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RIP POP SMOKE 遺作でありデビュー・アルバム

2020年2月19日、自宅に侵入した強盗に銃撃され若くして才能溢れるラッパーが20歳という若さで命を落とした。ニューヨーク・ブルックリン出身のPop Smokeだ。彼のラップの特徴は暴力や殺人などをテーマにしたヒップホップのサブジャンル「ドリルミュージック」をアメリカのドリルではなく、UKドリルの音を持ち込み独自にラップをしNYブルックリン・ドリルという新たなジャンルを生み出していた。

そんな彼の遺作でありデビュー・アルバムとなる「Shoot for the Stars, Aim for the Moon」がリリースされた。彼のアルバムは全米チャート初登場にして1位を記録した。今回はこのアルバムの中から個人的に気に入った曲をいくつか紹介していこうと思います。



1 For the Night feat. Lil Baby & DaBaby

Lil Wayneにお気に入りのラッパーとも称された勢いのあるラッパーLil Babyと現在ビルボードチャートのトップソングに立つラッパーDaBabyを客演に迎え入れたこの曲。現在のUSヒップホップシーンで勢いがあるこの3人の曲は誰もが期待を寄せる曲ではないでしょうか?個人的にLil Babyが好きなのでこの曲は外せません。良し悪し関係なしに必聴だと思います。



2 The Woo feat. 50 Cent & Roddy Rich

Pop Smokeは生前のインタビューでこのように語っていた「50 Centは一番影響を受けたアーティストの1人であり彼と仕事がしたい。俺は50Centを聞いて育った。本当は50Centの従兄弟ではないか?といわれることもあるよ。」この夢は悲しくも彼の死後に現実となった。今回のアルバム「Shoot for the Stars, Aim for the Moon」は彼が憧れていた50Cent監督の元制作され、50Centと曲を作るというPop Smokeの夢が遂に叶ったのだった。この曲では客演としてデビューシングル「The Box」で一躍スターまで駆け上ったラッパー、Roddy Richも参加している。今は亡きPop Smoke彼の夢であったこの曲、聞くたびに彼の思いと若き才能を失った悔しさが湧き上がってきます。上記で述べたストーリーを考えながらこの曲を聴くとより楽しめるかと思います。



3 West Coast Shit feat. Tyga & Quavo

Tyga、Quavoという2人の名前を見た瞬間にこの曲を再生した人も多いのではないでしょうか?この曲では東のニューヨーク出身であるPop Smoke、西のロサンジェルス出身であるTyga、南のアトランタ出身のQuavoそれぞれ出身が違うラッパー3人による曲となっています。この曲は他の曲と比べてもトラップミュージック好きの方にはより刺さる一曲となっているかもしれません。個人的にもQuavoが好きなのでお気に入りの曲となっています。



4 Mood Swings feat. Lil Tjay

この曲は同じニューヨーク出身の若手ラッパーLil Tjayを客演に迎えた一曲となっています。Lil Tjayは近年流行りだしているラップに歌唱を加えたメロディアスなラップスタイルを特徴としています。いわゆるエモラップと称されるサブジャンルが好きな人は気に入る曲ではないかと思います。曲の一部分でClose my eyes while I sleep, hope you be there when I wake. Honestly, I feel the vibe we have is great(俺が眠っている間目を閉じて、俺が起きたときに君がそこにいることを願がってる。正直な話、俺たちの雰囲気は素晴らしいと思うよ)とあります。若いからこそ抱く恋愛的な感情を歌うラップには共感する部分が多々あります。普段ドリルスタイルでラップをするPop Smokeとは違ったよりメロディアスで感傷的な内容を歌った曲を気に入る人も多いかと。



5 Got It on Me

最後の曲「Got It on Me」はPop Smoke自身が好きだった50Centの2003年のヒット曲「My Man (Wish Death)」をフックにサンプリングした曲となっています。懐かしい曲がサンプリングされPop Smokeの手によって新たに作られたこの曲。やはり今回のアルバムの中で一番注目され人気な曲となると思います。この曲は既にYouTube上にミュージックビデオもアップされています。50Centのヒット曲とPop Smokeのドリルスタイルによって生み出されたこの曲間違いなく彼が亡き今も後世に残るクラシックミュージックであり続けると思います。