見出し画像

【良くわかる】組織診断アンケートの設計方法

自社の組織としての健康状態は、果たして良好なのか? 他社と比べて、自社の組織は健全な状態にあるのか? 経営者や人事担当の方であれば、一度は気になったことのあるテーマではないでしょうか。そこで今回は、パルスアイを具体事例として、自社で組織診断アンケートを設計する方法について解説したいと思います。

組織診断アンケートの設計の流れ

組織診断アンケートの設計は、大きく次の流れで進めていくのが良いと思います。

画像1

1. 構造(フレーム)設計:調査目的を設定し、何を把握したいか調査全体の構造(フレーム)を設計します
2. 調査頻度の設定:組織診断アンケートの実施頻度として、年に1回/四半期に1回/毎月1回など、目的に即した調査頻度を定めます
3. 質問項目の設計:調査票における質問項目(質問テーマ)を決めていきます
4. 調査票の設計:質問項目に基づき、質問文・選択肢を具体化し、調査票を作成します
5. 調査フローの設計:PDCAを回すことを前提に、調査前後のフローを整理します

1. 構造(フレーム)設計

組織診断アンケートを行う上では、調査(把握)したい事柄について、構造関係(レベル感)があるはずです。一口に組織診断と言っても、切り口によって、無数の調査票を作れてしまいます。よって、自社として、最も把握したい(明らかにしたい)本質的な大テーマは何か?、その次に、その大テーマを構成する中テーマは何か? を検討しましょう。

画像2


パルスアイのケースですと、最も把握したい(明らかにしたい)本質的な大テーマは、次の3つです。

・個人のコンディション:従業員個々人は本来の職能ポテンシャルをどれほど発揮できているか?
・組織(部署)のコンディション:全社と各部署において、従業員エンゲージメント、チーム力はどの程度か?
・会社の経営課題・風土(文化):会社の強み・弱みには何で、重要な経営課題は何か、企業文化としてどのような特徴があるか?

画像3

そして、その大テーマを構成する中テーマを設定します。大テーマの構成要素が何になるのか、という視点で検討しましょう。

2. 調査頻度の設定

調査頻度は、どれくらいが適切かは、自社の考え方によるので、一概に答えがあるわけではありません。しかしながら、一般的には、毎月(月1回)〜年に1回の範囲で決めるのがいいと思います。

従業員や組織の状態は、常に変わっていくものです。その変化の機微をタイムリーに把握することで、適時的確に組織運営に活かしたいということであれば、月1回のパルス調査(簡易的な調査を短期間に繰り返し実施する調査手法)が向いているでしょう。一方で、会社全体の状態の良し悪しを把握することに重きを置くのであれば、半年に1回 or 年位1回が良いかもしれません。

画像4

ちなみに、パルスアイでは、3種類のサーベイを用意しており、毎月調査を行います。これは、従業員個々人の変化を適時に把握するためには月1回の調査が必要であると考えていると同時に、パルス調査(簡易調査)だけでは会社全体や部署ごとの課題分析は難しいので、四半期と年に1度、質問数を増やすことで、複合的なテーマに把握できるようにしています。

3. 質問項目の設計

組織診断アンケートの全体像が見えてきたら、質問項目の設計をします。調査票における質問項目(質問テーマ)を決めていき、質問数を確定します。質問数は、一般的には、回答負荷を考えると、30問以下が望ましいと言われています。

質問項目の設計は、まさに自社が社員(従業員)に聞きたいことが何かを明確にする作業となります。会社として重要と考えていること、社員に期待していること、もしくは、社員から期待されているであろうこと、会社の強み・弱みの把握につながること、といった観点から質問項目を具体化していきましょう。

画像6

パルスアイの質問項目は、上図のようになっています。少し欲張った組織診断アンケートになっていますので、全体としては質問数が多めとなっています(苦笑)

4. 調査票の設計

調査票の設計では、質問項目に基づき、質問文・選択肢を具体化し、調査票を作成します。また、WEB調査票が使いやすく、無料ツールも複数選べる現在においては、紙の調査票を選ぶ理由はないので、セルフ型のWEBアンケートツールを使いましょう。質問の種類も、選択肢質問(単一選択 or 複数選択)、マトリクス選択、スケール質問、自由記述質問、といくつもありますので、最も適切な質問種類を選びましょう。

画像6

調査票の設計において、質問文と選択肢をつくる際は、回答者にバイアスがかからないように、中立的な表現にしましょう。

5. 調査フローの設計

最後に、調査フローの設計です。組織診断アンケートは、調査自体が目的(ゴール)になってはいけません。調査で明らかになった事実を元に、組織運営に活かすことで、組織の状態を継続的に改善していくことが肝要です。そのためにも、PDCAを回すことを前提に、調査前後のフローを予め整理しておきます。

検討すべきは、従業員への主旨説明のタイミング、アンケート結果の集計・分析の方法、分析結果の幹部社員への共有の仕方、従業員へのフィードバック方針、結果の活用方法、などです。調査フローは、調査の実施頻度に大きく影響を受けるので、調査頻度に応じて適切なフローを検討するのがいいでしょう。

毎月アンケート調査を配信するパルスアイの基本的な調査フローは、次の通りです。
・毎月1日:アンケートの配信
・毎月7日:(未回答者に対して)リマインドメールの配信
・毎月10日:アンケートの回答期限
・毎月15日:アンケート結果のマイページへのアップ
・毎月15日〜月末:企業内で、調査結果の確認・対応方針の検討・対応策の実施

毎月同じ日にちで、配信を行い、結果を確認するというサイクルを回すことで、組織診断結果を組織運営に生かすPDCAサイクルが定着しやすくすることを狙っています。

画像7


※本記事は、PULSE AIメディアのコラムの転載となります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?