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【歩き遍路】傾向と対策 [巡拝] 菅笠

(すげ)と言うけれど実際は竹である。大きい50cmサイズのものを買った。日よけ、雨よけには大きい方が便利だろうと思ったからだ。

宿の床の間に御杖と笠

【使ってみて】
三月、十月とはいえ四国の日差しは強い。日笠は必要だ。広くて深い笠は日差しをよけるには最適だった。

また笠の内部には五徳と言われる台座があり風通しが良い。暑い日でも日陰になり風も通り汗も溜まらない。歩きには快適である。

ただし風には弱い。海岸沿いの国道の海風やトンネルの中でのトラック風にあおられることもしばしばだった。

笠の被り方には作法がある。笠に書かれている梵字が前、同行二人が後ろである。笠はお寺にお参りするときも取らなくてもいいそうだ。

同行二人が後 (TaroTokyo)

頭を固定する台座がぐらぐらするので結束バンドで固定した。かぶって歩いているとぎしぎし耳元で鳴るのがいやだったのだが、台座をしっかり固定することできしみは収まった。

ちなみにこの10cmほどの結束バンドは何かと役に立った。鈴を結ぶカラビナの代わり、お杖の帽子の固定、靴紐の応急処置など数本持っていれば便利だ。裾を縛るときなどは数本繋げれば長い結束バンドになる。コンビニでも売っている。

買ったときに付いていたがちゃちですぐとれてしまった。これは最初から付け替えるつもりで金剛打紐の90cmを3本と紐のストッパーを用意しておいた。手芸品店で買った。百均にもある。

笠のひもの付け方

上州上野村のOさんは途中の遍路宿で笠の紐を付け替えてもらったそうだ。見せてもらうと紐は三本の長めの太い靴紐だった。これはいいなと思った。

笠には最初から雨よけのビニールがかけられていて、これが風通しをはばむ。強い日差しの下では蒸れて仕方が無い。ビニールカバーを取ってしまえばいいのだが、これがけっこう面倒くさい。

しかし、このビニールカバーが雨の時には最高に役立つのだ。今回、台風の雨の中を二度、三日間歩いたのだが、ビニールカバーのおかげで歩いていても快適だった。

笠が深いため、雨が直接顔に当たることもないし、笠が大きいのでザック、レインパーカも濡れることが少ない。これは最強の雨用ハットだと思う。

最強の雨用ハット

不意の雨に備えて笠のビニールは取りたくない。ただし、がさがさ音はするし日中は蒸れて暑いので、結局、笠はザックの後ろにカラビナでぶら下げておくのが定位置となった。歩いている時ぶらぶらしない様に上下をカラビナで固定した。

ハイカー遍路

菅笠はかぶっていなくても、それを持っているだけで「お遍路」であることを周囲に知らせることが出来る。白衣も金剛杖も持たない「ハイカー遍路」はザックに提げた菅笠だけが唯一の「お遍路サイン」なのである。


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