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まずは、何よりも、続きを書いてみよう。

 noteを見ていただいてありがとうございます。今回は、前回、小説を書いてみよう。と思ったものの続きです。前回のものはこちらから。
 それでは、どうぞ。

 ▲✕商事へ向かう途中で、同期の女子を見かけた。なんとなく足取りが重そうに思える。そういえば、あいつ、昨日上司にプレゼンがうまく行かなかったかなんかで、叱られてたな。なんてことを思い返していると、そいつと目が合った。一応会釈だけはしとく。
 向こうも、特に反応はなく、軽く会釈だけ。なんだよ、そんなに会社行くの嫌ならやめちゃえばいいのに。それに、あの仏頂面はなんだ。むちゃくちゃ腹が立つ。まあいいさ、僕も、あともうちょっとで辞めるし、あんなヤツのことを気にしなくても済むし。
 モチベも全然ない中で、今日も与えられた仕事だけをこなしていく。なんたって僕は、要領が良くて、仕事が出来る男だから。なんて鼻高々になっていると、上司から呼び出しが。昇給の話でもあるのか。と思いながら、会議室へ。
 座ってくれ。と、上司の呼びかけ。特に反応もせず、言われるがままパイプ椅子に座る。半年間働いてみてどうだ?だいぶ仕事に慣れてきたか?などという会話から、話が始まり、まあまあですかね、なんて答えてみる。実際問題、特にこれといって大きなミスもしていないし、与えられた業務はしっかりとこなしている自信もある。実は、将来、この会社を辞めて、起業しようとしてるなんて口が裂けても言えないけど。
 話が進むうちに、 「お前、どっか高飛車なところがあるよな。同期との仲もそこまで良さそうには思えないし。さっき森田とも話したけど、朝、すっごい見下されてる感じで挨拶されて。って言ってたけど、お前は何様なんだ?まさか家族にもそんな態度取ってるんじゃないだろうな?」 急に上司の口調が変わる。
 「は?その通りだが、それで何が悪いんだ。と僕は思ったが、いや、そんなことはないですけど。一応、僕は、あの子が足取り重そうに歩いているから、気遣って何も言わなかったんですよ。それに、なんか昨日あんたに叱られてたのを見てたし。」 と話を続けた。 
 すると、ああ、やっぱりその事か。と。あのな、昨日叱ったことは事実だけど、森田は、プレゼンをやりたいって言って俺に相談してきたんだけど、一年目はやらせない方針なんだ。と追い返したら、どうしても、やりたいんで、資料見てもらえますか?って訴えてきたんで、目を通したんだ。当然、一年目だし、初めてやることだから、全然何が言いたいのか分からなかったけど、でも、なんかエネルギッシュな感じがして、良かったなと思ってたんだ。ただ、やっぱり、この資料はまだまだ改善点がありすぎるから、直してくるか、プレゼンを考えるのを辞めて、まずは業務をおぼえることに集中しろって伝えたんだ。
 そしたら、昨日、寝る間も惜しんで、改善点直してきたって。そんなことしてないで寝ろよ。って思ったけど、ああ、頑張り屋なんだなって率直に思ったぞ。
 それと比べて、お前はなんだ。ろくに挨拶もしないし、どっか俺や同期のことを見下してる感じがするし、仕事も大きなミスこそないけど、細かなミスはあるのは見受けられる。それなのに、自分は同期入社の中でトップみたいな顔して、仕事して。言い方悪いけど、すごく鼻に着く。
 もっと謙虚に、人に感謝しないと周りはついて来なくなるぞ。
 そして、比べて悪いが、森田みたいに、何かこれをやってみたいみたい。なんてことも言ってこない。まあ新人だからっていうのもあるだろうがな、もうちょっと、こうなりたいです。将来はこんな仕事がしてみたいんです! って相談したり、行動で示さないと。来年からは、どんどん現場に出てもらう予定でいる。だから、今のうちに、自分の悪いなって思うところを見直せ、いいな。と話はここで終わった。

 上司の説教リサイタルの終わりの方は全く聞いていなかったが、とにかくムカついたことは確かだ。
 「なんだよ、そんなに行動するのが偉いのかよ。だいたい新人なんだから、新人らしいふるまいしとけばいいのにさ。それに、将来ああなりたいです、こんな仕事してみたいですってないわけじゃないし、むしろむちゃくちゃ考えている。将来、こんな風になってもらうからなって思ってるんだったら、お前から言ってこいや。そんで、やりたい仕事も聞いてこい。」とぶつくさ一人で文句を言いながら、僕は、コンビニでストロング缶を買って自宅へと帰った。
 
続く。

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