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国鉄標津線奥行臼駅跡《30》外出自粛でも旅の気分

北海道野付郡別海町は住民より牛の数の方が多いといわれる広大な町。摩周湖南の弟子屈から別海町に入り、緩やかに波打つ牧草地や林を見ながらドライブをしたのは2016年。お天気も好く、広々とした風景を見て気分も爽快。ランチののち、進路を南に向け、国道243号線を走ってここまで来ました。別海町の南東部で、視界には森が多くなってきています。奥行で国道を離れ、道道930号線に入って、さらに左折した短い道の行き止まりに、奥行臼(おくゆきうす)駅の跡がありました。

木造の小さな駅舎の向こうには線路と幅の狭い土盛りのホーム。枕木間隔も広く、全体として低規格ローカル線だったことが分かります。それでも、モータリゼーション前の昭和の中ごろまでは重要な地域の交通だったのですね。貨物や荷物を運ぶ列車も通っていたそうです。駅名標も電柱も傾いてしまっていて、廃線から30年以上経っていることを実感させられます。

この近くには別海村営軌道の奥行臼駅跡もあるのですが、私が行ったときは工事のようで、見ることはできませんでした。線路幅の狭い軽便鉄道で、馬が車両を牽く馬力軌道で始まり、戦後に内燃車(エンジン付き)が導入されたといいます。ここで国鉄線と村営線の乗換や貨物の積換えが行われたのでしょう。

標津線奥行臼駅は根室本線に接続する次の厚床(あっとこ)まで約11km、逆方向の別海駅まで約12km。この駅間距離からも人口希薄な空間が実感できます。木造のこの駅舎は傷みも目立たず、木の羽目板がきれいに並び、誰かが大切に維持しているのだなっと、温かな気持ちになれました。

#いま自分にできること #奥行臼駅 #外出自粛 #stayhome

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