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第2回読書会レポート

こんにちは!!

伊東潤担当編集の小川(@kyohei_ogawa_)です。

さて、先月3月4日(土)に第2回「伊東潤の読書会」が開催されました。

<第1回の様子はこちらから>

第2回のお題は、遠藤周作の『沈黙』。

沈黙(遠藤周作・著)
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。(新潮社HPより)

映画化もされ、注目度も上がった歴史小説『沈黙』をテーマに、みんなで感想を語り合い、そして、伊東潤が作家としてどう読んだのかを本人から伺いました。

参加してくださった作家の早見俊さん(@hayamisyun007)、鈴木英治さん(@saakaeiji)秋山香乃さん(@kano_akiyama)、誉田龍一さん(@Hondaryuichi)、神家正成さん(@Kamiya_Masanari)をリーダーにチームに別れ、議論を深めました。


「『沈黙』の主人公は誰?」

「印象に残っているセリフは何ですか?」、「誰に一番感情移入しましたか?」など各チーム共通の議題で話し合いました。中でも意見が分かれたのが「『沈黙』の主人公は誰だと思いますか?」と言うトークテーマ。ロドリゴ、キチジローをはじめ、フェレイラや作者の遠藤周作自身が主人公なのではという声があがりました。皆さん深く作品を読み込まれており、チームリーダーの作家さんたちがびっくりされているのが印象的でした。


「もし自分が遠藤周作だったら?」

コルク代表の佐渡島(@sadycork)が聞き手になり、作家の視点からどのように『沈黙』を読んだのかを語ってもらいました。

・もし自分が遠藤周作だったら、何を直すか
キャラクターを直す。遠藤周作の文体や書き方は好みだが、今の時代の小説はもっとキャラクターを作り込まないといけないのかもしれない。キチジローの存在がラストにもっと活きてくるように、布石として登場するキチジローをもっと鮮明に描きたい。
あとはガルペの死のシーン。井上がもっと追い込んでいたら違う描写になっているのではないか。

・小説の中に気になるテクニックはあったか?
作中に登場するロドリゴの手記などの文書。「史実かもしれないし、そうでなかったかもしれない」ものを混ぜ込むために使う技法。歴史小説では、史実でなかったことは、絶対にそうだとしてはいけない。
歴史小説は、海面上に少し見えている氷山(史実)の海面下の姿を見せてつなぎ合わせていく作業。

【ピックアップ】
伊東潤の小説技法に関するツイートをまとめたものです。
https://twitter.com/i/moments/786434802467471360


「第2回 伊東潤の読書会」は、前回の倍以上の方にご参加いただきました。
毎回開催されている懇親会も盛り上がり、ご好評のうちに終了しました。
参加者の皆様が「#伊東潤の読書会」で感想をつぶやいてくださっていますので、ぜひご覧になってください。

次回の課題図書は・・・

昨年12月に発売された、伊東潤デビュー10周年記念作品
『江戸を造った男』
江戸時代の商人・河村瑞賢の生涯を描いた長編歴史小説。

「どうすればもっと面白くなるのか、もっとファンの皆さんの声も聞きながら考えてみたい」と言う伊東潤本人の思いから、約2年後に控えた文庫化に向けて、どこを直せばもっと面白くなるのか参加者の皆さんと一緒に考えたいと思います。

まずはみんなで感想を言い合いながら、作品を楽しみましょう!
そして、『江戸を造った男』の面白さを伊東潤と一緒に読み、解き考えてみませんか?

応募フォームはこちらから!


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