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13年前に聞いた歌詞の意味をいま噛みしめる。

懐かしい人に会った日はなぜか
今の自分見つめ直してる
For today 綾香

何気なく見ていた音楽番組で流れた曲の一節を、13年経った今もふと、思い出すことがある。
そして考える。わたしにとっての「自分を見つめ直すきっかけになる存在」のこと。その存在に何度も感化され、前に進む力を貰っていることを。

ふたりとの出会いは3年前の秋。
あるセミナーに参加したことがきっかけだった。

週に1度、半年間のカリキュラムからなるセミナーには、学生さんから親世代まで幅広い年代が70名ほど在籍していた。その中で、「同い年」「フリーター」「田舎者」の三点が共通したわたしたちが仲良くなるのに、そう時間はかからなかった。というか、わりとすぐ意気投合した。


好奇心旺盛でフットワークが軽い
勉強熱心で、負けず嫌い
自分の考え方をしっかり持っている
お酒が強い

ふたりはとても似ていて、そしてそれぞれ違った魅力を持ち併せていた。

根っからの職人肌であるM君は、とてつもなく器用でなんでも卒無くこなす。

三人で陶芸体験をしにいったときのこと。
M君が選んだのは、素人には難易度が高いとされる平皿。
懸念する周囲を横目に、ろくろを回しはじめ、あれよあれよと立派なお皿を仕上げて見せた。これには先生も大絶賛。「本当に初めて?」「手直しするところがない」とめちゃくちゃに褒められていた。
歪な形をした自作の湯のみを愛でながら、器用の格差を痛感した出来事だった。

職業柄、自然に関する知識が豊富で、特に植物に対する想いが深い。
「植物には、無限の可能性が広がっている」と、目をキラキラさせながら夢を語り、現実を向き合いながら着実に前進する彼の姿は、いつも自信に満ちている。


グルメなKちゃんのお陰で、わたしたちはお店選びに失敗したことがない。

夏の厳しい日差しに耐えて、辿り着いた絶品カレー。
細道を抜けた先にある、チキン南蛮が美味しい隠れ家風の居酒屋。
占いの結果報告をし合ったおしゃれな喫茶店。
思い出はどれも、美味しい記憶と結びついている。

正義感と思いやりが人一倍強くて、相手の立場になって物事を考え、耳を傾け、言葉を添えられる優しい人。過去の話を泣きながら聞き、未来の話に笑顔で相槌を打ってくれる。そんな彼女に何度となく救われた。

連休を利用し、2年ぶりに再会した土曜日。
空白の時間を埋めるように、わたしたちは夢中になって語り合った。


情勢に屈せず、前だけを見据えるふたりの隣で思う。
「いくつになっても、このふたりと対等に語り合えるだけの自分で在りたい」と。

同級生でも、仕事仲間でもない。でもなぜか交わりあって、繋がり続ける不思議な関係。腹を割って、本音や夢を言い合える刺激的で、心地良い存在。そんなふたりのお陰で、再び自分を見つめ直し、進むことができる。

ありがとう。
また会える日を楽しみにしています。

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