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【WithYouプロジェクト】小栗さんご家族&オリバー

はっきりした理由が分からず、学校に行けなくなってしまった娘さん。
「死にたいけど死ねないから生きてる、殺してくれれば良いのに。」壁紙一面に死の文字が書かれた紙がびっしり貼ってある時もあり、帰ったら家に居ないかもしれない、自殺してしまっているかもしれない、そんな思いで後ろ髪を引かれながら仕事に出ることもあったそうで、どうしたら良いか分からない日々を過ごされていました。

元々犬を家族として迎えたいと当会のキャリアチェンジ犬への登録を考えられていたため、犬が大好きで、一緒に遊べるコがいてくれたら嬉しいという娘さんの力にもなれればとWithYouプロジェクト(※)への登録となりました。

オリバー

そんな小栗さんご家族とマッチングしたのは「オリバー」、当時1歳5ヵ月の黒のラブラドール・レトリバーでした。くりくりの大きな目と大きなお鼻が特徴の明るく、天真爛漫、人が大好きでどしっとした性格の男の子です。
遊ぶことも大好きだし、お散歩も大好き、人も大好きで尻尾ブンブン、だけどオンオフも出来るオリバー、そして何よりポジティブで嬉しい時は全身で表現してくれる性格の持ち主。(でも身体の大きいコなので、力の強さはあります…!)キャリアチェンジ犬を希望される方には、細かく色々なお話をお聞きします。小栗さんのお家ならオリバーも楽しく、安心して生活できるし、オリバーの性格が小栗さんご家族の力になるかもしれない、そう感じてご紹介をさせていただきました。実際にオリバーに会っていただきお試し飼育を経て、オリバーは正式に小栗家の一員になりました。

小栗さんご家族

そんなオリバーを迎えた小栗さんは、現在「ワンぽてぃと」というカフェを経営されています。このカフェは、「働きたいけれど働けない、社会に出る事に抵抗があり、1歩踏み出せない。」そんな若者が15分から働ける、超フレックスタイム制のカフェです。

ワンぽてぃと

キャリアチェンジ犬を希望された当時、数年後に社会貢献、福祉と融合したカフェを開きたいという思いをお話してくださっていましたが、娘さんに起きた出来事がきっかけになり、もしかすると同じような境遇にある子どもたちはたくさんいるのでは?と思った小栗さんは、そんな思いを抱えた若者が働ける場を作りたいと強く思い、2022年5月に愛知県春日井市に「ワンぽてぃと」をオープンしました。

店内
テラス
オリバーとお客様

米粉と豆乳で作ったホワイトソースを使ったじゃがいものお料理や、こだわりのさつまいもスイーツ、チーズケーキは甘酒とメープルで甘みを出したりと、こだわりと工夫が随所にある美味しいお料理のお店です。そしてオリバーも看板犬として迎えてくれます。
(この記事を書いている職員、アレルギーやら体質やらで食べられない食材が多いのですが、お話を聞けば聞くほど、安心して、何度でも通いたいお店となりました!)

愛知県春日井市、お近くの方(お近くでなくても)、ぜひ一度足を運んでみてください♪

※クラウドファンディング挑戦中です(6月末まで!)


★WithYouプロジェクト
日本介助犬協会では、介助犬だけでなく、様々な形で困難にある方々の支援をしています。その一つとして、WithYouプロジェクトがあります。障がい者や障がい児の方等がいるご家庭に対し、細かく相談にのり、通常より長めのお試し期間を設けるなど、人と犬、両者の個性を鑑み、丁寧にマッチングして犬を譲渡する取り組みです。

「自立と社会参加」のために介助犬がいます。介助犬には身体障害者補助犬法があって、肢体に障がいを持った方が対象です。肢体不自由の障がいではないけれど、社会参加をしたいという思いを抱えつつ、様々なハードルがありすぎて上手くいかず、どうしたら良いか分からなくなってしまっている子どもたちや若者たちはたくさんいると思います。
そんな若者たちの手助けが出来るその一つの形「ワンぽてぃと」。とても素敵なカフェです。オリバーはありのままの姿で楽しんでいるだけですが(それが何より嬉しいのです)、日本介助犬協会からWithYouプロジェクトとして譲渡したオリバーのご家族を今後も応援していきたいと思います!

社会福祉法人 日本介助犬協会
山口歩

介助犬1組の育成には240万円~300万円ほど費用がかかります。 みなさまのご支援をよろしくお願いします!