『海に眠るダイヤモンド』を社労士受験生的に考えてみる

舞台は端島。現代の通称は軍艦島ですね。
時は1950年代。
明治時代から昭和にかけ、端島は海底石炭で栄えました。日本初の鉄筋コンクリートによる高層住宅が建築されたのもこの端島です。

それで、石炭採掘といえば坑内労働ですね。第1話でも、その様子が描かれていたと思います。

坑内労働の労働時間の考え方は次のとおりです。

労働基準法 第38条
坑内労働については、労働者が抗口に入った時刻から、抗口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め労働時間とみなす。

また、坑内労働は健康上特に有害な業務として、次のとおり定められています。

労働基準法第36条6項1号
使用者は、第36条第1項の労使協定(36協定)で定めるところによって労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であっても、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、1日について労働時間を延長して労働させて場合は、2時間を超えないものとしなければならない。

労働基準法が今の形となった時期は追っていませんが、第1話では、坑内に取り残されて20時間経過した労働者が救出されるシーンがあったと思います。この場合、労働基準法第38条によれば、労働時間は20時間、同36条6項1号によると、上限の10時間を超過していることになります。

そんな端島の炭鉱ですが、エネルギー政策の転換により、需要が石炭から石油に移行する中で、数百万トンんの石炭を残したまま、1974年には閉山に至ります。

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