[シガーボックス]2013JJFCS 予選動画(JIN)

テン年代のシガーボックスの原型を作り上げた、鈴木仁の2013年のJJFのチャンピオンシップの予選動画です。決勝は準優勝だった気がします。
知らない人に説明しますと、ジャパンジャグリングフェスティバル(以下JJF)っていうのが毎年日本のどこかで開催されまして、その中でチャンピオンシップっていう大会が開催されます。
何が恐ろしいって、このチャンピオンシップには予選というのがあることです。
出場希望者が、金払って、6分までの演技を作って、その映像をノーミスで撮影して、無編集のものを期日までに送って、一ヶ月後の審査結果発表を待つ、っていうのがあります。審査基準は、(歴史的に見て)技が新しいか、綺麗か、すごいか、やばいか、ケチつけようがないか、くらいです。
しかし、基本的に毎年数十人が送って10人くらいしか通過しません。特に明記はされていませんが、大体一種類の道具について1人しか通過させない方針のようです。なので、チャンピオンシップを見にいくと10人とも大体違う道具であることが多い気がします。その割にディアボロは10人中4人いたりすることもある。謎。

イベントについての詳細は置いといて、上記の動画の好きなポイントを語っていきたいと思います。

0:23 この色変え地味に難しいしここまで綺麗にするのは稀 

0:25からのマニピュレーションコンボ、これが地味に斬新(だと思う。この時は私まだ生まれてません)
0:32までの流れ、そしてオチは秀逸。
リストキャッチからもう一方の箱に乗せ直すときに背景側を向くっていう配慮がいい。逆回転だとちょっとテンポが悪くなってしまうので、これをちゃんとやっていてすごい。予選映像撮影の時、ノーミスでやんないといけないからこういう細かいところ省略しそうになる。

0:40 貴重な中抜きシーン

0:50 から の流れ、おそらくこの演目でもっとも(当時の観客が)知らない内容だったんじゃないか、という内容のマニピュレーションが展開されます。色変えを多用しつつ、あんまり膝を使わない動き、特に1:03の箱を(パタパタやってから)落とすところなんかはかなり好きな動きです。手の甲側に箱をたたむ動きは私も参考にしています。

1:08らへんからスライドする動きが入ってきますが、当時(他の道具のジャグラーの目から)問題に(?)なっていたフロッギースタイル(カエルのように膝を屈伸させて上下運動、つまり平たくいうと中抜きなどを行うスタイルのこと)へのアンチテーゼのようにも思えます。JJFチャンピオンシップの予選を通過するには、その時期に業界がぶち当たっていた技術的な問題の解決がかなり重要であるように思われます。(これは私見です)
話は少し逸れますが、この動画の後半で行われる4〜5シガーボックスの大技の完成よりも、こういった「演者の主張あるいは個性の骨子となる系統、コンビネーション」の確立こそ、一つの演目を完成へと(あるいは1人のジャグラーを予選動画応募へと)駆動するきっかけになる、そんな気がしました。

https://youtu.be/lKrepJJS2iU?si=eYvGQdniKHbYyhWQ
ここでスライド系統の技術が結実するので、興味のある方は見ておいてください。


ちょっと疲れたから続きはまた次回

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