見出し画像

2羽めの鷲 〜21/22スキージャンプW杯 個人第13戦 Bischofshofen〜〜

2度目のジャンプ週間制覇。

これに関しては危なげなかった陵侑

画像1

1本目にLindvikが沈んだため、そこで勝負は決しました。

2度目のジャンプ週間制覇を達成。

2羽めのゴールデンイーグルを手にしました。

#凄い

彼はこの先、何羽この鷲を手中に収めるのでしょうか。

5羽獲得しているアホネンを超える可能性を秘めています。

ジャンプ競技の可能性

試合が荒れなければ、優勝する選手がわかってしまう。

それが贔屓の選手であれば面白いですが

何連勝もされてしまうと、興奮より呆れが先行してしまう私 笑

_______________

この試合、もちろん有利不利はあったものの、公平で良い試合でした。

こういう試合は

勝つのが、小林陵侑ではないにしても

今までに名前を上げた選手たちの、誰かしらが勝利を収めるのが通常です。

そうした中、この大舞台の最終戦で勝ったのは

D.Huber(AUT)

私と同い年、1月3日に誕生日を迎えたばかりの彼が

最高の誕生日プレゼントを自国で掴み取りました。

いい流れに乗って1本目に好ジャンプを繰り出し、2位で折り返して迎えた2本目。

録画で見返してみると周りの上位陣がジャンプ週間の重圧に苦しむ中

ただ1人、自分と戦っているように私には見えました。

ジャンプはメンタルスポーツ、自分に集中できた状態

オーストリア人特有?の高い集中力から繰り出す好ジャンプで

グリーンラインを越え

更には、1本目トップだったGeigerも退けました。

画像2

世界に出たのは弟の方が先

コンチネンタルカップから着実に実績を積み上げて

2年前に初表彰台

この日、ついに初優勝を飾りました。

王国オーストリア人では遅い初優勝

というか、29歳は多くの選手が引退している歳

涙を流しながらチームメイトに祝福される姿に、熱いものが込み上げてきました。

彼を、優勝候補に挙げられるジャンプファンはほぼいないでしょう

そんな選手がフラットな試合で勝つ。

スキージャンプの可能性を垣間見た気がしました。

画像3

グランドスラムの壁

これでも、20年以上ジャンプファンをやっているので

グランドスラムがどれほど難しいか熟知しているつもりです。

それでもあえて、陵侑のグランドスラムを確信し

発信し続けていました。

ただ、心の奥底には簡単にグランドスラムを達成して欲しくない自分がいました 笑

それだけ難しく、長い歴史が積み上がっているのを知っているから。

グランドスラムは超絶高難度」そんなジャンプファンの常識を

ぶっ壊していく存在が小林陵侑だと考えたので、こうした発信を続けていました。

が、ジャンプ週間はジャンプ週間、グランドスラムはグランドスラムでした。

やはり、グランドスラムは難しかった。

小林陵侑の1本目は、見た目以上に難しい条件だったと思います。

1本目は5位。

トップGeigerとの差は6.8点、常人であればかなり厳しいですが

前日の2本目、Geiger相手に6.4点差をつけた陵侑にとっては越えられない点差ではありません。

3年前のように2本目に会心のジャンプを決め、掴み取ると思っていました。

それを許さない重圧が今回はあったのか、

明らかに動きが硬かった2本目。

技術的な失敗は、ぱっと見では分かりませんでしたが

推進力なくグリーンラインオンラインに着地しました。

これがジャンプ週間最終戦。。。

Bischofshofenのジャンプ台も癖がありますが

それ以上にジャンプ週間最終戦の重厚感は凄まじいのでしょう。

この日は条件の難しさも重なり、トップ選手たちが

らしくないジャンプを見せていました。

だからこそのHuberが優勝。

グランドスラムの壁とジャンプ週間の難しさを見せつける試合となりました。

_______________

そのうち、いつか誰かがグランドスラムを達成するはず

#陵侑かも

あの状態の陵侑でも獲れなかったグランドスラム、ということで

また一段とグランドスラムの価値が上がったのではないでしょうか。

というか3年前の陵侑の勢い

いかに「とんでもなかったか」というのを思い知らされました。

陵侑の獲得賞金

陵侑がいくら獲得できるか注目

と書いているので整理しておきます。

画像4

今季の現段階での獲得賞金は211,900CHF

まだ前半戦の途中ですが既に2650万円ほど獲得している陵侑。

このジャンプ週間の期間で1850万円ほど稼ぎました。

この発表によるとInnsbruckで行われた予選の賞金ももらえるみたいです。

この賞金の、多い少ないの評価はしづらいですが

これが大会の賞金だけであることと

競技人口を加味すれば結構稼げているのではないでしょうか。。。

日本チーム

期待していた佐藤幸椰

どうせなら彼が勝ってくれれば、個人的には面白かったですが

そんなに甘くなく、、、それでも表彰台に肉薄しました。

1本目のテレマーク、やや足が横に広がってしまい減点

表彰台獲得にはそれが痛手となりましたが、まだこの地で試合は続く上に

来週は彼の庭Zakopane

#去年は陵侑が勝ったけど

楽しみです。

小林潤志郎さんが14位。

去年のデジャブか、予選で43位ながらラッキールーザーで2本目進出し安定した成績を獲得

佐藤慧一が45位。初五輪を掴み取ることができませんでした。

それでもまだ遠征は続きます。。。

伊東大貴さんと中村直幹は予選を通過できませんでした。

______________

息つく間も無く、この地でワールドカップが続きます。

ワールドカップは大変です。

とはいえ去年は

BischofshofenからTitisee-Neustadtは500キロほど。4HTを終えて、中1日で再び試合とは信じられません。怪我や体調不良に気をつけてほしいです。

こんなことをしているので、いくばくかマシなのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?