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令和5年度土木学会全国大会・3日目(研究討論会)

土木学会事務局です。
土木学会最大の行事である「全国大会」。
令和5年度土木学会全国大会は、9月11日から15日に開催します。
大会期間の前半には、一般の方も無料で参加いただけるプログラムを予定しています。そうしたプログラムを中心にご紹介します。

3日目の9月13日からは、広島での現地開催です。会場は今年のG7サミットでも使用された広島国際会議場。午前中は土木学会の委員会が主催するハイブリッドでの研究討論会を、午後は全体行事を開催します。本記事ではこのうち、研究討論会をご紹介します。全体行事については以下のnoteをご覧ください。

土木学会の全国大会は一般向けのイベントではありませんが、土木はこんなことをしているのか、こんなこともしているのかということを知っていただけたらと思います。

なお研究討論会・全体行事ともに無料でどなたでも参加できますが、広島国際会議場への入場には事前の登録が必要です。
以下、研究討論会のプログラムをご紹介しますので、興味を惹いたテーマがありましたらぜひご参加(視聴)ください。

また「#土木学会全国大会2023」のハッシュタグで、気になるテーマや、当日参加しての感想などをどしどし各種SNSに投稿ください。


9/13(水)10時~12時

路車間連携による交通高度化(舗装工学委員会)

道路舗装は、安全で円滑かつ快適な交通を確保するための重要な社会インフラの役割のみならず、自動運転支援技術、道路利用者の注意喚起や快適性を提供する音響道路技術あるいは走行車両への電力供給可能な舗装技術といった路面と車両を結び付ける様々な機能を付与した舗装技術の開発が進められている。
そこで、本討論会において、“路車間連携による道路サービスの高度化への取り組み”と題し、車両が走行するためだけの役割以外の新たな機能について、実際に活用されている技術または開発段階の技術について、産官学問わず様々な分野の専門家に横断的に話題提供を頂き討議を行うものである。

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)と水リスク(地球環境委員会・水工学委員会)

昨今脱炭素社会に向けて国内外の動きが加速しているが、その一つの中心となっているのが、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)である。東京証券取引所のコーポレートガバナンスコードが改訂され、サステナビリティを巡る課題への取組みの一つとして、「プライム市場上場会社は、TCFD又は同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべき」と明記されたことから、TCFDに賛同する国内企業も増えている。TCFDの要請する気候変動のリスクと機会の開示は多岐に及ぶが、本研究討論会では水リスクに焦点を当て、研究者や行政担当者を招いて最新動向をご講演いただくとともに、土木分野にどのような変化をもたらしうるのか参加者で議論したい。

FRPをより上手に土木構造物に活かすには(複合構造委員会)

FRPの土木構造物への活用は、この20数年の間に様々な試みがあるが、現状では一部を除きあまり普及が進んでいるとは言い難いように思われる。一方、FRPには鋼やコンクリートに比べ軽量かつ腐食しないなどの特長があり、これをより高機能・高耐久な社会資本の整備に活かすことが期待される。そこで本討論会では、FRP構造物の普及の現状の課題とその解決に向けた取り組みについて、FRP活用に取り組んできた話題提供者を迎え議論する

産官学の連携による地域のインフラメンテナンスへの新技術の実装(インフラメンテナンス総合委員会 新技術適用推進小委員会)

近年、インフラのメンテナンスを効率化・高度化するための有望な新技術の開発が精力的に行われている。しかし、特に地方の自治体において新技術が活用されている事例が少ないのが現状である。この理由の一つとして、新技術に関する情報が地域の関係者に十分周知されていないことが挙げられる。このような中、新技術適用推進小委員会ではその活動の一環として、開発者、自治体、地域の大学の3者が連携してインフラメンテナンスに関わる新技術を地域に実装する研究活動を支援している。本討論会では、新技術の地域実装活動事例を紹介するとともに、産官学が連携した新技術の地域実装のあり方や学会の役割等について議論し、広く情報共有を図る。(予定)

総合建設業の魅力の伝え方について~高専・工業高校を対象に(建設技術研究委員会)

特に近年、ゼネコンでは、高専や工業高校への期待が大きく、門戸を開いている会社が増えている状況を鑑み、本討論会にて入職への前向きな取組みについて討議するとともに、近年のゼネコンがより魅力的に業態を変革しつつあることを伝え、学校、学生サイドのニーズ、希望とゼネコンサイドの求める人材、能力を討議する。また、学校教育の場でのゼネコンの周知活動が必ずしも十分とはいえない現状を鑑み、広報活動の在り方を考える。

どうする?土木の木材利用!(木材工学委員会 木製建設資材に関する研究小委員会)

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて国内外で具体的な取り組みが活発化する中、土木分野における木材利用が果たす役割は大きいと考えられるものの、その具体的対応策を提示するには至っていない。そこで、土木で木材を使う意義や問題点を、技術的、経済的、施策的立場から改めて見つめ直し、これからの取り組みを加速させるきっかけを研究討論会で模索したい。

土木にとってのUXデザインを考える 〜業界初の学生討論会〜(企画委員会 学生小委員会)

土木にとってのUXデザインーそれは国民が得る毎日の体験を設計すること.私たちは市民の目線、技術者の目線、学生の目線、それぞれに立てているのだろうか?
昨年6月に学生小委員会が設立し、各委員は学会内外において様々な活動や議論を重ねてきた。議論の中では、コロナ前後での学生の興味・関心やコミュニケーションの仕方など価値観の変化が起き、多様化していることがわかってきている。
本討論会では「土木業界に対して若手が感じていること」を共有し、それぞれの立場の相互理解を深め、今後どのようにして土木・都市を形成していくか、皆さんと考える場としていきたい。


全体スケジュールはこちらのnoteで

土木学会の活動にご参加ください

土木技術の共有、研鑽の場であり、多様な人的交流の場であり、情報発信の場でもある土木学会。それは「ソサエティ」そのものだと言えます。
土木学会は、土木技術者のみならず、市民のみなさまののご参加を心から歓迎いたします。


国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/