サウジアラビアのKAUSTで有給インターンシップをしている話 2

日本では10月に入り、気温も下がって秋の訪れを感じている人が多いのではないでしょうか?私の地元では秋祭りが行われており、昔は秋祭りの笛の音と肌寒い風に秋を感じなんとも心地良かったことを思い出しました。

サウジアラビアでは10月に入っても最高気温は37°C、最低気温は28°Cと夏は終わる気配を見せません。でもこれでも気温は下がったほうで、7月末には最高気温が45°Cだったと友人が言っていました。確かに朝晩は少し過ごしやすくなった気はするものの、相変わらず日中の暑さは圧倒的です。

今回はキャンパス内の食事事情と動物事情について話します。キャンパスの外と比べてキャンパス内のレストランは値段が比較的高いです。車を持っていない学生にとって、毎日キャンパスの外に出るのは簡単なことではないので、基本的にはキャンパス内のレストランもしくは自炊することになります。

キャンパス内の食事事情

キャンパスには合計24個の大小異なるレストランがあり、学生食堂やバーガーキングから中華料理や寿司レストランまであります。スーパーマーケットはキャンパスエリアの中に中くらいのサイズのものが1つとアジアンマーケットのようなものが1つあり、居住エリアの中に大きなものが1つあります。

Campus Diner(学生食堂)

おそらく最も利用者の数が多いのがCampus Diner(学生食堂)です。営業時間は毎日朝の8時から夜の10時半までですが、ラストオーダーは夜9時半なので注意が必要です。Campus Dinerでは、サラダバーやハンバーガー、パスタ、アジアンフードなど幅広いメニューを注文する事ができます。しかし私は基本的にこれらのメニューは注文しません。なぜなら、バジェットミールという日替わり定食のようなものが最も安価でボリュームがあるからです。

日替わり定食では、主食(白ごはん、色付きのごはん、パスタから選べる)、主菜(牛肉、魚、鶏肉、ベジタリアンから選べる)、副菜①(野菜、ポテトから選べる)、副菜②(サラダ、コールスローから選べる)、スープ(2種類から選べる)、デザート(2種類から選べる)、ドリンク(コーラ、ダイエットコーラ、ゼロコーラ、ペプシ、セブンアップ、水から選べる)を組み合わせる日替わり定食です。毎日メニューが変わるので、さまざまな組み合わせを楽しむ事ができます。

また、価格も18.4リヤル(~730円程度)とキャンパス内の料理の中では比較的安く済ませる事ができます。2023年のはじめは18.4リヤルが630円程度であったことを考えると、この半年で相対的に100円も値上がりしたことになります。インターンシップの給料はアメリカドルで支払われるので、もう少し円高になって欲しいかと言われると悩んでしまいますが。

Campus Dinerの日替わり定食。ボリュームがすごいが、ごはんを盛る人の匙加減にかなり依存する。


バーガーキング

ヨーロッパのバーガーキングとあまり変わりませんが、メニューは安くはありません。特に単品のハンバーガーやチーズバーガーなどは8リヤル(~320円)と結構します。これはおそらく2020年に新型コロナウイルスによる原油安による歳入減を補うために消費税(VAT)を5%から15%に引き上げたことが原因であると思われます。一気に消費税を3倍にできるのも、絶対君主制国家ならではでしょうか。サウジアラビアならではのメニューとして、ソフトクリームのコーンを緑色にすることができます。特に味に変化はありませんでした。

緑色のコーンのソフトクリーム。心なしかクリーム本体も緑がかって見えるがこれは普通のバニラ味。

ケンタッキーフライドチキン

日本のKFCと同じ味です。日本と異なるのはライスメニューがあることです。ターメリックライスの上にチキンが2つ乗ったチキンライス25リヤル(~1000円)が美味しかったです。

チキンライス。ご飯の量が想像の3倍くらいある。ヤンニョムソースとドリンクもついてくる。

寿司レストラン

キャンパスエリアから遠く離れた港エリアにどうやら寿司のレストランがあるようです。サーモンを食紅で紅くしていかにも「私はマグロです」と鎮座していた寿司をヨーロッパで食べて以来、私は海外での寿司に警戒するようにしているのですが、サウジアラビアも例外ではありません。メニュー表を見てみると、カニの巻き寿司を天ぷらにして揚げた後に、チーズクリームとラズベリーを乗せた Las Vegas というメニューがありなかなかカオスです。一番の問題点は値段であり、回転寿司の一皿分の鉄火巻が34リヤル(~1360円)するようで、とても手が出せないです。

中華料理

キャンパスには中華料理レストランがあるのですが、中国人の友人たちは口を揃えて「あのレストランの味は本場の味じゃない」と言います。本格的な中華料理が食べたくなったときに、彼らは一体どうやっているのかというとキャンパスに在住している中国人家族(おそらくポスドクや教授の家族)が中華料理のデリバリーサービスを運営しているのです。4家族ほどが異なるデリバリーサービスを提供しており、しのぎを削りあっています。注文はメッセージアプリWeChatを使って行います。私もグループに入れてもらいましたが、まだ注文したことはありません。友人に「豚肉を使った料理はあるのか?」と聞いてみたところ、「流石に豚肉はない」と彼は笑いながら言っていました。

キャンパス内の動物事情

キャンパスには至る所に猫がいます。野良猫なのかはたまた誰かの飼い猫なのかはよくわかりませんが、白猫、黒猫、三毛猫などさまざまな種類の猫がキャンパス中を闊歩しています。

それに対して、犬はキャンパス内にはほとんどいません。狂犬病のリスクなどから犬に関しては規制がされているのかなと最初は考えていたのですが、どうやら猫も狂犬病のリスクはあるようでこの説は間違っていました。実は、イスラム教では犬が豚と同様にハラーム(禁忌)になっています。このことが原因なのではないかと考えています。

また、イスラム教では「動物の避妊や去勢手術を行ってはいけない」という教えがあることが、キャンパス内に無数の猫がいることの遠因になっているのではないかと推測しています。

一見して不思議に思える現象が、文化の違いといったレンズを通してみると説明ができるようになるというのは非常に面白いです。

キャンパスの駐車場にいた猫。私の持っていたハンバーガーを狙っていたがなんとか死守した。

おまけ

今回はサウジアラビアに持って行かなくてよかったものランキング1位を発表します。それは折り畳み傘です。ジッダにおける雨のみの日が最も多い月は 11月であり、平均 0.9 日あるそうです。

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