裏カンポー

西洋薬の優れているところは、ある一つの症状を完全に治すところである。
しかし、症状がはっきりしないが、体が不調であるという事はままある。
そのような時には漢方薬の出番である。
漢方薬は『人』をみる。全体をみて、全体を少しずつ調整していく。
『中国四千年の伝統』なんて陳腐な言葉もあるが、漢方薬が効くときはそんな言葉も頷けるものである。

心身の不調が多い直樹も、朝に漢方茶を飲むことにしている。
一般的に漢方薬といえば、スティックに入った粉末というイメージだが、それはいけない。
フリーズドライだからである。
味噌汁も、フリーズドライより、味噌を溶き、出汁を入れ、新鮮な野菜を切って入れた方が美味しいではないか!

そこで直樹は、新鮮な生薬を買い付けている。
生薬の値段は高いが、普段の食事を安い猿黴性麺にして、浮いた金で高級品を買うことができている。
その生薬を、多量の水と共に典史へ飲ませる。
体調を考えて、ある日は葛根、別の日は杜仲…といった具合に、五~六種類を飲ませるのである。
そして、翌朝早起きして、典史の陰茎に吸い付き、朝一の尿を飲む。
こうすれば、生薬の力で典史も直樹も元気だし、いちいち急須などを使う必要もない。

皆さんも、朝一の漢方茶はいかがだろうか。