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2024.5.23【Report】VERTERE NEW Bottle Shop クラフトビールと町有地を活用した地域活性化

2024年4月20日(土)、JR青梅線奥多摩駅から徒歩約20分のところに、クラフトビール醸造を担うVERTERE(バテレ)合同会社さん(以下VERTERE)の新工場に併設する「NEW Bottle Shop(東京都西多摩郡奥多摩町)」 がオープンしました。NEW Bottle Shopと2024年2月から醸造を開始したVERTERE新工場は、VERTERE、JR東日本(沿線まるごと株式会社)、奥多摩町、当社が四位一体となって連携し実現しました。オープン当日も、地元事業者によるキッチンカーや物販、ワークショップ等のオープニングイベントを四者協力体制のもと開催しましたので、イベントの様子と、今後の展望をお届けします。
(沿線まるごと株式会社とは、JR東日本と地域資源の高付加価値化に取り組んできた株式会社さとゆめ両社のノウハウを活用した共同出資会社です。以下、沿線まるごと。)


人気クラフトビール 奥多摩町のVERTERE

VERTERE は、2014 年に設立されたクラフトビールメーカーで、自然豊かな奥多摩町でクラフトビールの製造販売と直営のタップルームやボトルショップを展開しています。最寄り駅である JR 奥多摩駅までは、新宿駅から電車で約1時間40分。1年中多くのハイカーやキャンパーが訪れ、週末のタップルームにはたくさんのビール好きのお客さまが来店し、ボトルショップでも観光客のお土産として多くご利用されています。奥多摩町のふるさと納税では、返礼品の7割を占める人気商品であることからも、名実とも「奥多摩町の顔」と言えます。一方で、VERTERE はこれまで需要に対して生産量が追いつかない実情があり、その課題を解決するべく、奥多摩町が開発用地を提供し、当社が施設の建設と貸付、VERTEREが施設の運営を行い、沿線まるごとがホテルツアー等での工場見学やJR青梅線(東京アドベンチャーライン)との連携と送客を行う四位一体のスキームをつくり、従来の約4倍の増産が可能なVERTERE新工場での醸造、今回のNEW Bottle Shopのオープンが実現しました。


オープニングイベントには奥多摩の人気店も集合

NEW Bottle Shopでは、奥多摩地域限定ラガービール含む缶ビール、アパレルグッズ、VERTEREオリジナルグラスなどが販売されます。そのなかでも、オープニングイベントでは奥多摩地域限定ラガービールが初販売。また、地産品・加工品などの販売、ワークショップといったマルシェイベントも新工場敷地内で開催。出店者は、奥多摩町や沿線まるごと、VERTERE、当社の呼びかけで、奥多摩のわさびを守り、わさびの魅力を発信しているTOKYO WASABIさんや、減少するサクラマスを奥多摩町で復活をさせ、自然との共生と地域経済の活性化を目指すTOKYO SAKURAMASUさん等、地元のショップやワークショップが多数出店。当社もクラフトビールに合うフードを提供するキッチンカーを出店しました。数日前から奥多摩町の防災無線での告知放送、奥多摩駅でのイベント開催アナウンスも行われました。JR奥多摩駅前でのJR社員によるお出迎えや観光PRもあり、奥多摩町にお住まいの方だけでなく、東京アドベンチャーライン利用者の方々でイベントは賑わいを見せました。


奥多摩町の発展につながるVERTEREの未来

盛況となったNEW Bottle Shopオープニングイベント。VERTERE合同会社 代表社員 鈴木光ひかるさんに、VERTEREのこれからの展望についてお話を伺いました。
鈴木:新工場での醸造によって供給量を増加できたことだけではなく、生産の幅も広がりました。実際に、奥多摩駅前にあるコーヒーの焙煎を特異とするGotta Coffeeさんとの共同開発も現在進行しています。今後はさらに、奥多摩町にある店舗や企業との共創によって、ラインナップを拡充していきたいです。また、奥多摩町、沿線まるごとさん、志賀さん(当社担当)たちと継続して連携をはかり、工場見学ツアー等の高付加価値の観光体験も提供していきたいです。観光やハイキング、キャンプで奥多摩町に来られた方は、ぜひNEW Bottle Shopにお立ち寄りいただきたいですね。


事業フィールドの拡大 「場」と「仕組み」を活用

当社担当の志賀智史しがさとしさんに、これまでの経緯と奥多摩町のまちづくりについてお話を伺いました。
志賀:JR青梅線(東京アドベンチャーライン)の更なる活性化に取り組みたいと考え、高架下だけではない当社事業フィールドの拡大を意識したうえで、昨今のクラフトビールブームから奥多摩町でクラフトビールの醸造・販売を行っているVERTEREさんとの話し合いから始めました。問題が山積みのなか、利活用されていない奥多摩町有地に着目し、新工場だけではなく、NEW Bottle Shopといった付加価値施設を設けることで、「場」をつくり、VERTEREさん、奥多摩町、沿線まるごと、当社の各々の特徴と利点を活かした体制での「仕組み」をつくることができました。今後も「場」と「仕組み」を活用して、四位一体となり、ビアフェスなど様々なイベント等を実施することで、地域の活性化に取り組んでいきたいです。


市中のまちに染み出しさらなる地域の活性化へ

以上、VERTERE NEW Bottle Shopのオープニングイベントについてお届けしました。
これまで、当社は鉄道用地(主に高架下)を中心にまちへの貢献を行ってきましたが、今回は初めて鉄道用地外での大規模開発であり、市中のまちに染み出す挑戦となりました。自然豊かな奥多摩の地域資源「クラフトビール醸造を担うVERTERE」の生産規模の拡大や、付加価値施設NEW Bottle Shopを設け、観光需要を喚起。利用されていない町有地を当社が活用することで、観光や雇用、税収などまちにとっての有益な事業となり、今後も定期的なイベント開催や、地域との連動をはかることで、まちの活性化へとつなげていきます。

・施設名称:VERTERE Bottle Shop
・所  在:東京都西多摩郡奥多摩町氷川1099-6
・アクセス:JR青梅線 奥多摩駅より徒歩約20分  西東京バス病院前バス停より徒歩約3分

取材編集/くらしづくり・まちづくり室



VERTERE合同会社 代表社員
鈴木すずき ひかる

大学卒業後、ノウハウを修得するために大手メーカーに勤務。3年後、東京最西端の奥多摩町でVERTERE(バテレ)合同会社を設立。築70年の古民家を8ヶ月かけて自ら改装し、クラフトビールが楽しめる醸造所兼飲食店を2015年7月にオープン。クラウドファンディングを利用して400人ものサポーターがつき、各メディアで掲載された。現在では遠方から多くのアウトドアファンがリピーターで訪れる。

株式会社ジェイアール東日本都市開発 八王子支店 開発・企画グループ  志賀しが 智史さとし

2011年入社。資産管理業務・JR東日本八王子支社への出向を経て八王子支店開発・企画グループでテナント管理および開発業務を担当しております。
今回開発を担当した「VERTERE新工場」を通じ、VERTERE・奥多摩町・JR東日本・当社の連携によって生産規模の拡大を図るとともに、更なる観光需要を喚起し、地域活性化を推進していきます。

(この記事は当社webサイトから再掲したものです)