山路

峠を越える。ただ電車に揺られて目下は紀州の田園なり。

午後の日射しが差し込んでくる。うたた寝の母を思って、子が日除けを下ろす。

気付けば平野を走っている。ガタゴド、ガタン。ガタゴド、ドドド。

枯木と緑樹の山を背に、電車は駅へと滑り込む。

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