになる)」と「スキル抽選枠アップ(LvUP時のスキル枠を1つ増やす)」でした。これバカほど便利なのでプレイする方は参考にしてください。

探索がサクサク進むと「気持ちいい~~」っていう快感と、「負けたら終わりだ……」っていう緊張感が味わえるので、そういう意味ではきちんとローグライクとして成り立ってたのかなと思います。気付けばずっとやってる。

あ、詰むときは普通に詰みます。無情。


余談なんですけど、探索で得られるスキルに「吸収」っていうのがあって、攻撃するたびに回復するっていうスキルなんですけど、これを複数重ねると1回の攻撃で50~70は回復するようになるのでマジで強いっす。

SAOのキリトになった気分(SAO編のシリカ回だったっけ)でしたね……「おまえらの攻撃じゃ俺は倒せない」になる(攻撃を受けても回復するため)


■(悪いところ); // 序盤の難易度がちょっとキツい

これはハッキリと感じました。もしかすると僕だけなのかな~って思いツイッターでちょいちょい検索したりもしたんですが、同じことを思ってる人は一定数いるみたい。

具体的にキツいと感じた点を挙げていくと、

 ・トリコの食料が手に入りにくい
 ・探索で詰む要素が多い(解決案あり)

みたいな感じになります。1つ1つ詳細を語っていく。

◆トリコの食料が手に入りにくい

まず何よりも感じたのがコレ。本当に手に入らないです。
トリコは生きている人間なので、我々と同じように「食料」を口にしないと死んでしまうのですが、彼女を生かすための食料がまぁ~~~~~手に入りにくい。
正確には、「汚染されていない食料」が、です。

この世界は有毒菌類に汚染されており、正常な資源というものがほとんどありません。汚染度には、小・中・大の三段階があり、このうちトリコに与えていいものは「小」のものになるのですが、この汚染度小の食料が全然でてこないです。

食料発見ポイントを見付けても、出てくるのは汚染度中や大のもの。
別に汚染度が高い食料を与えても、トリコの空腹は満たされるのですが、ここで重要になってくるのが、「トリコ自身の汚染度」です。


トリコの汚染度が上がると、トリコが病気になります。
もっと具体的に言うと、トリコが肉塊になったり、液状化したり、羽が生えたりします。

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(※公式サイトより)

うーん、日本一ソフトウェアって感じ。”奇病の一部”じゃないんだよなぁ。

こんな感じで、汚染度の高い食料を与え続けるとこうなります。


「じゃあ食料が手に入るまで探せばいいじゃん!」って思った方。お忘れですか、トリコはお腹を空かせて家で待ってるんですよ、そんな悠長な時間なんてあるわけ無いじゃないっすか……

つまり、絶対的なタイムリミットが存在しているということ。その限られた時間の中で、ロボであるプレイヤーは食料を探さなければないのです……が、全然手に入らんので何もかもオワリ(ここらへんの問題は後述するマップデザインも関係しているのですが、それはそれとして、もうちょい食料の出現確率を上げてもいいのかなぁって思いました)


で、救済措置なのかは分かりませんが、トリコのお腹が結構空いた状態(正確な条件は定かじゃない)で帰還すると、とある生物が拠点にいることがあります。
ソレの名称は『黒光りする虫』というのですが……これはなんと、トリコの食料になり得ます。


トリコが、食べることが、できます。
しかも、食べると笑ってくれる。


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なので、本当に手段が無くなるとソレに手を付けるしかなくなるのですが……この話にはまだ続きがあります。

その『黒光りする虫』は、なんと最初から、汚染度がそこそこに高いのです。

けど、食料をあげないとトリコは空腹になったまま……
でも、あげると汚染度が上がってしまう……
と、いったふうに。ここで、我々は苦渋の決断に迫られるのです。


ちなみに、病気になって治したあとは、トリコの汚染度・空腹度は全快します。真の救済措置はなんと病気を治すことでした。外道か。

これが、”あえて”こうしているゲーム設計ならば、たぶんこれをデザインした人は相当人の心が無いと思います(貶しているわけではない)

彼女を病気にしてまで食料を与えるか。
それとも食料を与えず死なせるか。

ゲームデザインとしては非常に世界観と合致していました。
そうせざるを得ないとはいえ、現に、ここに1人、葛藤してトリコに食料を与えた人間が居ますからね……


こんな感じで、食料手に入らない問題が目立ちました。序盤超えるとまぁ楽になるかなって感じ(空腹速度減少のクラフトボーナスがあるオブジェクトを作れるので)


◆探索で詰む要素が多い(解決案あり)

探索で詰む要素について。これはローグライクである以上、仕方のないことだとは思うのですが、罠とかの配置がありえんくらい殺意の高いときがあったり、ロボのバッテリー(無くなると行動できなくなる)を回復するアイテムが全然ドロップしなかったりと、詰む要素が多いです。

コレが起きてしまう原因は、とにかく「無駄が多いマップデザイン」にあるのかなと思います。

ただ長いだけの通路。何もアイテムが無い部屋。敵がわんさか居る部屋(モンスターハウスも)や、罠がめっちゃある部屋。
ロボのバッテリーという行動限界があるのに、探索を余儀なくされる場合が発生してしまうのは、詰みやすい原因になってしまうのかな……と感じました。


しかし、これを解決する案はあります。ロボ自身を成長させることです。
拠点ではクラフトが可能なのですが、このクラフトは初回時にボーナスが発生し、ロボのステータスを上げることができるのです(他にもトリコに関することだったり)

スタートを有利にすることで、探索序盤で余裕を持たせることができる……といった感じです。

クラフトをするための資源が手に入りにくかったりもするのですが(特に汚染資源)、ここは運だったり、ロボのロールを資源が手に入りやすいものにしたりなど、工夫をこらしていくのも、このゲームの楽しみだと思います。


悪いところ、と書きましたが、結果としてゲーム性に繋がってはいるなぁって書いてて感じました。でもマップデザインやアイテム出現率や種類の割合はどうにかしてほしい。


■(良いところ); // 魅力的なキャラクター、テラリウムの改装

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(※公式ツイッターより)

トリコが可愛い、おわり。


だけではなく、プレイヤーの化身でもある「ロボット」や、彼をサポートする「ファクトリーAI」も、非常に魅力的です。

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や~~~特にファクトリーAIがほんと良いキャラなんですよ。
コロコロ変わる表情は見もので、元気な喋りで場を和ませてくれる「彼女」は、本当にこの物語において欠かせない存在だと思います。ロボとファクトリーAIのやり取りがめっちゃ好き。


◆テラリウムの改装

前述したクラフトではテラリウム内のオブジェクト(家具など)を作れるのですが、作成した家具で自分好みのテラリウムを作ることができます。

僕はこういったマイカスタム系の要素が好きなので、結構凝ったレイアウトにしたりしてました。

やりこみ要素も兼ねてるので(いかんせん種類が多い)、この辺りの要素を気に入る方は多いんじゃないかなと思います。キミも自分だけのテラリウムを作ろう!


■(悪いところ); // 不具合等が目立つ


コレはもう僕には擁護しようが無いので簡潔に書いていこうと思います。苦言を呈すくらいには目立ったし、同じようにSNSで呟いている方も多かったです。

僕自身が確認できた不具合としては、

 ・強制終了が発生する
 (結構起きた。PS4、Switch両方で起きてるっぽい? DL版はどうかわからない)
 ・エフェクト過多、敵が多数出現すると処理落ちする
 (仕方ないとはいえローグライクでこれはどうなんだろう……?)

といった感じです。
検索かけてみる限り、どうやら他にも起きているらしく、中には致命的なバグもあるっぽい。

同人とはいえ、僕もゲームを作っている身なので、バグが発生してしまうのは分かるので、あんまり強く言いたくないんですけど……ストレスになるバグが起きてしまうのは、せっかく良い作品の質を落としてしまう要素になっちゃうので、勿体ないなぁ……って素直に思います。特にボイド・テラリウムは好きな作品なので、余計にそう感じてしまう。

アップデート対応頼む……と思っていたら、どうやらつい昨日公式が声明を出してたっぽいです。感謝……! これで新規の人が増えるといいな……


■(良いところ); // ストーリー・グラフィック/サウンド・演出が最高

何よりも声を大にして語りたいポイント3つ。

◆ストーリー
プロットとしては結構王道で、だからこそ堅実に描いていくのが良い。コツコツと積み上げてきた展開は、ラストシーンに収束し、プレイヤーに”感動”を与えてくれます。僕は泣きました。

◆サウンド・グラフィック
100点。『ボイド・テラリウム』の世界を彩るに欠かせないピースで、逆に言えばコレが無いと『ボイド・テラリウム』は成り立たないとさえ思ってます。公式サイトでBGM聴けるからよろしく……僕のお気に入りは拠点とラスダン、ラスボス戦BGMです。

◆演出
『ボイド・テラリウム』の中で最も好きといっていい点かもしれない。その理由は、物語中盤と、終盤に起きる”ある演出”なんですが……これを言ってしまうとネタバレなので何も言えないジレンマ。好きな人にはトコトン刺さる演出かと。



■(); // まとめ

そんなわけで、『ボイド・テラリウム』の紹介をしながら個人的な良いところ・悪いところを連々と書いてきましたが、いかがだったでしょうか。クリア後、衝動のままに書き始めたので、読みにくかったりしたら大変申し訳無いです。

なんやかんや書きましたけど、僕はこのゲームが大好きです。大好きになりました。そうじゃなきゃこんな記事書いてない。

だからこそ、いろんな人にプレイしてほしいし、他の人がプレイしてみてどんな感想を持つのか聞いてみたいです。

この記事は、『ボイド・テラリウム』を知らない人にとっての窓口や、気になって購入を迷っている人にとっての”キッカケ”になれたら良いなって、おこがましいですけど、そう思っています。

もしよければ、記事を拡散してもらたりすると、とてもありがたいです……! 皆さんもトリコに、ロボットに、ファクトリーAIに、会いに行ってあげてください!

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(※公式ツイッターより)


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→ (@Jun_storia777)

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