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カリストガ AVA

2009年1月7日、この日にカリストガ地区が AVAとして認可登録されました。カリストガ地区はナパ バレーの最北の地域にあるのですが、ここで「あれ?そこはナパ バレー AVAじゃないの?」という疑問を抱いた方、よくご存知ですね。そうなのです、ここはナパ バレー AVAであり、しかしまた、同時にカリストガ AVAでもあります。

AVAとは Americanアメリカン Viticulturalヴィティカルチュラル Areaエリアの略で、「アメリカぶどう栽培地域」として連邦(国)が指定登録した地域のことです。ナパ バレーという地域はその土壌、気候、環境などがワイン製造のためのぶどうの栽培に適した地域であるとして 1981年に認可されました。しかしさらに、ナパ バレーの中でもその条件はさらに細分化され、造られるワインも他とは区別すべきものであるとして別個に申請し、それが認可されることになりました。これはナパ バレー AVAの中に「たまたま」存在しているけれども、それとは別の AVAである、ということで、正確には Nestedネステッド AVA(根ざした AVA)と言っています。よく知らない人はこれを「サブ AVA」と言って済ませていますが、実はちょっと違いますね。決して基のAVAの下層(サブ)に属するものではない、そういうプライドを秘めた命名です。普段はサブともネステッドとも言わず、単に AVAで済ませています。

現在ナパ バレーには 16のネステッド AVAがありますが、16番目に認可されたのがこのカリストガ AVA、まだ 12年前のことです。有名なワイナリーとしては Chateauシャトー Montelenaモンテレーナがありますね。1976年のパリのテイスティング(パリスの審判)でフランス ブルゴーニュのトップ クラスの白ワインと比較した試飲会、そこでトップに選ばれたのがここのワインでした。今日の日を祝してコルクを抜きたいところですが、あいにく在庫がない。しょうがないので Grgich Hills Estateのワインを開けることにしましょうか。(この変化球を納得するためには、以前書いた『Miljenko Grgich』を読んでくださいね。「パリスの審判」でトップを射止めた白ワインを造ったのがこの人だったのでした。

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