【1分の知識】第2回 坪単価の落とし穴
カタログや広告に表示された価格だけでは家は建たないことがほとんど
「家を建てる」のに必要なコストの内訳が気になりますよね。必要なコストは大きく分けて「建築工事費」と「諸経費」に加え「設計監理費」がかかります。こうした費用の合計を建物面積で割った1面積単位あたりの建設費として「坪単価(3.3㎡あたりの工事単価)」でカタログや広告に掲載されていることが多いです。一般的にこの坪単価が高いと「高い工務店」、坪単価が低いと「リーズナブルな工務店」として見られます。
しかし当然ながら、工務店もビジネスとして工事を行っています。「見かけの安さ」を演出することで、問合せ数を増やそうとしているケースが多々あります。
「建築工事費」の全貌(ぜんぼう)を把握する
建築工事費とは工務店に支払う工事にかかる費用のことです。直接建物を建てる費用を意図しますが、内訳としてざっくり「本体工事費」と「別途工事費」と言われるものに分けられます。カタログや広告に掲載されている工事費とはその「本体工事費」の場合がほとんどです。
「坪単価当たり●●万円」という表記で記載されているものは「本隊工事費」のみの金額だと考えてください。
つまり「本体工事費のみ」で掲載されているカタログや広告の価格では家はたたないということになります。別途工事費は各社で内容が異なりますが、一般的には以下の項目が別途扱いになっていると考えてください。
①既存建物の解体費
建て替えの場合に必要となる費用です。木造住宅の解体では1平米あたり1.5万前後(あるいはそれ以上)かかる可能性があります。
②地盤改良工事
軟弱な地盤の強度を高める工事費です。ハウスメーカーなどによっては社内規定により、厳しい水準となっている場合があり、必要な工事としてみなされている場合があります。
③外構工事費
隣地境界の塀や門扉、植栽などの建物以外の土地にかかる仕上費用です。玄関土間から玄関までのアプローチなどは最低でもかかるでしょう。雑草対策などで防草シート工事などを追加するケースも多いです。
④照明器具工事費
各部屋の照明器具の工事費です。ダウンライト程度は本体工事費に含まれるケースもあります。
⑤カーテン工事費
カーテンやブラインドなどの工事費です。注意点としては本体工事と大きく関係するカーテンボックスなども別途工事としてみなされている場合もあります。
⑥空調工事及び特殊設備工事費
以外ですが、冷房やLANケーブルといった配線工事も別途工事費として考えている工務店も多く存在します。生活必需品であるものの、別途扱いである場合が多いので確認が必要です。
⑦屋外電気工事費/屋外給排水衛生工事費
建物外部の防犯灯や、散水や洗車用の水栓なども別途工事として考えられています。
⑧引き込み工事費
電気や水道といった生活に必要なインフラが敷地内に引き込まれていない場合はその引き込み工事も別途工事に該当します。
このように現代生活では必要だと思われるものも、別途工事として扱われているものが多数存在します。項目数がかなり多く、それなりに重い工事内容であることもご理解いただけるかと思います。ざっくり本体工事費の1/3くらいの金額が別途工事費としてかかると考えておいてください。本体工事費が3000万円であれば、別途工事が1000万円くらいかかり、建築工事費は4000万円程度見込んでおく必要があります。
おさえておきたいポイント!
建築工事費の内訳
建築工事費は本体工事と別途工事に分類されます。割合は3:1くらいを見込んでおきましょう。「家を建てる」必要なコストとして他に「設計監理費」と「諸経費」があります。
知識のまとめ
一般的な坪単価=本体工事費のみのため、低く見積もられている。
本体工事費は別途工事費を含めた建築工事費の75%程度。3:1の割合。
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