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褒められる、褒めるということⅡ

『子どもは褒めて育てる』とはよくいわれること。
親から褒められたことのない私は、自分の子どもは褒めて育てようと常々思っていた。

息子が幼稚園の時のこと。
園で描いた絵を持って帰ってきたので「上手に描けてるね」と褒めてみた。
息子はキョトンとした表情で私をみている。
(この人、何いうてるねん)と言わんばかりの表情で。
その時は、褒めてるのになぜ喜ばないのか理解していなかった。
しばらくしてまた絵を持って帰ってきた。
その絵を見て驚いた。細かいところがすごくよく描けていて、もともと絵を描くのが苦手な私は「すごい!すごい!細かいところまで上手く描けてるやん!」と素直に言葉になっていた。
息子はニコニコ顔で、ドヤ顔で喜んでいた。

そんな息子の喜んだ顔を見ていて理解した。
一生懸命観察して描いた絵なのだ。
そうか。闇雲に褒めてもダメってことか。
子どもが一生懸命力を入れて頑張った時に褒めるのか。
タイミングよく褒めることができると、人は喜び、それを糧に成長のきっかけになるのだ。そうか。

でもそれをちゃんとしようと思ったら、しっかり子どもを見れてないと。
そうか。そうか。

それからの私は、取り繕って褒めることはしないで、自分に正直に
褒めるときは褒める。叱らないといけないときは叱る。
子どもにウソはつかない。
そうすることにした。

褒めるだけでもダメ。叱るだけでもダメ。
良いことはいい。悪いことは悪い。子どもがやがて小学生になり、
中学生になり、高校生になっても変わらず、そうしようと決めた。

もし、私が子どもの時に、親がそうしてくれてたら。
今更、タラレバの話をしてもしかたないのだけれど。
今の私ではなかったのかもしれない。
そんな思いも少しはあったりなかったり。

私は自分に自信の無いダメダメな親だったかもしれないけど、
折に触れて子どもたちから教わってきて、「親」にしてもらったと思っている。

「私は褒められるのキライ。だから人も褒めない」
「子どもは褒めたらスグ図に乗る。だから褒めない」
これは母の言葉。

なんと最悪な言葉。
「こんな親には絶対なりたくない」の代表。


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