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私の知る、宗教2世①

今はもう、やっていないけど。
家族でどっぷり某宗教をやってた時期があった。新興宗教には一応入るものの、かなり歴史があって信者数も多い、そんな某宗教。
その宗教の中でもかなり原理主義?のような感じで教えに対してストイック&お金取らない&時間だけ取るという貧困層に優しい設計だった。
信者数の増加率も他の宗派に比べて全国最高クラスで、謎の“救済”のような恩恵(ガンが治る、人間関係の悩みが解決する、等)を最も得られやすいとされてる宗派だった。
ちょうど2007年〜2011年ぐらいしか関わってないけど、当時は2ちゃんにその宗派の内情をdisるスレが立つと次期トップが見つけ出して投稿の削除依頼を出すような情報の徹底ぷりだった。

去年の銃撃事件を受けて世間で話題になった宗教2世問題を見ていてふと、そのことを思い出した。

「宗教3世」

私は中1から参加したので宗教2世かと言われるか微妙な立場だけど、その宗派を生まれた時から信仰してるような子供たち(いわゆる宗教2世、3世)と一緒に毎週末合宿をしていた。うっかりすると物を取られるわ普段はクロックスを履いて生活して学校ではユニクロのカーディガンを着るのがオシャレとされているわでガチのスラム街みたいな様相で面白かったのをいまだに覚えている。当時は色々と辛かったが、今思い出すとウケることだらけなので良い経験にしておきたい、そんなところでの思い出。

その合宿の中に、祖父母の代から信仰しているかなりの古参の家系の子がいた。
確か3人兄弟。
みんなと普通に馴染んで生活してたからその子たち自身には何も特徴はない。
ある日、その子の親が実はでき婚したと聞いてすごく驚いた。
婚前交渉どころか恋愛全般全てタブー視されている宗教なのに、なぜそんなことが起こる?と気になった。

贖罪

よく聞いてみたら、その子の親世代(いわゆる2世世代)は子供の頃、毎週末合宿で顔を合わせてるうちに思春期特有の性的な興味が相まって、本当は練習しなきゃいけない時間帯にうまく抜け出して二人で営んでるうちになぜか子供できたそうだ。もちろんダメなことだとは分かっていたものの、目先の快感が勝っていたし避妊という概念がそもそもなかったそうだ。

それで、できた子供をどうするか、となった時に、堕ろすのは宗派的に許されないので
仕方ないので結婚して産んで責任とって育てろ、となったらしい。

また、そんなことをしでかしてしまうのは父と母それぞれの家系がもつモノ(負の遺伝要素みたいな、罪のような感覚)が悪すぎるから、それを薄めるためになるべくたくさん子供を産んでその子たちを必ず某宗教にいれて育てるように言われたらしい。信仰生活をしながら育てた子供の数だけ悪いモノが薄まるという教義らしい。

なので、忠実に(?)子供を増やした結果、3人兄弟になったのだと。
聞いた時は衝撃的すぎて何も言えなかった。
恋愛ができないなど抑圧された部分が大きいほどそういうバグみたいなことは起こりうるし、何より無知って怖いなと思った。

救済とは

その家族は子供が生まれたから丸くなったかというとそういうわけでもなく、
見栄をはって外車を買うためにお金を使ったら生活費が足りなくなったから、という安直な理由だけで子供のゆうちょ銀行の通帳を謎の闇ルートで売って(しかもレートの半額ぐらいの二束三文な値段で)、宗教の先生にめちゃめちゃ怒られていた。
デキ婚ではあったがいわゆる恋愛結婚みたいなものなので親世代の本人たちが幸せそうかというと、そうでもなさそうだし。
何か揉め事起きて相談しに行くたびに「(デキ婚みたいな)最低なことしてしまったんだからその報いを受けてるんだろう」みたいにみんなから聞こえるところでdisられ続ける人生だし、いつも夫婦喧嘩してたし。
取り返しつかない詰みルートに入ってしまった感があって、聞いてるのもつらくなってくるからあまり聞けなかった。

宗教でも救えない人って、いるんだなぁとしみじみ思った。
だけど、宗教に繋がってなかったらその人たちどうなってたんだろうと思うと、まだあった方がマシなのかもしれない。
幸福になるための絶対的正解はないと思うが、親の犯した罪を“薄める”ためという目的で生み出された子供たちは自分自身のことをどう思うのだろう、最初に“できちゃった”子はその宗教コミュニティ内で生き続けていて気まずくないのか、などなど。色々気になるところの多い一家だった。

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かおり
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