最近の記事

夏恋乙女

これは、平凡な私が初めて主人公になれた夏の物語。 偶然か、必然か、運命か。 それとも私がここにやってこられたのはただの奇跡か。 夕方。 いつものルーティンのランニング。 毎回ランニングコースはただ街の周辺をぐるぐると回るだけ。 だけど今日はなんとなく、本当になんとなくいつもと違う道を走っていた。 自分の家から真っ直ぐ続いている細い道をただ突き進んでいただけだ。 全力で走り続けて約4分。 景色はすっかり変わり、見た事のない場所に来ていた。 足を止め、周辺を確認してみる。 右

    • エメラルドの湖

      「                                             。」 その時、私の中で何かが壊れる音がした。 私の世界の全てが壊された。 何もかもがお終いだと思った。 死のう。 私は部屋から勢い良く飛び出した。 行くあてもなく走り出した。 走って。走って。走って。 途中の道に自転車が置いてあったから、盗んだ。 誰のものか分からない自転車。 それに乗って再び走り出した。 どこか、どこか遠くへ。 誰も知らない場所へ連れてって。 気づいたら私

    夏恋乙女