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令和5年度土木学会全国大会・2日目(研究討論会)

土木学会事務局です。
土木学会最大の行事である「全国大会」。
令和5年度土木学会全国大会は、9月11日から15日に開催します。
大会期間の前半には、一般の方も無料で参加いただけるプログラムを予定しています。そうしたプログラムを中心にご紹介します。

9/4 各討論会のウェビナーリンクを追記しました。

2日目の9月12日も、土木学会の委員会が主催する研究討論会を、オンラインで開催します。一般向けのイベントではありませんが、土木はこんなことをしているのか、こんなこともしているのかということを知っていただけたらと思います。

オンライン研究討論会は視聴のみの場合は申込み不要です。
無料でどなたでも視聴できます。以下、プログラムをご紹介しますので、興味を惹いたテーマがありましたらぜひご参加(視聴)ください。

オンライン研究討論会はzoomウェビナーで開催します。なお各討論会の定員(同時接続数)は500名となっておりますので、気になる討論会がありましたら、お早めにアクセスください。

また「#土木学会全国大会2023」のハッシュタグで、気になるテーマや、当日参加しての感想などをどしどし各種SNSに投稿ください。


9/12(火)10時~12時

数値解析のV&Vは何を変えうるのか?どう変えるのか?(応用力学委員会)

応用力学委員会は、2014年と2015年の研究討論会を始めとして、地区フォーラム、シンポジウム、他学会との協調などにより、数値解析のV&V(検証と妥当性確認)に関する情報発信・共有を継続して行ったきた。しかし、信頼性の高い商用ソフトが普及し、大学等の研究機関でも土木に特有な高度な解析技術が開発されている現状において、V&Vによって何がどのように変わりうるのかといった本質的な議論が十分になされてきたとは言い難い。今回は、地震工学委員会、日本コンクリート工学会、日本計算工学会において同様の活動をされている代表者の方にもそのような切り口で話題提供を頂き、会場を交えた討論に発展させたい。

橋のリニューアルや長寿命化に向けたメンテナンス技術の展開(建設用ロボット委員会)

持続可能なインフラメンテナンスの実現に向けて老朽化した構造物等のリニューアルが推進されているが、その一方で地方自治体が抱える予算不足や担い手不足などの課題も山積している。これらの課題に対し、国や地方自治体の取組み、そして民間企業が実践している効率化・省力化に向けたメンテナンス技術について話題提供しながら、今後の建設用ロボットの展開を討論する。
討論会の中では、今後インフラを安定的に提供するために必要な方針として ①少ない人手でこれまで以上の仕事を行う体制作り、②土木の魅力作り に焦点を当てて、それぞれの論点でロボットや自動化技術の役割を考えてみたい。

1F事故から12年が経過して-廃炉・事故廃棄物対策等の円滑推進と土木技術の役割について(エネルギー委員会)

2011年3月に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所(以下、1F)事故から約12年余りが経過した。現在、1Fの内部では廃止措置に向けて、使用済み燃料や燃料デブリの取り出し等の取組みが進められている。廃棄物対策に関しては、2021年度に示された処理・処分方策と安全性に関わる技術的見通しを踏まえて、固体廃棄物の特徴に応じた廃棄物ストリームの構築や固体廃棄物全体の管理のための適切な対処方策、さらには安全な処理・処分方法を合理的に選定するための手法を検討していくとされている。本討論会では、これらの課題への取組みにおいて土木技術が果たす役割について専門家からの話題提供と討論を行う。

9/12(火)13時~15時

日本のインフラの体力を診断する(第3弾)(インフラ体力診断小委員会)

我が国における各種インフラは、戦後~高度経済成長を経て整備が進められ、国民の生命・財産を守るとともに、社会・経済・くらしを支えてきた。しかしながら、近年では、頻発・激甚化する自然災害やインフラの老朽化への対応が喫緊の課題となり、土木学会では、道路、河川、港湾、鉄道等の健康状態を国民と共有するために「インフラ健康診断」を実施し、公表してきた。一方、「日本のインフラは概成した」との雰囲気が広がり、インフラへの投資額が減少してきたことに対して、国際競争力・防災力の観点から「日本のインフラの実力・体力はどの程度か?十分か?」と指摘する声も大きくなってきた。そこで、土木学会では、「インフラ体力診断」を展開し、第1弾として道路、河川、港湾、第2弾地域公共交通、下水道、都市鉄道を対象として実施し、全国大会研究討論会で議論してきた。この度、公園緑地、新幹線、水資源を対象とした第3弾の体力診断をベースに、日本のインフラの強み、弱みを評価・解説するとともに、国民と共有するための工夫や今後の整備の方向性について議論する。

BIM/CIM原則適用後、更なる建設生産性向上の加速に向けて!(土木情報学委員会)

2023年度から、公共工事はBIM/CIMが原則適用となる。我が国の建設分野の競争力をアップさせるためには、課題を抱えながらも出来るところから推進するしかない。
こうした社会背景を踏まえ、①建設分野における先端のBIM/CIM状況の紹介、②ボトムアップの重要性に着目した取り組みについて、各パネラーから話題を提供して戴く。
全体討論では今後、建設業界全体として取り組むべき方向性について討議する。

データ駆動型社会における市民合意形成のあり方(コンサルタント委員会 市民合意形成小委員会)

都市課題が複雑化・多様化し、市民のライフスタイルや価値観も多様化するなか、まちづくりにおいても、多様なデータを活用しながら、きめ細かく・迅速に対応をしていくことが求められている。また、新型コロナ禍の影響もあり社会のデジタル化の動きが加速し、IoT・ビッグデータ・AI等のICTを活用した対応も求められている。このようなデータを活用したまちづくりの市民参加においては、データ提供者としての参加、双方向のコミュニケーションツールの充実等、その関わりも多様化していくことが考えられる。
本研究討論会では、データ活用まちづくりにおける市民合意形成の意義、方法、実施上課題等を整理して、そのあり方を議論してみたい。

9/12(火)15時30分~17時30分

匠と技へのまなざし(土木学会誌編集委員会)

日本の土木は技術を駆使した合理化・効率化の裏で、匠による職人技によって支えられてきたと言える。しかし、土木分野ではこうした匠とその技に光を当てることがなかなかなされていない。このような背景から、土木学会誌では2023年7月から「ニッポンの匠と技」と題した連載を開始することとした。インタビュー形式で日本の土木に携わる匠と技を取り上げ、これらに敬意を払うことで、我が国の土木の強みを再認識するとともに、匠と技、ひいては土木に対する我々自身の誇りを喚起したいとの思いである。本研究討論会を通して、ニッポンの匠と技に触れ、土木の魅力を共に考えるきっかけとしたい。

地下建設における地盤リスクマネジメント(トンネル工学委員会 技術小委員会 地下建設における地盤リスクマネジメント検討部会)

近年、都市部の地下建設工事において、国内外を問わず、地下工事にかかわる事故が多発している。これは、地盤調査や施工法にかかわるリスク(地盤リスクと呼ぶ)にかかわると考えられる。
研究討論会では、国内外を問わず過去の事故事例および地盤リスクを伴う工事の調査・設計・施工の契約とリスク分担を調査した中間結果を報告する。また、国内と海外とのリスク分担に関する考え方の違いを明らかにしたうえで、国内と海外の具体的な事故事例を取り上げて、どのようなリスクが存在していたのかを解説する.それを受けて、今後の地下建設工事における地盤リスクへの対応の方向性について討論する。


全体スケジュールはこちらのnoteで

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土木技術の共有、研鑽の場であり、多様な人的交流の場であり、情報発信の場でもある土木学会。それは「ソサエティ」そのものだと言えます。
土木学会は、土木技術者のみならず、市民のみなさまののご参加を心から歓迎いたします。


国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/