オフィスどうなんねん。2022秋
こんにちは。熟女だいすきファンドまんです。
もうすっかり寒い日が続いて2022年も終盤に差し掛かっていますね。時間が経つのは恐ろしく早いものです。元気もなくふらふらと飛んでいる蚊を見かけると、このまま「あっ!」という間にじじいになって朽ち果てるのか…と諦観の気持ちすら感じることがあります。南無。
さて、前回「オフィスどうなんねん。」を書いてから半年が経過しまして、自分の中の整理を含めて肌感覚マシマシでダラダラ書いていきたいと思います。
⓪定量的データ
まずは定量的なデータを見てみましょう。
三鬼商事の半年前との比較データは以下の通りです。
https://www.miki-shoji.co.jp/rent/report
(2022/3)
都心5区空室率:6.37%
都心5区平均賃料:20,366円
(2022/9)
都心5区空室率:6.49%(+0.12ポイント)
都心5区平均賃料:20,156円(▲210円)
コロナ禍以降じりじりと上昇していた空室率は2021年10月に6.47%を記録してからは横ばいで推移している状況です。
三鬼商事の空室率は、既存ビルは現在空室の区画だけではなく募集を開始している区画も含み、新築ビルは竣工時からカウントする仕組みです。
現在の空室率はミッドタウン八重洲の空室に加えて二次空室もある程度カウントされているだろうと思われますが、2023年の大規模供給の影響がどうなるか?が一旦の話題でしょうか。
2023年は虎ノ門麻布台(貸付面積:約6万坪)に虎ノ門ビジネスタワー(約3万坪)の森ビル物件に加えて東急不動産の渋谷桜丘(約2.7万坪)、田町タワー(約1.8万坪)、五反田のゆうぽうと跡(約1万坪)が続きます。
都内のオフィスビルの総貸室面積は三鬼商事データで2022/9時点で約780万坪ですから、上記の新築ビル合計で約1.9%相当となります。
う~ん、やっぱり結構ありますね。もちろん一方で解体されるビルなどもあり、ざっくり1%ぐらいは滅失するといわれていますので単純に1.9%押し上げるわけではありませんが、インパクトはあります。
とはいえ、渋谷みたいにコロナ前より高く埋め戻しているところもあったりなんかで都心5区空室率なんかはあくまで目安の目安という感じですね。
あとはよく報道もされていますが、美和子さm…ではなく森トラさまの今後の新築物件の見通しです。
森トラスト:東京23区の大規模オフィスビル供給量調査’22
https://www.mori-trust.co.jp/pressrelease/2022/20220705.pdf
よくミッドタウン八重洲ですらやばいのに2023年の新規供給量が多くてオフィスやっべーぞ!とセンセーショナルに報道されていたりしますが、2023年の新規供給量は132万㎡に対して過去20年平均が115万㎡/年とそこまでめちゃくちゃ大きな供給ではないことがわかります。一方で2022~2026年の平均が84万㎡/年と今後5年間は過去より比べて少ないんですよ~大丈夫ですよ~安心してね~。というのは上場リートのIRでも説明されていたりしますね。
ただ、注意が必要なのはその内訳が過去とは変わってきているということです。
延床面積10万㎡以上のビルが2002~2006年は3割程度に対して2022~2026年は6割程度と2倍に伸びております。
つまり大規模(=高グレードといっていいでしょう)のビルの割合は増えており、棟数ベースでは減っているわけではないとも考えられます。
まぁ、定量的な数値は頭のいい人たちがシコシコ考えてくれると思いますので、トピックにいきます。
①マーケットの今後の見通しに変化
半年前まではマーケットの見通しはほぼすべての媒体において(見落としてたらすいません)悲観的となっており、今後しばらくは賃料下落が続いていくというものでした。
ただ、今年に入ってからの需要側の変化を踏まえてか、2023年には底をつけるという見方が9月に2つ出てきました。
三菱UFJ信託銀行:不動産マーケットリサーチレポートVOL.215 東京オフィス市場の予測(2022年9月)と過去予測の結果検証https://www.tr.mufg.jp/houjin/fudousan/f_report/pdf/fr_2022092701.pdf?20221029212126
オフィス総合研究所:オフィスマーケット予測レポートhttps://www.officesoken.jp/pdf/data/tokyo_forecast.pdf
いずれも2023年に底をつけてその後緩やかに改善していくという予想です。
MUTBレポートはさらに過去の予測を実績の差異を分析しており、悲観的な予想するだけしてその後外して知らんぷりな人達とは違い非常に好感が持てますね。
でも、予想は予想でしかなく、直近だと2018年の大量供給の時もオフィスマーケットは反転して低迷するとの各社もっぱらの予想でしたが、ふたを開けてみれば底堅いオフィス需要に加えてwework様がガンガン借りてくれたおかげで反転どころかさらに需給がタイトになったこともあります。
ただ、悲観一辺倒なのが少し様子が変わってきたね?と流れが変わってきているかもしれないことは把握しておきたいですね。
②で、結局みんなはどうしていくのか?
で、肝心の各企業様は今後どうしていくのか!?テレワークガンガン導入してオフィスを縮小していくのか、ハイブリッド在宅でふんわり共用スペースを豪華にして現状維持なのか、いやいや出社100%で圧倒的成長!拡張じゃ!となるのか…。
報道されてセンセーショナルだったところでいうとNTTデータの勤務場所を自宅にするものや、ヤフーの全国どこでも居住可能というものでしょうか。一方でホンダが全員出社に踏み切ったり、GMOは社内におけるマスクを撤廃したりというのもコロナ前に戻すという観点で目立っていました。アメリカではgoogleやappleがオフィス回帰へ取り組んでいるものの、従業員が反対しているという構図も変わらずのようです。
肌感覚コメントとなりますが、いざ足元のオフィスを見てみると、300坪未満の中小企業については出社寄りの企業が多いです。人数も少なく社内インフラ設備も含めて大企業と比べると相対的に在宅勤務には向いていない企業が多く、社長や経営層の権限が強い会社が多いこともありサクッと全員出社となっているところもちらほらと見かけます。
ということで、昨年からもそうでしたがオフィス市場において300坪未満の動きというのは拡張・縮小問わず継続して動いています。
一方大企業はどうかというと昨年はオフィス戦略を決断できず、動かないJTCという感じでしたが、徐々にオフィス戦略を固めていって何らかの動きはしている様子です。
一番多いのは”ハイブリッド在宅にするんでオフィス面積こんなに要らないです”→高グレードビルへ面積少なくして安価な賃料で移転or既存ビルの部分解約でやり過ごす、でしょうか。
解約が続いているオーナーは弱気になっていますので、移転をちらつかせると柔軟な条件がでてくるため、結局いろいろと検討したとしても残留もしくは部分解約というのが昨今一番多いような気がします。動いてなんぼの仲介マンはつらいです。
外資系企業も本国意向に縛られてJTCと同じように動かないところが多かったですが、ウクライナ情勢を受けてさらに動かなくなったところもでてきている模様です。外資系の需要が旺盛だった六本木~赤坂あたりは在庫を抱えているところが多く辛そうですね。(鼻ホジ
そんな動かない企業が多い中でも、気合の入った値付けと営業によって大量の在庫をさばいていった東京汐留ビルディングはさすがです。
新築ビルはミッドタウン八重洲の苦戦が目立ちますが、規模感は違うものの東急の九段会館テラスや東宝の東宝日比谷プロムナードなど、賃料目線を柔軟に設定しなおしできたビルはしっかりと埋めている印象です。
③で、結局みんなはどんなビルを選ぶのか?
足元の企業の動きは上述の感触なのですが、今後はどうなるでしょうか。第8波もささやかれている中、日本も海外に遅ればせながらアフターコロナへ移行しており、この流れはよほどではないと止まらないのではないかと思います。
実際皆さんの周りはどうでしょうか?すっかり電車も混んできており、テレワーク拡大中は絶好調だったという某社のサテライトオフィスサービスも下火になりつつあるとの噂も聞きますし、どんどん出社の方に舵が切られているのでないかと感じます。
会社側からすると効率性や帰属意識を考慮すると出社させたいというのがあるのであれば、出社したくなるようなオフィスを選んで貸室内を作りこむ必要があります。
そういう文脈から、利便性のいいエリアの大規模駅近オフィスの優位性は崩れない、というのが通説ですが、札幌の某新築オフィスビルが好条件で売買されるなど、立地としては決して優れてはいないものの共用部の作りこみがコールセンターなどの需要にマッチしてリーシングに成功している事例もあり、いかに需給をマッチさせるかの重要性をひしひしと感じました。
個人的には、スターバックスに行くとなんとなく高揚するような、おしゃれな場所にいるような感覚に陥る、あの感覚がオフィスビルでも必要ではないかと思います。「俺、このビルで働いているんや(ドヤ」「私、今日もあのビル行くの楽しみ♡」みたいな。
それはハード面で大した違いがでなくなってくる前からデベロッパー様各社がきっと切磋琢磨して工夫しているところで、地所様の丸の内仲通りであったり、みちゅい様の新宿のど自慢大会であったり、すみふの豪華絢爛なエントランスであったり…。
札幌の某ビルは共用部の作りこみがコールセンターで働く高ストレスな方々に受けたとのお話を聞きましたが、都心の営業マンの多いビルだったら癒しの熟女巨乳靴磨き店を地下に準備してもいいでしょうし、エレベーターの音声をS系熟女にして気合入るようにしてもいいですし…。
そういうやわらかいサービスというのは目立たないものの、今後は一層大事な要素になってくるんじゃないかと思います。
また、300坪未満は動きもありますので、駅距離さえ遠くなく、そこそこのグレード感があるビルなら今後もやっていけそうです。
いまは駅近大規模ビルが分割を受け入れているのでそちらに流れがちで、PMOなどの中規模高グレードイケイケ値付けビルは辛そうですが、こなれた賃料帯のビルであれば底堅い需要を拾える気がしており、KDXとかもまだまだこれから強いんじゃないかと思います。
④おわり
ということで、まったくまとまっておりませんが、足元は暗い話題の多いオフィスですが前に比べると少しは先行きは明るくなってきたか?というところです。周辺ビルが埋まったのに自分のビル達だけ埋まらず震える熟女まんでした。勤務先のビルに熟女巨乳靴磨き屋ができることを願ってやみません。
次回は
①え!?この電気代の値上がりどうなってんだ!?テナントに50円/kWhで請求するぞ!
②熟女好きの煩悩
の2本です。
じゃんっけんっぽんっ!うふふふ~★
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