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叱責で結構。

ヤングケアラーまではいかないが、学生時代に
家事をする機会が、結構多かった。

真面目に一度家に帰り、制服から私服に着替えて
自転車で買い物に行った。
不便な所に住んでいたこともあり、ものすごく時間がかかっていた。コンビニも近くに無く、洗濯して入院している家族の世話をしていると、勉強や宿題の時間が取れない日が多かった。


当時、毎日小テストがあった。
はなから捨てていたため、勿論0点だった。
それはいいのだが(よくはない)、
0点は何故か担任から叱責を喰らっていた。
クラスの全員の前で。
今なら大炎上ものだろう。

どうでもいいとは言わないが、
担任が行使する小テスト如きに、
時間を盗られる暇がなかったのだ。
説明する時間も惜しい。
聞かれもしなかったしな。
イヤ、聞かれても言わないだろう、
理解してほしいと思う担任ではなかったからな。

叱責如きで終わるなら、サッサとどうぞ と
思っていた。


友達は0点の理由を知っていた。
毎日自分のお弁当を作っていること、掃除洗濯、買い物、制服のアイロンがけ、寝不足なこともわかっていた。

「先生に言いなよ」と言ってくれていた。
でも、訳を知っている友達が、1人いるだけで
十分だった。救われていたんだ。
ありがとう、と言って、大丈夫と笑っていた。

何かのキッカケで、担任に家族の入院が知られ、
家事全般を自分が請け負っていることが知られた。
職員室に呼ばれて、なぜ早く言わないのかと
また叱責された。

言ったら、なにが変わるんだよと思っていた。
具体的になにが変わるんだよと。

学校に来ることも、家事が減らないことも、なにも変わらないじゃないか。家族の中のゴタゴタを、
他人が知ったという事実が増えるだけだろ?
もし貴方に何かができるのなら、提案するものを
用意してから〝早く言ってくれれば…“って言ってくれよな。
担任に何ができる?と。


別に、教師に対して恨みや敵対心があったわけではないのだ。
ただ、実際になにもできもしないのに

〝オレはお前のことを心配して言ってるんだぞ“

のポーズが本当に腹立たしくて、0点の小テストなんてどうでもよかった。
クラスの全員の前での叱責も、どうでもいい。


今の時代は、スクールカウンセラーがいたり、スマホでチャットがあったりして、なんとか救いの道があるのだろうか。
でもたまに暗いニュースを聞くよな…
実際大変な状態になっている本人には、
もう救いの道の光は、見えていないのかもしれないね…。