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54 掃除の日

 にわかに、電子的にしか記録を残さない、というのが、憚られる気分になってきた。これも、多分昨日見た『PERFECT DAYS』のせい。でも、これはいい影響。昨日から早速その違和感を解消するための実践をしていて、じわじわと効いてきている。また考えは変わるだろうけど、今は、便利さから少し意図的に遠ざかろうとしている。
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 昨日は昼まで家にいた。パソコンで作業していた。それから、二時半ごろの回の『PERFECT DAYS』を見るため、キノシネマへ、カブで向かう。開演まで時間があったから下の喫茶店でコーヒーを飲んで待ち、開演ギリギリにカウンターに行ったら、満席と言われる。しょうがないので、夜6時50分の回のチケットを取って仕切り直す。カブで県立図書館へ。3時前には到着。平日だから7時まではいられるけど、ひとまず、一通り翻訳仕事を終わらせたら6時頃に出る。無印で、食器用洗剤、家中掃除できるというクリーナー、研磨剤不使用の拭き掃除用使い捨てペーパーを買う。掃除夫をテーマにした映画を見る前から、掃除に気持ちが向かっている。そして映画館へ向かい、また下の喫茶店で30分ほど過ごし、わざと5分遅れで劇場へ。映画は、とてもいいものだった。が、その詳細をここで語ることはやめる。受け取ったものが大きかっただけに、もっと身近な人に語ったり、手で書いたりして伝えたいと強く思った。劇中に登場する、テープを鉛筆で巻くシーンが最大の衝撃だった。衝撃受けるようなシーンじゃないんだけど、あれが僕の中では、最大の福音となって強く心に残った。観劇中、暗い中でノートを取り出し、3ページにわたってメモをとった。とても充実した体験だった。終わったら、僕の前に座っていた清潔感のあるおしゃれな老夫婦(おそらく80代以上)が、「素晴らしかったねぇ」「本当ねえ、さあ、行きましょうか」と言ってゆっくりと立ち上がった。僕にはその様子が、とても美しいものに思えた。帰ったら、早速部屋とお風呂場、炊事場を掃除した。クリーナーを買ってきてよかった。

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