Air Drop Boy の感想

ピーナッツくんの新EP「Air Drop Boy」の感想とこうだったらいいなという解釈。


CTP

旅に出発する曲。これを初めて披露したのが羽田空港なのピッタリすぎる。

やめてよそんな狭い世界で生きたって
何も起きないのがデフォ
身になるならない気にしないで
好き勝手遊んだらいつかはweapon
いつでも転がってる石
だから生えてないだろ苔

外に飛び出す、色んなことをやる、動き続ける。ピーナッツくん(特にぽこピー)の活動はこのスタンスに集約されているように感じる。vtuberブーム初期から活動しているという先行利益があったと思うが、そこから現状維持することなく、転がり続けた結果が今の位置なのではないか。

楽天トラベルでまた得るポイント
この期に及んで後悔すんなよ
鼻歌リリラリリーラ
こりゃ祭りだ

楽天トラベルでポイントを得る=少なくないお金が出ていくことへの後悔。ひいては、全国を飛び回るような活動を生業にしてしまったことへの後悔か。
何であれ、後悔なんてしてたら前に進めないからするなよと、自分自身に言い聞かせているよう。ふとした瞬間に後悔、とまではいかないまでも立ち止まる瞬間があるのかもしれない。
しかしその後の鼻歌や祭りといった形容には、そうした面を表に出さない姿勢が表れていると感じた。ぽこピーはそうしたマイナスな発信をしなさすぎて逆に恐怖を覚えるレベル。いわゆるお気持ち表明的なことをしているイメージがほとんどない。ピーナッツくんは一部楽曲で消化している感があるが、ぽんぽこさんは本当に一切ないのでは?超人すぎる。
後悔すんなよ、活動に際して妹を誘ったことは後悔した方が良いのかもしれない…。まさかとんでもない化け物YouTuberになり、寝起きで海外に連れて行かれるようになるとは思ってなかったでしょ。


Hotair balloon

気球。ゆったりとした、ある意味適当で浮遊感のある曲。天王寺アイルはまじでどこだ。

たぶんリアルとかそうじゃないって誰かがまた言う
結論出たなら教えてね

後述のTwin Turboもだが、ピーナッツくんは結論を重視していない。とりわけ、リアルか否かの結論には興味がなさそう。

したいならしててよプレイバック
振り向いたら死んじゃいそうだから
急でるStranger

「泳ぎ続けないと死んでしまうマグロ」のようなニュアンスのリリックだと思うが、昔の活動がつたなすぎて振り返って見ると恥ずかしすぎて死んじゃいそうとも取れそう。
また、この歌詞を見て某ラッパーのYouTubeを思い出した。だとしたら痛烈すぎる。


Internet Mode

部屋でネットに興じるピーナッツくんのイメージはとても退廃的で、このEPの中では異色。ビックウェーブに乗ったらインスタで何の写真が送られてくるんだ。

美味しいヤミー感謝感謝

このフレーズがリリックに入っているのを見た時、今更だけど、もうアニメは作らないんだとしみじみしてしまった。以前だったらこれで確実に一話作ってるよなぁ。

シークレットモード
あはん
ピーちゃんボロン

5歳がそんな韻を踏んでいいんか?


Orange Radio Skit

みんな一回は聞こえた文字列で検索するよね。


Twinturbo

MVかっこいい。FirstTake風のカットで段ボールに乗ってるのが分かるとこ、めっちゃ好き。

ヴィンディーゼル
サイドカーのPちゃん

ヴィンディーゼルはカーアクション映画「ワイルドスピード」の主人公の俳優。そんなヴィンディーゼルが飛ばしまくる横のサイドカーにピーナッツくんが乗っている図がイメージできる。ヴィンディーゼルとはつまりナードウィッチコムギちゃんであり、ヤギハイさんであり、ぽんぽこさんであり、関わる人たちなのかと。

ハンドル握ってる just rewind!
I don't know what I'm just doing now
変な動きmasterのピーナッツ
結論はとっといていいじゃん!

CTPの「身になるならない気にしないで 好き勝手遊んだらいつかはweapon」、言いたいことはここと同じなのかなと。コスパやタイパといった言葉が流行ったように、情報があふれる現代では結論=結果を重視して行動しがち。だけど、このリリックからは結論は一旦置いておき、今を全力で取り組めばいいじゃんというピーナッツくんのスタンスを読み取った。
riwind=巻き戻すがちょっとわからなかった。運転に集中していて操作できない=それだけ目の前のことに集中しているという意味?


Gordon kill the Thomas

全力以上で走るゴードン、もといピーナッツくん。命削ってる感が半端ない。ちょっと早く入るChase up がめちゃくちゃ気持ちいい。

集まる野次馬
Kitty Bounce 
踊りな 
君はどれみちゃんだ
ピーリカピピララ 
ほうきにまたがるように
この鋼鉄に
Killing the thomas
I'm a Gordon

俺たちは野次馬でありどれみちゃんだったのか…。「どれみちゃんが箒にまたがるように、この鋼鉄(ゴードン=ピーナッツくん)に乗ってくれ」、だとすると僕の / 僕たちの活動に一緒についてきてくれってことかな。

Speed it up
取り残されたら
吹き飛ばす

つまり、「遅れずについてこいよ」ってこと?激熱すぎる。


CTP(Yagi Highleg Remix)

Twitter、もといXで見かけた旅からの帰路という表現がぴったりだと思う。旅で疲れているピーナッツくんを包み込むような優しい曲。フッドは原宿と言っているけど、帰る場所は結局滋賀。



一番言いたいこと

このEPにはピーナッツくんの活動へのスタンスが読み取れるリリックがいくつかあった。そのスタンスは、ライブ王でデカキンさんにもらった「攻め続けろ」という言葉に集約されると思う。そして、このスタンスを掲げるだけでなく実際に行動に移していることを私たちは知っている。めちゃくちゃすごい。が、そこには当然失敗もあると思われる。EPの初っ端、つまりCTPの入りでその部分に触れていると受け取った。

絆創膏が剥がれるとき
デカいバックパックで出発だ

出発前まで絆創膏をしてるんだよね。失敗=怪我を治すために絆創膏を貼っている。TwinTurboのMVなんて絆創膏じゃすまなさそうな大事故の決定的な場面でしょ。でも、どんだけぼろぼろになっても治療して、傷が癒えたらまた旅に出発する。その旅先でまた怪我をしてまた治して、さらに成長していく。そういう表には見せない部分を感じられるこのリリックが今回のEPを通じて一番好き。

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