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意外と知らない労働法

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知っているようで意外と知らないことも多い労働法。労働者にとって「労働法を知る=自身の権利を守る」ことにつながり、知っていると役立つ場面も多い重要な法律をわかりやすく解説します。
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記事一覧

意外と知らない労働法① 労働法の基礎知識

知っているようで意外と知らない内容も多い労働法。労働者にとって「労働法を知る=自身の権利を守る」ことに繋がるとても重要な法律です。 これから複数回に分けて、知っていると役立つであろう労働法についてのnoteを書いていきます。 初回となる今回は「労働法の基礎知識」について書きました。 そもそも、労働法って何? 実は、「労働法」という名前の法律は存在しません。 ・労働基準法 ・労働組合法 ・労働関係調整法 ・最低賃金法 ・労働契約法 ・男女雇用機会均等法 など、労働に関する

意外と知らない労働法② 労働契約時に気をつけること

知っているようで意外と知らない内容も多い労働法。労働者にとって「労働法を知る=自身の権利を守る」ことに繋がり、知っていると役立つ機会も多い重要な法律です。 2回目となる今回は、「労働契約に関する労働法」について書きました。 労働契約を締結するときのルール みなさんが転職活動されるとき、求人票で仕事内容や給与、勤務地や福利厚生などの諸条件をチェックして、自分の希望に合う条件の企業を探しますよね。 しかし、いざ実際に入社してみたら、求人票や面接で伝えられた条件とは全く異なって

意外と知らない労働法③ 就業規則と各種保険制度

知っているようで意外と知らない内容も多い労働法。労働者にとって「労働法を知る=自身の権利を守る」ことに繋がり、知っていると役立つ機会も多い重要な法律です。 今回は、「就業規則」と「各種保険制度」について書きました。 就業規則を見たことありますか? とある企業で働くときの労働条件は、その企業に所属する人全てに共通する場合が多いですが、そのような共有のルールは「就業規則」にまとめられています。常時10人以上の労働者を雇用している使用者(※)は、就業規則の作成と労働基準監督署長へ

意外と知らない労働法④ 賃金に関するルール

知っているようで意外と知らない内容も多い労働法。労働者にとって「労働法を知る=自身の権利を守る」ことに繋がり、知っていると役立つ機会も多い重要な法律です。 今回は、「賃金に関するきまりごと」についてまとめました。 賃金額のルール 転職先を選ぶ際、給与(法律では「賃金」と呼びます)の額を重要視する方は多いと思います。転職エージェント大手のリクルートエージェントが発表した転職者調査では、約半数の転職者が給与額を重視していると回答していました。 このように多くの方にとって重要

意外と知らない労働法⑤ 労働時間のルール

知っているようで意外と知らない内容も多い労働法。労働者にとって「労働法を知る=自身の権利を守る」ことに繋がり、知っていると役立つ機会も多い重要な法律です。 今回は、「労働時間のきまりごと」についてまとめました。 法定労働時間と36協定 以前のnoteに書いたように、始業時間・終業時間は就業規則で決められていますが、労働時間は、1日8時間以内、1週間で40時間以内と法律によって定められています(労働基準法第32条)。 こちらの制限を「法定労働時間」といいますが、法定労働時間

意外と知らない労働法⑥ 休憩・休日のルール

知っているようで意外と知らない内容も多い労働法。労働者にとって「労働法を知る=自身の権利を守る」ことに繋がり、知っていると役立つ機会も多い重要な法律です。 今回は、「休憩・休日のルール」についてまとめました。 休憩・休日のルール 使用者(企業)は労働者に、1日の労働時間が ・6時間を超える場合、45分以上 ・8時間を超える場合、60分以上 の休憩を労働時間の途中に与えなければいけません(労働基準法第34条)。 「労働時間の途中」と定められているため、労働開始前もしくは労働

意外と知らない労働法⑦ 退職・解雇のルール

知っているようで意外と知らない内容も多い労働法。労働者にとって「労働法を知る=自身の権利を守る」ことに繋がり、知っていると役立つ機会も多い重要な法律です。 今回は、「退職・解雇のルール」についてまとめました。 退職のルール 退職は労働者の自由であり、「職業選択の自由」として憲法で保障されています(日本国憲法第22条1項)。 しかし、予告もなく突然会社に行かなくなる、いわゆる「バックレる」行為は社会人としてマナー違反であり、その後の転職活動においても多大なるマイナス影響を与