瞬間を切り取るために

前回書いたKen Rockwell氏のSimplicityを読んで、いろいろ反省しているんで、もうひとつ書いておきます。

ライブビューがあると、フレーミングしながら露出を確認したり調整できます。露出ミスがなくなる素晴らしい機能です!
フォーカスエイド機能があると、拡大表示して正確にピントが合わせられます。開放のNoctiluxでも望遠レンズでもジャスピンで撮れます。これも素晴らしい!
しかしKen氏の記事を読んで、ライブビューやフォーカスエイド機能が、実は自分の写真を損なっているのではないかと思い始めました。

露出計も付いていないフィルムカメラを使う時、私はまず露出計でその日その場所の露出のベース(絞り値とシャッタースピード)を決めます。
そうして、光を読みながら歩きます。
これ、本当に楽しいです。
写真を撮らなくても、目の前の光景が記憶に深く残ります。
最初に決めたベースから日陰なら2段、曇ったら1段と、絞りを開けたりシャッタースピードを遅くしたり、歩きながら、手に持ったカメラを弄っています。 そして撮りたいものを見つけたら、距離も大まかに合わせておいてからファインダーを覗き、出来るだけ早くピントを合わせてシャッターを切ります。 ファインダーを覗いてからすることは、フレーミングとピント合わせだけです。

しかし今デジタルカメラで、自分はどう写真を撮っているでしょう。
ライブビューで露出が確認できるので、安心し切っていてあまり光を読んでいません。
あらかじめ設定した露出でノーファインダーでシャッターを押すこともありますが、ライブビュー機能のあるEVFを覗いてしまうと、覗きながらもう少しシャッタースピードを上げようかとか、もう少しボケが欲しいから絞りを開けようか、とカメラを弄っています。
あるいは拡大表示してピントを合わせてから、シャッターを半押しして改めてフレーミングしています。

これはスナップじゃない!

思った通りに素早く撮りたいからマニュアルで撮っているはずなのに、きれいに撮りたいと思うあまり、ファインダーを覗いてから撮るまでに時間をかけてしまっています。
旅先で感じた何かを切り取りたいと写真を撮っているはずなのに、そんなことをしていたら、撮りたかった瞬間はもう過ぎ去ってしまいます。

写真を撮る瞬間、自分の経験と技術を信じて、瞬間を切り取る事だけでに集中してみましょう。

素晴らしい機能に魅了され過ぎて、当たり前のことを忘れていました。
スナップでライブビューは使わないことにします。
RAWならネガ以上にデジタル現像時に粘ってくれますからwww<おい、違うだろ!

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