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令和6年度土木学会定時総会 新会長就任挨拶 書き起こし

土木学会事務局です。
2024年6月14日に開催された令和6年度土木学会定時総会での、佐々木 葉 第112代土木学会会長による新会長就任挨拶を書き起こしいたました。


これまでのこと

こんにちは。先ほど112代の会長に選出されました、佐々木葉(ささき・よう)でございます。ちょっと緊張していますが、さきほどの田中茂義前会長同様に私も満面の笑みで、就任の挨拶をさせていただきたいと思います。これまでとこれからのお話をしたいと思います。

佐々木葉 第112代土木学会会長(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
佐々木葉 第112代土木学会会長

学会歴

佐々木葉 第112代土木学会会長 学会歴・1989年入会(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
佐々木葉会長の学会歴-入会

まず私が土木学会の会員になったのが1989年でございます。

これは就職してから4年目です。と言いますのも、学部は建築学科でしたし、大学院は社会開発工学専攻でした。そして最初の職場での配属部署は経済研究所でした。ご縁があって東京大学土木工学科の助手になるというときに、改めて、「そうか、土木かぁ。」と思いました。写真には伊藤学先生が写っていらっしゃいますが、橋梁研究室に所属しているときに、土木学会の会員となりました。伊藤先生、その後の藤野陽三先生、お二人の自由な空気のなかで私の土木ライフは始まりました。

景観・デザイン委員会

佐々木葉 第112代土木学会会長 学会歴・景観・デザイン委員会委員長2021-2023(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
佐々木葉会長の学会歴-景観・デザイン委員会 委員長

私の専門は景観やデザインですので、土木学会の中では景観デザイン研究をやってまいりました。景観・デザイン委員会は1996年に設立されていますが、その3年後から、なんやかやと、ずっとこの委員会の仕事をしてまいりました。もちろん学術的な研究活動が中心ですけれども、ここにございますデザイン賞というのを2001年から始めました。現在までに230以上の作品を表彰してまいりました。

その審査の過程では、必ず現地を見に行きます。大きいものから小さいものまで、土木の方、地域の市民の方、あるいは建築やランドスケープの方が、皆さんがいろいろチャレンジをした結果、すごく素敵な風景がそこに生まれているというのを、身をもって感じるということができました。

土木学会誌編集委員会

佐々木葉 第112代土木学会会長 学会歴・土木学会誌編集委員会委員長2012-2014(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
佐々木葉会長の学会歴-土木学会誌編集委員会 委員長

このように、自分の専門分野で学会に関わるというのが普通です。ですが、それ以外の活動として、土木学会誌編集委員長を、2010年から2年間務めました。これが私にとってはとても大きな経験となっております。

当時の編集委員の皆さんには大変ご迷惑をかけましたけれども、学会誌を作っていくときに、多くの方々と議論しました。皆さん別々の専門でいらっしゃるけれども、お一人、お一人が持っていらっしゃるエネルギー、人間としての奥深さ、情熱とかそういうものが本当に混じり合ったときに素晴らしいものができるんだなというのを身をもって感じたのが、この編集委員長の2年間でございます。ここで付き合ったメンバーは生涯の友になっています。

ダイバーシティ・アンド・インクルージョン推進委員会

佐々木葉 第112代土木学会会長 学会歴・D&I委員会委員長2017-2023(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
佐々木葉会長の学会歴-ダイバーシティ・アンド・インクルージョン推進委員会 委員長

もう一つの専門以外の分野での学会の活動があります。2017年に私は理事になりました。理事は22人いらっしゃいまして、いろいろなところから推薦されますが、私は関東支部の推薦となります。関東支部は会員も多く、枠が一つではないので、「一人は女性を推薦しよう」ということになっていました。

そのために、関東支部が推薦する女性の理事ということで、私が理事になることができたわけです。理事になりますと何らかの部門を担当します。私は教育企画部門が担当で、その中にあるダイバーシティの委員会の委員長になるという形になったわけです。実はそれまで私は、土木技術者女性の会にも入っておらず、女性というつながりでの皆さんと一緒に活動することが特にありませんでした。ここでの活動で、これまでにマイノリティである人たちが、どんなに努力し苦労されてきたかということも実感し、また学ぶことが非常にたくさんございました。

佐々木葉 第112代土木学会会長(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
佐々木葉 第112代土木学会会長

今日、皆様のお手元にはオレンジ色の、こういったリーフレットが四つ、入っています。これらは土木学会のD&I委員会が、JSCE2020プロジェクトで進めたことなどをまとめたものでございます。ぜひこちらもお目通しいただければと思います。

土木学会の女性活躍支援・ダイバシティー等の取り組みの経緯(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
土木学会の女性活躍支援・ダイバシティー等の取り組みの経緯

私自身はこのような活動を土木学会の中でしてきたわけですが、土木学会全体として、女性の活躍支援あるいはダイバーシティ等に、これまでどう取り組んできたかをみていきます。発端は2004年です。ジェンダー問題検討特別小委員会ができましたが、このきっかけは、アメリカ土木学会 (ASCE) 初の女性会長、パトリシア・ギャロウェイさんが土木学会にいらしたときに開催した座談会がきっかけになったと伺っています。

その後、教育企画・人材育成委員会の下に男女共同参画小委員会が設置され、地盤工学会や、後ほど申し上げます土木技術者女性の会との連携が進んでまいります。その後、委員会は、「男女」から「ダイバーシティ」と名前が変わり、女性の委員や理事の登用を進める働きかけをおこなったりします。そしてダイバーシティ小委員会の「小」が取れて独立した委員会として、教育企画部門の中で昇格してまいります。

さらに、ダイバーシティ・アンド・インクルージョン推進委員会となりました。この委員会で、先ほどのJSCE2020プロジェクトや関連委員会との連携を進め、活動している、こういった歩みがあるわけです。

土木技術者女性の会(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
土木技術者女性の会

さて、土木技術者女性の会についてですが、1982年の土木学会誌(1982年9月号 Vol. 67、No. 10)の対談が発端となっています。こちらに写っていらっしゃるのが、今、目の前に座っていらっしゃる天野玲子さんですね。そして、正木啓子さんも。今日、天野玲子さんは名誉会員になられましたけれども、土木技術者として女性で初めての理事、名誉会員になられたのが正木さんです。この学会誌の記事は、もちろん皆さんお読みになれます。私も改めて読んでみました。皆さん本当にいろいろと、のびのびと、でもいろんな苦労があり、でも前向きに仕事をなさっている様子が語られております。

土木学会誌1982年9月号 Vol. 67、No. 10 目次
会員の方はデジタルアーカイブからPDFをご覧頂けます

この座談会で、「とはいっても、そもそも女性の技術者がどこにいるか、全然知らない。まずネットワークを作ることが大事なんじゃないか」ということで、座談会の記事の最後のページに、「女性技術者の皆様へ・サークルづくりへのおさそい」というメッセージが掲載されました。それを機にネットワークができて、土木技術者女性の会が1982年に創立し、こちらも40年以上活動を続けてこられたわけです。

女性の土木技術者や土木界のD&Iについては、こういった約40年、あるいは学会の中では20年の歩みがありました。

土木学会の女性会員数の推移(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
土木学会女性会員数の推移

その結果、土木学会の女性の会員の数も増えてまいりました。1998年から比べれば6倍近くになっております。ただ、実数で言いますと全体の中では6.8%。でも、このような伸びがございました。この40年あるいは20年の活動からこそ、ですね

そして、「女性の会長が出てもいいのではないか」とご推薦をいただき、承認していただいて、本日私が会長になったのだなと思っています。これまでの活動、マイノリティとして苦労されてきた方、支援されてきた皆さんに、本当に感謝し、「やったぜ」、という感じで、喜びたいと思います。

会場の様子(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
定時総会会場のようす

歴代会長の属性

歴代土木学会長の属性-学科・大学・学部(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
歴代土木学会会長の属性(大学・学部・学科)

土木学会の会長となった人は112人います。女性では私が初となっておりますが、他にどんな人たちがいるのか。土木学会のウェブサイトに歴代の会長の情報がありますので、そこからちょっと見てみました。出身の学科で見ますと96%が土木ですが、建築学科出身として、私が初でございます。

では、どういう学校の出身かといいますと、国立大学が96%。私は私学の出身ですが、私学はたったの2%でございます。ちなみに海外2%というのは、初代の古市公威会長、2代目の沖野忠雄会長のお二人でございます。ついでに大学名も挙げちゃいますね。こんな分布になっておりまして、私学の二人というのはいずれも早稲田大学でございます。私は、本日はいらしていないのですが、第94代の濱田政則会長に次いで二人目の早稲田大学出身の会長になります。

歴代土木学会長の属性-職域・干支・星座(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
歴代土木学会会長の属性(職域・干支・星座)

出身大学を見ましたが、会長就任時の職域で見るとこんな感じになっています。じゃあ、干支はどうか調べて見ました。干支は大体ばらついてございます。ちなみに私は丑年でございます。

じゃあ星座は、と言うと、こちらもばらついています。牡羊座がちょっと少ないです。私は蟹座でございます。血液型も調べたかったのですが、こちらはさすがにデータがございませんでした。

ということで、私は、女性初ということで言えば「初」なんですけれども、例えば大学種別としても少なかったりします。あるいは今回国籍については見ていませんでしたが、たぶん全員の方が日本人だったのではないでしょうか。

つまり、属性の何を切り口にしているのかによって、実に様々ななる見え方ができるのだと思います。私は早稲田大学の教員で、土木学会初の女性会長でと、「なに」という意味ではそうなりますが、同時に、佐々木葉という人間で、いつも髪はショートカットで、性格は跳ねっ返りで、楽天的なひとりの人間でございます。

多様性を考えるときには、この属性としての「なに」であるかということだけではなく、一人一人のパーソナリティ、ご家族の状況とか、いろんなことを含めて、「だれ」として、お互いをリスペクトしながら、違いを認め合いつつ交流していくことなのではないかと思います。

佐々木葉 第112代土木学会会長(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)

土木学会の風景を描くプロジェクト

土木学会の風景を描くプロジェクト(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
土木学会の風景を描くプロジェクト

そういう場は土木学会に既にございました。私が経験した学会誌編集委員会もそうでしたし、景観・デザイン委員会も割といつもそういう感じのノリです。そして、D&I委員会もそうです。他にも様々な土木学会の活動の中にそういうところがあると思います。そういったことから、これから私が1年の間に取り組むプロジェクトに「土木学会の風景を描くプロジェクト」という名前をつけました。

こちらも今日お手元にある、リーフレットにまとめておりますので、後ほど見ていただきたく存じます。そこにある画像を使いながら説明したいと思います。

土木学会の風景を描くプロジェクト-趣旨(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)

まず、趣旨として、土木界に限らず世界中に様々な課題がございます。それらを解きほぐしていくためにも、インフラの未来を牽引する土木学会の一人一人がお互いを信頼し、自由に交流すること、それが今、求められていると考えています。そして「土木学会という共同体は、そのためのインフラ」なんだというふうに考えたならば、学会活動の形も変化し、その様子の風景も変わってくるのではないか。

土木学会の風景を描くプロジェクト-三つの柱(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
風景を描くプロジェクト3つの柱

そういう新しい風景をみんなでまず思い描き、思い描いたらそれに近づくように、何かアクションすることを、みんなでやっていきたいなと思っております。そのため三つの柱を考えています。一つ目が「交流の風景プロジェクト」、二つ目が「ひろがる仕事の風景プロジェクト」、三つ目が「学会のDXプロジェクト」です。順に説明いたします。

交流の風景プロジェクト

土木学会の風景を描くプロジェクト-01交流の風景プロジェクト(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
01交流の風景プロジェクト

一つ目の「交流の風景のプロジェクト」というのは、学会という場では、いろいろなご専門、いろいろな考え、異なる立場、でも皆土木を愛している人たちが集まって交流しています。その交流の形がより伸びやかに、より自由になっていくと、会員としてのアイデンティティも、土木学会としてのアイデンティティも高まるんじゃないか。そのために三つのWGを考えています。

土木学会の風景を描くプロジェクト-01交流の風景プロジェクト-三つのWG(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
01交流の風景プロジェクト 三つのWG

会員名刺デザイン活用WG

土木学会の風景を描くプロジェクト-01交流の風景プロジェクト-会員名刺デザイン活用WG(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
会員名刺デザイン活用WG

一つ目が名刺のデザインです。今日、私の分を先行して印刷して持ってきました。学会の活動の場で出会ったとき、みなさんは職場の名刺を交換します。でもそれ以外にもう一枚、土木学会員としての名刺があったら、ちょっと会話の方向性やかたちに変化がうまれるのではないかと思っています。今日私が作ったのは、リーダーを務める佐瀬優子さん、今日来ていただいていますが、にまずβ版としてデザインしていただいたものです。今後いろんなバージョンを作って、皆さんがどんどんダウンロードして自由に使えるようにしていきたいと思っています。学会にいつ頃入って、どんなことをして、専門や、多少個人的なことなども書いてある、そんなデザインの名刺を使うと、最初の会話やその後の交流の様子が少し変わるかなと思っています。

土木学会D&I行動宣言フォローアップWG

土木学会の風景を描くプロジェクト-01交流の風景プロジェクト-D&I行動宣言フォローアップWG(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
土木学会D&I行動宣言フォローアップWG

二つ目が、多分これが一番私に期待されていること、もっとダイバーシティ・アンド・インクルージョンを進めていくということであると思います。しかし、これは私が始めるものではありません。既に、2015年に土木学会は「土木学会D&I行動宣言」というのを出しています。

大切なことはみんなここに書いてあります。これをきちんとフォローアップし、確実に、実効性のあるものにしていくことをやっていこうと思っています。こちらのリーダーは飯島玲子さんにお願いしています。今日来ていただいています。

クマジロウの教えてドボコン動画配信WG

土木学会の風景を描くプロジェクト-01交流の風景プロジェクト-クマジロウの教えてドボコン動画配信WG(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
クマジロウの教えてドボコン動画配信WG

三つ目です。

田中前会長には、土木そのものについて本当にいろいろな発信をしていただきました。これからも続いていくと思います。そこで私のほうでは、土木の魅力ではなく、土木学会のこと、「土木学会ってこんなところなんだよ」ということを、主に会員の皆さん向けにお伝えしていければと思っています。個人会員が約3万8千人いらっしゃいますが、その3万8千人のうち、今日の総会のような場に集まられたり、あるいは委員会活動に参加したりする方は多くはない。研究発表会への参加も全員ではないと思います。

そういう方々にも、「土木学会ってこういうところなのね」と知ってもらうために、写真の右にいる土木のコンシェルジュであるドボコンくん、こちらは四谷の土木学会の入り口横にいつもいらっしゃいますが、このドボコンくんに、写真左に写っているクマさんが素朴に質問する、そんな動画を作っていこうと思っています。

ひろがる仕事の風景プロジェクト

土木学会の風景を描くプロジェクト-02ひろがる仕事の風景プロジェクト(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
02ひろがる仕事の風景プロジェクト

二つ目の柱が、「ひろがる仕事の風景プロジェクト」です。土木の様々な仕事を自分の言葉で伝えようというものです。田中前会長のプロジェクトにも通じると思いますが、「こんなインフラもあるよね」とか、「こんな仕事、働き方もあっていいんだね」というのを伝えていこうというものです。

土木学会の風景を描くプロジェクト-02ひろがる仕事の風景プロジェクト-三つのWG(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
02ひろがる仕事の風景プロジェクトの三つのWG

ひろがるインフラWG

土木学会の風景を描くプロジェクト-02ひろがる仕事の風景プロジェクト-ひろがるインフラWG(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
ひろがるインフラWG

こちらも三つのWGを考えています。一つ目は「ひろがるインフラWG」。松井幹雄さんにリーダーをお願いし、これから相談してすすめていこうと思っていますが、インフラと言ってもいろいろ広がりがある、こういうのもインフラかもしれない、こんなインフラから学ぶこともあるのでは。写真は、先日見せていただいた名神高速道路の橋梁のリニューアル現場でのものですが、この時代のエンジニアの工夫はすごいのではないか、と驚きました。例えばそうしたことを、場の安心感のもとで自由にみんなが語り合えるとよいな、と考えています。

仕事の風景探訪WG

土木学会の風景を描くプロジェクト-02ひろがる仕事の風景プロジェクト-仕事の風景探訪WG(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
仕事の風景探訪WG

二つ目の「仕事の風景探訪WG」では、日本各地あるいは世界各地にあるさまざまな仕事の魅力を、丁寧に伝えていきたい。見逃してしまうような小さなこと。でも、実はそこにはすごいチャレンジがある。そういう仕事がたくさんあると思います。

この写真は私が日田で見つけた水辺の仕事です。さりげない仕上がりになっていますが、実によくできている。これをやるのはかなり大変なのではないか、と思いました。このような仕事の風景が各地にございますので、これをちゃんと伝えていきたいなと思っています。

D&IカフェトークWG

土木学会の風景を描くプロジェクト-02ひろがる仕事の風景プロジェクト-D&IカフェトークWG(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
D&IカフェトークWG

そしてこちらはD&I委員会が主催して既に60回を重ねている「D&Iカフェトーク」という30分のオンラインのトーク番組です。様々なゲストを招いて、子育て、転職、母国でない場所で働く、起業など、豊富なテーマで語っていいただいています。こちらは竹之内綾子リーダーにお願いし、継続しながら、いろんな働き方、仕事の風景をひろげていこうと思っています。

学会のDXプロジェクト

土木学会の風景を描くプロジェクト-03学会のDXプロジェクト(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)

最後の三つ目の柱は、「学会のDXプロジェクト」です。交流も発信も、やっぱりインターフェースがスムーズで、ストレスフリーであるということはとても大切です。学会の職員の皆さんの仕事を効率化することも大切です。そうしたことをざっくりと、DXとよばせていただいています。

土木学会の風景を描くプロジェクト-03学会のDXプロジェクト-学会DXチーム(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)
土木学会の風景を描くプロジェクト-03学会のDXプロジェクト-学会DXチーム(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)

こちらは土木学会事務局職員の工藤修裕さん、高浦秀樹さん、林淳二さんにまずチームを組んでいただきました。以前からも取り組んでいらっしゃいますが、「いついつまでにこれをやろう」というロードマップを作り、始められるところから始めていきたいと思っております。

土木学会というインフラを

土木学会というインフラをわたしたちの手でのびやかに/土木学会のわたしたちからよりよいインフラを社会に(2024/6/14定時総会・新会長就任挨拶)

以上、プロジェクトの概要を紹介してまいりましたが、会長の活動を支えてくれているTeam Yohのメンバーと、各WGリーダーのみなさんたちと一緒になって、様々なご協力をお願いしながら、進めていきたいと考えています。

私達が所属している土木学会は一つのインフラです。このプロジェクトでの活動をきっかけに、土木学会というインフラを会員である私たちの手で、もっと、こう、伸びやかに、「こんなことをやりたいな、やってもいいんじゃない」と言えるようにしていきたい。そういうのびのびした土木学会の会員である私達は、よりよいインフラを社会に作り上げていくことができるだろう。

それによって、イノベーションや問題解決に繋がるようにしていく。そのためには「こうなったらいいな」という風景を思い描いて、その思い描いた風景を語り合って、それに向かって一歩でも何かできることをしていく。皆さん、私たちが、そんなふるまいをできる場としての学会になるように、1年間いろんなことを進めていきたいなと思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

2024年6月14日
令和6年度土木学会定時総会にて
(一部編集しています)


就任記者会見

施工の神様」に、総会後の記者会見の模様を詳報いただきました。

会長、インスタ始めたってよ

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国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/