見出し画像

用語解説【CAN(キャン)】

こんにちは!JSDのWeb管理人です😊

弊社のHPで良く読まれている「CANの用語解説」をリライトしましたので、ぜひご覧ください!

なぜかは分からないのですが、
年間の閲覧数 >>>👑第1位! のページです。


【▶HPの用語解説ページはこちら



1. CANとは?(概要)

【読み方】キャン
【意味(英語)】コントローラエリアネットワークController Area Network)の略

CANとは、“ 相互接続された機器間のデータ転送に使われる規格 ” のことです。

例えば、自動車などの内部で複数の装置を通信回線で接続し、相互にデータを送受信する、というようなことができるんですね。

すべての装置が一つの伝送路を共有する“バス型のネットワーク※”となっており、現在では車載ネットワークの標準となっているようです。

※バス型ネットワークとは、複数のノードを1本のケーブルで(媒体で)接続する形態のこと。ネットワークの接続形態(トポロジー)には、スター型やリング型などがあるが、バス型は最も単純な形態。
端末の数や通信量が増えるとパフォーマンスが低下することがある。



CAN利用イメージ


へぇ!CAN(キャン)ってネットワークの規格のことだったんだね。
「ひとつの線だけで お互いにつないでいる形のネットワーク」、とイメージしたら良いのかな?



2. どうやって誕生したの?(歴史)

CANはドイツのRobert Bosch 社※ により1985年に 車載ネットワーク用 として開発されました。

※世界トップクラスの自動車部品メーカー。
 日本法人は、「ボッシュ株式会社」。


どのような経緯で開発されたのでしょうか?
参考資料を元に、まとめてみたのが以下です。

【1】
CAN開発以前は、ポイントツーポイント配線システム(1対1で接続する方式)、というものを使って車載電子装置間の接続を行っていた。

【2】
自動車の発展に伴い、搭載される「電子制御ユニットECU:Electronic Control Unit)※」というコントロールするためのものが増えていく。

※ECU(electronic control unit)とは、自動車の電子制御装置。
 エンジン、エアコン、ABSやエアバッグなどの各種安全装備などの制御を行う組み込みシステムのこと。

【3】
それにより “複雑、かつ重くかさばる!”
という問題が挙がる。

【4】
配線本数を減らし、コストやスペース、重量も減らしたい。
というニーズから

       ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

\ ECU同士の情報交換が可能なCANを開発 /

このような経緯で、誕生したそうです!

1993年には「ISO 11898」という国際規格として標準化されました。


1994年以降に、自動車以外にも利用できるように汎用的なものにした「CANopen」という規格も標準化され、産業・航空・医療などの様々な現場で利用されています。



3. CAN利用の一例

CANは、様々な分野の「 身近な場面」で使われています!

自動車の分野だと、、、
エンジンエアコンABSエアバッグなどの各種安全装備などの制御や、ドアユニットの連結ブレーキコントローラなどに使用されています。


車載ネットワークイメージ



自動車以外の分野でも、、、

産業:
 輸送用機械、工場、工作機械などのロボット分野

公共の乗り物:
 
路面電車、地下鉄、軽便鉄道、長距離列車など、あらゆる鉄道アプリケーション

航空:
 
飛行中の状態監視装置や、コックピット内の調査用PCといった航空機アプリケーション

医療:
 手術室全体を管理


というように、私たちが生活する上で大切な様々な場面で利用されているんです。



へぇ、BOSH社が最初に開発したのね。
ボッシュって電動ドライバで馴染みがある会社さんですよね。

最初は自動車でのニーズに対応するために開発されたものだったけど、今では生活にとても身近な場面で利用されていることを初めて知ったわ!



4. メリットは?(嬉しいこと)

では、CANを使うメリットは何でしょうか?

こんなメリットがあるそうです!

① 複雑な回線を簡単シンプルにする!
② ローコストにつながる(軽量化省スペース化にもなる)
③ 制御装置と繋げる箇所が1箇所で済む



CANは「 Peer to Peer(ピア・トゥ・ピア または ピア・ツー・ピア)※ 」のネットワークです。

※複数の端末間で通信を行う際のアーキテクチャのひとつ。対等の者(Peerとは「同等のもの」という意味)同士が通信をすることを特徴とする通信方式。P2Pと略して記述されることが多い。


個々のノードによるCANバス上のデータの読み取り/書き込みのタイミングを制御するマスタデバイスが存在しないということです。

例えば、電子制御装置(ECU)に、CANインタフェースを1つ搭載するだけで、システム内の各デバイスのアナログ/デジタル入力が不要になります。




つまり・・・
シンプルに設計できて
、しかも安く作ることができるということだね!

実際使ってみないと分からないところはあるけど、、、
軽く小さく」できるってのもCANの嬉しいポイントということが、なんとな~く分かったよ。




5. CANとJSD

弊社(日本システムデザイン株式会社)で作ったシステムの中では、CANポート搭載の高速雲台や、つくばチャレンジの倒立振子型ロボット[GENT]があります!


CANポート搭載の高速雲台

▶CANポート搭載の高速雲台【CaplaV10】のページはこちら



こちらは、普通の歩道を操作なしで走る、倒立振子型ロボット(CAN利用)
 ↓↓↓↓↓↓

2009年 つくばチャレンジ
「広島市立大学ロボティクス研究室&JSD」で参加
歩道を走る、自律型ロボット【GENT】


▶倒立振子型ロボット【GENT】の紹介ページはこちら





【Web管理人より】
これは当時複数の書籍を参考にまとめたものになります。(どの文献を参考にしたかメモできてなかったのでご容赦ください…)

技術者でない私には、難しいですが・・・
技術の方に聞いた話だと、開発を引き継いだ小型エレベーター※。

※小荷物昇降機制御基板と制御ソフト

とっても古ーいもので、通信の仕様が違うから使えないそうなのだけど、本当ならCANを使えば配線が少なくなって楽なんだ、と聞きました!




※この記事は、2017年に執筆したものを加筆修正した記事になります。



よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはロボット開発費として使わせていただきます!