終わりなき旅のはじまり20

四女の姉が自ら命を絶ってから、今年で20年が経つ、時が流れるのは本当に早い。

2000年3月28日、水曜日、電話が鳴ったのは午後6時を回った頃だったと思う。

大阪の曽根崎警察署からだった。

「ご家族のご遺体を警察署にてお預かりさせて頂いてるので確認しに来て欲しい」。

すぐさま姉達に連絡をし、取り乱し泣きじゃくる母親を連れて僕は新幹線で大阪に向かった。

警察署に着いた時は23時を回ろうとしてた頃だった。

身元確認をした後、なかなか離れない母親をホテルに連れていき寝かせた。

翌日、母親を新幹線で先に横浜に帰した僕は、葬儀業者が手配してくれた車に乗り、四女の姉を横浜へ連れて帰った。

四女の姉は作詞家をしていた。

「きのう あの場所でみかけた
少し大人になってた
どうして?見つめて 手も振れなくて
いつも君に会いたかった 同じ笑顔見せたかった
ごねんね 今 まだ 見せられなくて
もしも 道を間違えたら 急ぎすぎていたなら
遠くから 君がきっと 叱ってくれて…

What's going on あの夏の夢 失くしていないよ
うつろう日々 追いつけた時 君に見せるから
What's going of 僕らが知っている ひとつの真実
守るべき約束を ずっと 忘れないように
光の射す 青い空 探しながら歩いていくんだ…」

今でもダウンロード配信やカラオケで歌われるこの曲の歌詞は、三浦の海を一望出来る静かな場所にあるお墓に刻まれそこに残っている。

この頃の僕は、バンドのマネージャー業、制作したアマチュアバンドのCDをレーベルから出して販売、6月に行われる韓国政府公認による初の日本人アーティストのコンサートの制作に参加する事が決まっていた。

僕は6月のコンサート制作1本に絞り、プロダクションを退職、母親と姉達と共に、死を選んだ四女の姉の足どりを探る旅に出ることになる。

そして6月がやってくる。

終わりなき旅のはじまり20。終わり。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?