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青森県知事選挙に関する現時点での私の考え

今年6月4日に予定されている青森県知事選挙について、さまざまな報道がなされています。
こうした中、明日、自民党青森県連の市町村・職域支部長・幹事長・県議会議員等の会議において、県知事選挙の候補者選定に関する議論が行われる予定です。
明日の会議では、「さすが自民党だ」と言われるように、「自由で民主的な議論」が行われることが期待されますが、時間も限られており、会議の中で私の意見を詳しく述べることは難しいかもしれませんので、あらかじめここに書いておきたいと思います。
(写真は本日の東奥日報より)

0.(あらかじめ)結論

あらかじめ、現時点における私の考えをここに述べます。
・(当たり前のことですが)青森県知事は今後4年間の青森県のリーダーを決める大事な選挙であり、自民党は国政・県政与党の責任として、県民の声をよく聞き、丁寧に議論をして候補者を選ぶ必要がある。決して党の論理や県連の論理を優先するべきではない。
・今回出馬宣言をしている小野寺青森市長と宮下むつ市長(正式な出馬表明順)は、ともに自民党が産み、育ててきた素晴らしい若手政治家であり、お二人が今後10年、20年、さらに活躍していく道を探るべき。
・現状は、県知事選挙についてさまざまな意見が存在している状況。拙速に結論を出すのではなく、時間をかけて丁寧に県民の声、自民党員の声を聞き、議論を尽くすべき。

1.これまでの経緯とこのブログの位置付け(読み飛ばしていただいて構いません)

概ね新聞記事に出ているとおりですが、これまでの経緯を、事実のみ簡単に箇条書きで書きます。
・自民党が推薦し、5期・20年間県知事を務めた三村申吾知事が退任を表明
・むつ市の宮下宗一郎市長と青森市の小野寺晃彦市長が、相次いで出馬の意思があることを表明(正式な出馬表明は、小野寺青森市長、宮下むつ市長の順)
・県連としては、選考委員会(江渡聡徳衆議院議員が委員長)を設置し、推薦の要請のあった2人のうちのどちらに推薦を出すべきか検討中
・その過程として、1月21日(土)に小野寺・宮下両市長から、県知事選挙出馬の理由や決意等を聴取。また、1月29日(日)に、自民党の市町村・職域支部長・幹事長・県議会議員等による会議を開催し、意見を聴取する予定

私は、上記選考の過程で、選考委員会の顧問として議論に関わってきました。
一方で、正式な選考委員ではないため、「全会一致」を目指すとされている最終的な意思決定の場に加わることはできません。
また、選考委員会の決定に従って知事選挙を行う場合に、現時点では「党議拘束」を掛けるという方針(注)が示されており、私も自民党員としてそれに従う必要があるため、決定に至るまでの過程で悔いのないように自分の意見を述べておこうと考え、選考委員会等の場でも意見を述べてきました。

(注)私は、知事選挙の投票の際に「党議拘束」を掛けること自体に必ずしも反対するものではありませんが、党議拘束をかけなくてもいいようにしっかりと議論すべきという立場です。

選考委員会や国会議員の中にはさまざまな意見があり、私がここで書くことは、残念ながらまだ、選考委員や幹部の間で大きな賛同を得ているわけではありません。
しかしながら、私の周りの方々と意見交換する中で、比較的多くの県民・自民党員の方々が私と同じような考えを持っていることもわかりました。
さらに多くの県民・自民党員の方々のご意見を集めるためにも、私の考えを広く発信し、さらにオープンな議論を促す必要があるのではないかと考え、このブログを書くことを決意しました。


2.県知事選挙に対する考え方

(当たり前のことですが)青森県知事選挙は今後4年間の青森県のリーダーを決める大事な選挙であり、自民党は国政・県政与党の責任として、県民の声をよく聞き、丁寧に議論をして推薦する候補者を選ぶ必要があります。
決して党の論理や県連の論理を優先するべきではありません。
県民の声からかけ離れた結論のもとに自民党として推薦を決定し、選挙戦に突入した場合には、落選という大きな痛手を負うことになります。
その場合には、自民党は今後4年間、県政野党として厳しい立場に立つことになります。
また、その前に行われる統一地方選挙(県議会議員選挙や市町村議会議員選挙)においても厳しい戦いを強いられることになるでしょう。
それだけでなく、青森県政と国政の与野党が捻じれることになり、青森県の政策を決定し、執行していく上で、さまざまな混乱や困難が生じる可能性があります。
それは自民党だけでなく青森県や青森県民にとって必ずしも望むべき状況ではないと思います。
そうした事態を招かないためにも、自民党県連は、自民党員の意見、県民の意見を幅広く聞いた上で、どちらの候補を推薦するべきか決定する必要があると私は考えます。
現時点ではまだ、そうした幅広い意見の吸い上げと、それらの意見の集約ができている状況とは言えないと考えています。

3.二人の候補者について

今回出馬宣言をしている小野寺青森市長と宮下むつ市長は、ともに自民党が産み、育ててきた素晴らしい若手政治家です。
だからこそ、お二人から、これからも自民党と緊密に連携したいとして、今回の推薦の申請をいただいているものと思っています。
私は、お二人が今後10年、20年、さらに活躍していく道を探るべき、と考えます。

今回の知事選挙の報道を見ていた他県選出の複数の国会議員の方から、「青森県の自民党には40代の若い立派な市長が二人もいるんだね」「県知事選挙に若い首長が二人も立候補するなんて羨ましい(選考は難しいだろうけど)」という感想をいただきました。
そうです、小野寺市長も宮下市長も、他県がうらやむような立派な若手のリーダーです。
二人とも、県政だけでなく国政においても活躍できるキャリアと能力を兼ね備えています。
このお二人には、今後10年、20年と、長きにわたって青森県や国全体のために活躍してもらわなければなりません。
この知事選挙において、どちらかを切り捨てるようなことはすべきでありません。
二人ともを活かす道をギリギリまで探るべき、と私は考えます。

4.意思決定の時期について

現状は、県知事選挙についてさまざまな意見が存在している状況にあります。
こうした状況の中で、拙速に結論を出すのではなく、時間をかけて丁寧に県民の声、自民党員の声を聞き、議論を尽くすべき、と私は考えます。

報道にもある通り、また私の周りの方にも意見を聞く中でも、小野寺市長を推す声、宮下市長を推す声、どちらも甲乙つけ難いとして両方を推薦すべき(またはどちらも推薦すべきでない)という声など、まだまださまざまな声が上がっています。
私は、こうした状況の中で拙速に結論を出して進もうとすると、各支部・県議会議員・市町村議会議員等の意見が割れ、4月の統一地方選挙に悪影響が及ぶことを懸念します。

早く推薦を決めて選挙準備に入るべき、という意見もあります。
通常の選挙ではそうだと思います。
しかし、今回は大変厳しい選挙が予想される中、どちらの候補を選ぶ場合でも、県内の自民党員が一致団結して、必死になって戦わなければ勝利を掴むことができません。
一致団結して、必死になって戦うためには、みんなが納得するような「大義」が必要です。
ところが、現状のようにさまざまな意見が混在する中にあっては、まだそうした「大義」は見つかっていません。
多くの自民党員が一致団結できる「大義」が見つかるまで、丁寧に意見を聞き、徹底的に議論する必要があります。
「大義」のない中で推薦候補を決め、「党議拘束」をかけて選挙戦に突入すれば大変な混乱が起こることでしょう。
それは絶対に避けなければなりません。
そのためにももう少し、時間が必要だと私は考えます。

それではいつまで時間をかければ良いのでしょうか。
十分に時間をかけて議論をして「大義」が得られるまで、というのがその答えになりますが、現実的にはどこかのタイミングで選挙準備を開始する必要があるため、時間が経つに従って、「丁寧に議論するメリット」を「推薦候補を決めないデメリット」が上回るようになるものと思われます。
そのタイミングがいつなのかは色々な考え方があるものと思われますが、私は一つの目安として「県議会議員選挙が終わるまで」を提案します。
4月9日の青森県議会議員選挙が終わるまで、小野寺青森市長と宮下むつ市長が、ともに「自民党の青森県知事候補者」として県内をくまなく歩き、ご自分の政策や想いを訴えれば、県民の意見を幅広く聞く機会にもなります。
各選挙区で立候補している候補者が、小野寺市長か宮下市長、時には両方を街頭演説会や決起集会に呼べば、県議会議員選挙も盛り上がり、「自民党にはこんな素晴らしい県知事候補者がいるのか」と幅広く知っていただく機会にもなります。
そうして、県議会議員選挙が終わったところで意見集約をすれば、今よりも多くの人が納得する結論を得られるのではないかと思います。
もちろん、その前に議論が収束し、「大義」が共有され、推薦者を決定することが望ましいと思いますが、現在の意見の発散状況を見ると、県議会議員選挙まで結論を出さないことのデメリットよりもメリットの方がずっと大きいのではないか、と私は考えます。

5.終わりに

新聞報道の論調やインターネットの書き込み、私の周りの方々のご意見などを見ると、自民党青森県連は自民党のことしか考えていない、青森県民の声を聞こうとしていない、というご批判が高まっています。
私は、選考委員会などの議論の場で、上記の意見を繰り返し述べています。
つまり、選考委員会などでは比較的公平で率直な、「自由で民主的な」議論が行われています。
また、明日(1月29日)行われる市町村・職域支部長・幹事長・県議会議員の会議においても、「自由で民主的な」議論が行われる予定です。
こうした公平で公正な手続きは、津島淳県連会長の方針により進められているもので、私は完全に津島淳県連会長のこうした方針を支持しています。
一方で、選考委員会や県連幹部には、様々な意見があり、その板挟みの中で津島会長は大変なご苦労をされています。
また、様々な意見や発言が報道されることなどにより、上記のような自民党県連に対する批判につながっているとすれば、我々は真摯に反省し、行いを改めなければなりません。
なぜなら、(最初に書いた通り)青森県知事選挙は、今後4年間の青森県のリーダーを決める大事な選挙であり、自民党は国政・県政与党の責任として、県民の声をよく聞き、丁寧に議論をして候補者を選ぶ必要があるからです。
決して党の論理や県連の論理を優先すべきではないからです。

(補足)「誓約書」についての経緯と私の考え

1月21日(土)の両候補者の所信聴取の際に示した「誓約書」が、新聞紙上などで物議を醸しています。
その内容は以下の通りです。

誓約書
令和五年六月に執行される知事選挙にあたり、自由民主党本部及び自由民主党青森県支部連合会の選考結果に従い、決定後は党推薦候補者の当選に向け最大限の協力をすることを誓約する。
(日付と署名欄)

この誓約書は、面接前日に示されました。
私はこれを見て、「こんな誓約書を出して署名させたら、踏み絵やパワハラと捉えられる恐れがある」と直感して、津島県連会長に「こんな誓約書は絶対に出してはいけません」と意見を申しました。
津島県連会長は、私の懸念を正確に理解し、選考委員会の場でその懸念を紹介して議論していただいたようです(私は選考委員ではないのでその場には入れませんでした)。
その結果、
・この誓約書は県連が推薦者を決定し、党本部に申請するときに必要になるもの
・その時に署名してもらう必要があるため、参考資料として渡すこととする
・ただし、誓約書に署名するかどうかは選考の条件としない
ということで渡すことになったと伺いました。
私はそれでも渡すべきでないと思いましたが、手続き上の書類、ということで了承しました(今考えれば了承すべきでなかったと反省しています)。

誓約書をめぐる、両候補者との面接の際のやりとりについてはここでは書きません。
面接の際のやり取りがメディアに漏れること自体、自民党県連の信頼を毀損する行為であり、私はそのことを漏らした幹部に猛省を求めます。

面接後、私の懸念した通り、この誓約書のことが次第にクローズアップされています。
津島県連会長は、再三にわたって上記の箇条書きの説明を丁寧に行なっていますが、他の幹部から「選考の条件ではないが重要な判断材料だ」といった発言が繰り返され、批判が収まるどころかさらに高まっている状況です。

色々な意見があること自体は否定しません。
ただ、この誓約書が候補者の心理に対してどのような意味を持ち、自民党員や青森県民がどう感じるか。
政治家である以上、公党の幹部である以上、こうしたことには敏感であるべきだと考えます。
私の「誓約書」に対する考えは以上です。


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