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エドワード・ヴァン・ヘイレンに想いを馳せて

エドワード・ヴァン・ヘイレンが癌との闘病の末亡くなった.このニュースが公に明かされたのは日本時間の早朝であった.いつもより早く起床した私はこのことを知るなり,ただただ呆然としてしまった,朝の靄が私の脳内に立ち込めていたかのように.10年ほど前,初めて楽器店に足を踏み入れギターを購入したのは,ヴァン・ヘイレンの楽曲を聴いたことがきっかけだった.以来,彼らの曲を弾いてギターの腕を磨いていった.今ではハードロックを聴くことはあまりなくなってしまったが,私にギターを弾くという一生の悦びを与えてくれたのはエドワード・ヴァン・ヘイレンであった.

彼の逝去から数日たつが,時間が経つほどに私がヴァン・ヘイレンを傾聴していた中・高生の頃の記憶がふつふつとよみがえってきた.それはまるで長い間疎遠にしていた友人と再会したかのような懐かしく,気恥ずかしいことであった.彼をまねて首にスカーフをまいたり,7年ほど前の最後の来日公演で買ったTシャツは襟がボロボロになるまで着たことなど思い出してみればきりがない気もする.

彼らの影響は外見だけでなく私の内面にも出ていた.彼らの周りに流されずに自分たちの正義を貫くという姿勢は,私も常に大切にしていることである.彼らが70年代から90年代にかけて時代が変わっても常に支持を得続けてきたのは,彼らが周りに流されることなく自分らの信念を貫き続けてきたからだと思う.だからこそヴァン・ヘイレンというバンドは唯一無二の存在であったのであろう.ともすれば,ヴァン・ヘイレンは私の価値観にまで影響を与えていたのだろう.多感な10代前半に彼らのような素晴らしい人々を知ることができたことに感謝したい.

最後に思うことは,このように考える人は世界中に多くいるだろうということである.彼の影響力はそれだけ大きかった.ただし,私が彼の人生に与えた影響は何一つとしてない.それでいいのだと思う.誰かが誰かに伝える思いなど片思いでいいのだろう.大切なのは感謝すべき存在がいることに気づくことで,彼らを想うことは私たちの明日を彩ってくれるだろう.

ありがとうエドワード・ヴァン・ヘイレン,ご冥福をお祈りいたします.


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