失敗が許されない場面において効果を発揮するプレモータム・シンキングについて

プレモータム・シンキングとは?

失敗を事前に予想しミスを減らす思考法のことです。
最悪を想定し、そうならないための対策を事前にしておくことです。

まず「プレモータム」とはそもそも医学用語で、”事前検死”を指すそうです。
事前検死とは、患者が死に至らないように、健康状態を観察して適切な対処を行っておくこと。
そこから体系的に整理されて、「プレモータム・シンキング」が作られたそうです。

この思考法は、絶対に失敗が許されない場面において絶大な威力を発揮します。
例を挙げると、プロジェクトが失敗することをまず先にイメージし、それが失敗する要因を考えます。事前に失敗をイメージするところから出発して、ありうる失敗の要因を先につぶして行くのが、このプレモータム・シンキングです。

具体的な4つのステップについて

⒈未来の失敗をイメージ(シミュレーション)する

失敗する未来をイメージするのは、人によって辛いことかもしれません。
「思いは招く」という考えもあり、失敗をイメージしていると失敗しやすくなると言う人もいます。
失敗を未然に防ぎ、成功する将来にするには、4つのステップのうち最も大事で時間のかかるステップです。
このステップでは、どこまで具体的に失敗を思い浮かべる(シミュレーション)ことができるかが重要です
このステップが、残りの3ステップに影響してきます。

また、失敗を鮮明にイメージするためには、時系列でイメージしていくと良いです。失敗の直前から、失敗した後に起こる悪影響までを、受ける感情をこめてリアルにイメージできれば最適です。

⒉失敗の原因や問題点を抽出する

1で挙げた失敗のイメージから、その原因を一つ一つ考えていきます。
ここでも大切なのは、時系列を通じて考えることです。
ただ1つのミスが失敗の決定打になることは少なく、たいてい小さなミスの積み重ねが失敗につながるケースが多いです。
要所(中間地点)で、どのように準備を失敗しているかを考えていきます。そうすることで、さらにリアルに失敗までの道のりがイメージでき、失敗の原因が把握しやすくなります。

⒊対策と新しいプランを検討

失敗につながる問題点が見えてきたら、次は、その対策です。
問題を解消して成功を導くために必要なことを検討します。
やり方としては、2で挙げた要所(中間地点)で、成功するならどのような対処をしているかを考えます。
難しく考える必要はありません。うまくいってない自分の真逆の状態を考えれば良いのです。

⒋新しいプランに集中して実行する

失敗を防ぐための新しい計画が作れたら、今度はそれを実行するのみ。

最後に

心理学にネガティビティバイアス(negativity bias)と言うものがあります。
ポジティブよりネガティブなことの方が、人は意識するそうです。
リスクや不快なものを回避しようとする生存のためのメカニズムからくると言われています。

失敗を強くイメージすることで、それを避けようと意識が向くように働きかける。

プレモータム・シンキングを活用することで、失敗するケースが減り、成功率は高くなると思います。

4つもステップがあるのは多くてできないという方は、以前に私が書いたnote「自分は必ず失敗する。その意識が失敗を防ぐ。」をご参考ください。

内容は、「失敗を前提にした行動」について書きました。

今回の内容に活かせる点があれば、幸いです。

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