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日本人の8人に1人が弱者男性…「KKO(キモくて金のないおっさん)」は本人の努力不足が原因なのか?

弱者男性は得てして「自助努力が足りないから弱者になった」と言われているからだ。だが、「キモくて金のないおっさん」は果たして、自分のせいでそうなっているのだろうか。

たとえば、両親が大卒だったグループと高卒だったグループに分けたとき、高卒以下の親から育った人の貧困率は大卒グループの約3倍となる。親の学歴は自分で選ぶことができないのに、「金がない」のは自己責任なのだろうか。

あるいは、自分の顔がどうあがいても美しいとは言えず、そのせいで辛酸を舐めてきたとして、それは自分のせいだろうか。新しい服を着て、ひげをそり、眉毛を整えても、毛の濃さや肌の荒れやすさから「美」に近づくコストが高い方はいる。

男女問わず、これを「努力不足」と一蹴してもよいものだろうか。たとえば「百点満点中、60点の美しさ」にたどり着くために、必要なコストが人によって違いすぎるのではないだろうか。特にそれを、貧困や虐待などのストレス下にありながら、実現するのはかなり難しいのではないだろうか。

トイアンナ氏

現代の婚活や就活事情に詳しいライターのトイアンナ氏によると、日本人の8人に1人、男性の4人に1人が「弱者男性」だという。

氏の書籍『弱者男性1500万人時代』より一部を抜粋・再構成し、弱者男性とはどんな男性のことを指しているのか、その実態を明らかにする。


弱者男性(じゃくしゃだんせい)とは、貧困独身障害不細工など弱者になる要素を備えた男性のことである。弱男ともいう。対義語は強者男性

弱者となる要素の候補としては、非正規雇用低収入容姿の悪さコミュニケーション障害パートナーの不在、発達障害精神疾患などが挙げられている。

この言葉は2010年代からSNSを中心に使用されるようになり、強者であるとされる男性の中にも恵まれない者がいると論じるときに用いられるとされる。

そのつらさの内実としては、経済的な困窮もありつつも、女性パートナーの不在による孤独感や承認の欠如が大きいという。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

分類

弱者男性を自認する者にSPA!が実施したアンケートによると、自身を弱者男性だと感じる要素の上位5つは次の通りであった。

  • 年収が低い、貧乏

  • 友人が少ない

  • 人と話をするのが苦手

  • 外見が優れていない

  • 恋人がいない


弱者男性とは何か?

「弱者男性」という言葉は、日本の社会問題に関連する用語であり、貧困、独身、障害、容姿の問題など、社会的に弱い立場にある男性を指すことが多いです。この言葉は、特にSNSやインターネット上で使用されることがあり、男性が直面する様々な困難に光を当てるために使われます。

弱者男性の問題は、単に経済的な困窮だけでなく、社会的な孤立やコミュニケーションの障壁、恋愛や結婚の機会の欠如など、多面的な要素が絡み合っています。また、この用語は、男性が社会的な強者であるという一般的な認識に疑問を投げかけ、男性にも弱い立場にある人々がいることを示しています。

弱者男性に関する議論は、しばしば社会的なステレオタイプや偏見に挑戦し、男性の役割や期待についての再考を促します。例えば、男性が経済的に自立していることが期待される一方で、就職氷河期世代などの影響で非正規雇用が増え、安定した収入を得ることが難しくなっている現状があります。


これは、男性が直面する社会的なプレッシャーと、個人の能力や選択だけではなく、社会的な構造や環境が大きく影響していることを示しています。

また、弱者男性の議論は、男性のメンタルヘルスや孤独感にも焦点を当てています。社会的な支援や共感を得ることが難しいと感じる男性が多く、これがさらなる孤立や苦悩を生む可能性があります。このような状況は、男性が自分の感情や困難について話すことをためらう文化的な要因にも関連しています。

弱者男性の概念は、男性に対する社会的な期待と現実のギャップを浮き彫りにし、男性が直面する困難に対する理解と支援を求める動きを促しています。

この問題に対する解決策は、単に個人の努力を促すだけでなく、社会的な支援や制度の改善、そして男性の役割に対するステレオタイプを超えた新しい理解を築くことが必要です。


弱者男性の問題は、男性だけでなく、社会全体にとって重要な課題であり、より公平で包括的な社会を目指すためには、この問題に真摯に取り組むことが求められています。

弱者男性の具体的な例はありますか?

「弱者男性」という用語は、経済的、社会的、または感情的な理由で社会的に不利な立場にある男性を指します。この問題は、日本だけでなく世界中で注目されており、多くの研究や議論が行われています。以下は、弱者男性に関する具体的な例です。

  1. 経済的困難: 非正規雇用や低収入により、経済的に困窮している男性。例えば、アルバイトを繰り返す生活を送り、正社員の職に就けず、将来の見通しが立たない田中さん(仮名)のようなケースがあります。

  2. 社会的孤立: 友人が少なく、人と話すのが苦手で、外見が優れていないために恋人がいない男性。これにより、孤独感や承認の欠如を感じることがあります。

  3. 恋愛と結婚の困難: 収入や社会的ステータスの低さから恋愛市場で不利な立場に置かれ、自己価値を低く感じさせる要因となっている男性。例えば、中小企業に勤める低収入の30代後半の佐藤さん(仮名)のようなケースがあります。

  4. 社会の偏見と否認: 「男は強いもの」という固定観念により、男性が弱者であることを認めたがらない社会的な傾向。これにより、弱者男性が適切な支援を受けられない原因となっています。

  5. 実存の問題: 経済的に恵まれていても、人間関係がうまく築けず孤独感に悩む男性。例えば、親からの遺産で経済的には安定しているが、孤独感に悩む高橋さん(仮名)のようなケースがあります。


他国でも同様の問題がありますか?

「弱者男性」という問題は、日本独自の現象ではなく、世界中の多くの国々で見られる社会的課題です。経済的、社会的、感情的な困難に直面している男性は、国や文化を問わず存在しています。以下は、他国での弱者男性の問題に関するいくつかの観点です。

  1. 経済的格差: 世界中で経済的格差は深刻な問題となっており、特に製造業や伝統的な産業が衰退した地域では、男性の失業率が高くなっています。これにより、男性が家庭を支える伝統的な役割を果たすことが難しくなり、社会的な弱者となるケースが増えています。

  2. 社会的孤立: 社会的なつながりが希薄になる現代社会では、男性が孤立しやすい傾向にあります。特に都市部では、コミュニティの支援が限られているため、孤独感や社会からの排除感を強く感じる男性がいます。

  3. ジェンダー役割の変化: 男性の社会的役割に対する期待が変化している一方で、その変化に適応できない男性もいます。女性の社会進出が進む中で、男性が伝統的な「稼ぎ手」としての役割から外れた場合、自己価値を見出すのが難しくなることがあります。

  4. 教育と職業訓練: 教育や職業訓練の機会が限られている地域では、男性が技術や知識を身につけることが難しく、これが経済的弱者へとつながることがあります。特に若年層の男性において、将来への不安が大きな問題となっています。

  5. メンタルヘルス: 男性のメンタルヘルスに対する理解が不足している社会では、男性が感情を表現することが難しく、これが孤独やうつ病などの精神的な問題につながることがあります。男性が支援を求めることに対する社会的なタブーが、問題を悪化させる要因となっています。

これらの問題は、男性が直面する困難に対する理解と支援を深めるために、世界中での意識改革や支援策の充実が必要であることを示しています。弱者男性の問題は、男性だけでなく、社会全体にとって重要な課題であり、より公平で包括的な社会を目指すためには、この問題に真摯に取り組むことが求められています。


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