終わりなき旅のはじまり11

1991年3月、僕は高校を卒業した。

大学進学を熱望してた母親の期待を見事に裏切り、僕は地元のレンタルビデオ屋でアルバイトを始めた。

フリーターというやつだ。

朝10時〜夜0時までの営業時間で週6日、8時間〜14時間働いた僕の月収は多い時で15万円ほどだった。

稼いだお金で毎月CDやレコードを10枚ほど買い、週に3回ほど映画館に通った。

当時、横浜の関内にはヴァージンレコード、ディスクユニオン、映画館はシネマリン、ニューテアトル、横浜東宝会館、ジャックベティ、日劇、関内アカデミーなど、沢山の映画館があり、大きな映画館では上映しないような映画を沢山観ることが出来た。文化を楽しめる何かがそこにあった。

ギターを買ったのもこの頃である。

簡単なコードを覚えて、アコースティックギターで曲を作り、詞を書いてはラジカセでカセットテープに録音、当時音楽のコンテストなどで上位入賞してたレンタルビデオ屋の店長、ライオン丸にその音源を持っていってはアドバイスをもらい、とにかく沢山曲を作り、そのうち路上で歌うようになっていった。

渋谷アピア、江古田マーキー、四谷コタン、高円寺ショーボートなどに足を運びだし、当時、歌ってた人達と多く知り合えたのもこの頃だった。

自由を自由に楽しめる、そんな時代だったような気がする。

今思えばバブルが崩壊したのもこの頃、浮かれてた時代の最後の自由な時がこの頃だったのかもしれない。

フリーターとしての生活を2年続けた僕は、この後、韓国に留学をする事になる。

終わりなき旅のはじまり11 おわり。


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