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ストレンジカメレオンの歌詞考察


JASRAC許諾第J240641074号

The pillowsは大学の時に同級生に連れられて一回ライブ行ったことがあるくらいで曲も4曲しか知りません。でもこの曲の歌詞(作詞:山中 沢男)は完成度高すぎてすごく好きです。
なお、歌詞の解釈は自由だと思ってますので好きに書きます。
以下、太字が歌詞です。


I wanna be your gentleman
個人的にこの歌詞に出てくるI・僕=抑圧され偽り汚れた自分(以下、汚れた自分)、your・キミ=まっすぐで周りに流されず本当にやりたいことをやるきれいな自分(以下、きれいな自分)だと思ってます。
なのでまず英語の部分は、きれいな自分に対して紳士でいたい=本当の自分に誠実でありたいって捉えてます。

変われる場所を探しに行こうか
誰かみたいに

自分を貫くことなく自分を曲げて楽な場所に逃げてしまおうか、みんながしてるみたいに。
誰かみたいにというのは結構批判的な感じがしますから、自分を曲げることをよしとはしてない感じですね。

I wanna be your gentleman
隠れる森を目指してみようか
痛くないように
木を隠すなら森の中と言いますが、これも自分を抑えて周りの人に合わせてしまおうかってことでしょう。打たれる杭にならないように。
ここも投げやりな感じがするので、本音ではそういうのは嫌ということでしょう。嫌という気持ちに従いたい("I wanna be your gentlemen")のに、ちょっと諦めてしまってる感じがします。

汚れた川を汚れた僕と泳ぐ
キミはとってもキレイだった
汚れた川は社会のことだと思います。
汚い社会に染まって流されてしまってる汚れた自分の中にもまだきれいな自分が残っていた。

浮き沈みしながら
向こう岸へ辿り着いた後を考えてる 今でもずっと
社会の荒波に揉まれそうになってあっぷあっぷしている様子が想像できます。
周りに合わせるべきなのか自分でも悩んだり引きずり込まれたりというイメージですね。
結局向こう岸へ辿り着かなかったことがわかります。向こう岸へ辿り着くっていうのは社会に完全に迎合するってことだと思います。泳ぐ必要がなくなるから楽になります。
また、ちょっとした未練が感じられます。自分を周りに合わせたら傷つくことや叩かれることは減りますし、なんなら肯定してもらえるかもしれない。もしかしたらそれはそれで幸せだったのだろうか。

キミといるのが好きであとはほとんど嫌いでまわりの色に馴染まない出来損ないのカメレオン
本当はきれいな自分が好きで、汚れた自分や社会が嫌い。
その場や空気で自然に色を変える普通のカメレオンに対して、うまくそれが出来ない自分。

優しい歌を唄いたい。
拍手は一人分でいいのさ
それはキミの事だよ
きれいな自分に認められたい。
ちなみに優しいというのはきれいな自分にとって優しいという意味だと思います。他の人にとっては決して優しいものとは限らない。それでもいい。


I wanna be your gentleman
上手くちぎれてくれない尻尾はトゲトゲで
尻尾は自分の一部=きれいな自分のことと捉えました。きれいとトゲトゲは一般的にリンクしないと思いますが、ここではとんがったままの姿こそがきれいという解釈です。
ちぎれてくれれば楽に生きれるけどやはり踏ん切りがつかない。本当はきれいな自分に正直でありたいから。

I wanna be your gentleman
引っかき傷は癒えないのさ
治らないんだ
引っかき傷というのは普通極々浅い傷だと思います。にも関わらず治らない。
本当にこれでいいのかという心の引っ掛かりがうっすらとそしてずっと残っているイメージですね。

''たぶんもうすぐさ
きっと”なんて
息を止めたまま
どうでもいい行列に並んでもみた
一番の歌詞にあった向こう岸を目指している途中でしょうか。楽になりたいから無理して社会に迎合しかけてます。

終わらないプレリュード
奏でて生きてゆくみたいだねって
僕ら笑う死んでるように
前奏曲が終わらないってことは人生の本番が始まってないってことです。
楽しいはずなのに人生終わってる。
言わずもがな本当の自分で生きてないからですね。

たとえ世界はデタラメでタネも仕掛けもあって
生まれたままの色じゃもうダメだって気づいても逆立ちしても変わらない
滅びる覚悟はできてるのさ
僕はストレンジカメレオン
権力者の思い通りに動く理不尽な世界だったとしても、
自分を偽って周りに合わせなきゃ受け入れてくれない世界だって気付いても、
例え世界がひっくりかえっても、
普通のカメレオンみたいに自分の色を変えて世界に合わせる気はない。それでつぶされることになったとしても。
その場や空気で自然に色を変える普通のカメレオンに対して、それをしない自分。
ここで決意が固まってます。
出来損ないのカメレオンというネガティブなワードがストレンジカメレオンになって前向きな決意、なんなら誇りさえ感じるような言い方になってるのがいいですね。

勘違いしないでね
別に悲しくはないのさ
抱き合わせなんだろう
孤独と自由はいつも
ストレンジカメレオンとして生きていくことを決意したけど、それは決してネガティブなことじゃない。ありのままの自分で生きていくという自由を求めれば同時に理解者が少なくなるというのは覚悟の上だ。

もしも全てが嘘でただつじつま合わせで
いつか慣ついていた猫はお腹空かしていただけで
すぐにパチンと音がして弾けてしまう幻でも
手の平がまだ暖かい
自分に嘘をついて、そんな自分の周りの人達も嘘の態度で、全てが調和のためのものだったとして
今まで自分の事を好きでいてくれた人たちは、単にその人が求める人物を演じていたからで、それは泡のように弾け飛び、本当の自分の事は好きになってくれないかもしれない。
それでもその気持ちは嬉しかったしずっと残っている。

恐いモノ知らずで時代ははしゃぎまわり
僕とキミのすごした
ページは破り去られ
歴史には価値のない化石の一つになるのさ
時代は何の目的もなく流れていく。
教科書や伝記に載る後世まで語り継がれるような人間じゃなくても
歴史から見ればそこら辺にありふれた価値のないものだとしても
それでも紙よりも遥かに永く残る化石になる。
悩みながらも確かに自分の人生を生きたのは間違いない。それは自分にとっては価値のあることだ。


キミと出会えて良かったな
Bye Bye
僕はストレンジカメレオン
最初に"僕はストレンジカメレオン"と決意したところから徐々に僕⇄キミになっていって、ここの2回目の"僕はストレンジカメレオン"では僕とキミが完全に入れ替わってるんじゃないかなーっと思ってます。
汚い自分=主(僕)だったのが、きれいな自分=主(僕)になっているんじゃないかと。
歌詞の最初らへんでは悩んでて日和かけちゃったけど、途中でストレンジカメレオンとして生きていくことを決意します。そして、ここで汚れた自分とは完全におさらばしてきれいな自分、つまりまっすぐで周りに流されず本当にやりたいことをやってるきれいな自分として生きていく。それでも今までの葛藤は無駄じゃなかった。


"向こう岸へ辿り着いた後を考えてる 今でもずっと"
とか
"手の平がまだ暖かい"
とか
化石になるのは僕とキミのセットだったりとか
"キミと出会えて良かったな"
とかなんだかんだ言って実は汚い自分含めて自分のこと大好きでかつ意識が内向きだなーって思います。
あと我がめちゃくちゃ強そうな感じがするのでなんか気が合いそう。
完成度もだけどそういう部分でこの歌詞好きなんだと思います。

ちょっと考察の文章が散らかってるのは自覚してますが疲れたのでこれで終わります。
以上!!

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