見出し画像

競馬雑記帳 2023/04/13

JRDB永野です。

桜花賞は人気のリバティアイランドが圧巻のパフォーマンス。
鞍上の川田騎手のヘルメットに付けた、騎手目線でのレース映像を公開するための演出ではないかと思うくらい。

リバティアイランドは一昨年のソダシに続き、年明け初戦での桜花賞制覇。2019年にはグランアレグリアが朝日杯FS以来の年明け初戦で桜花賞を制しており、今後このパターンが主流になるかも。
それを可能にしたのはやはり育成牧場の施設の充実と技術の進化だろう。
加えてクラブの所有馬は、賞金を厩舎への預託料に充てる個人馬主と違い、ガツガツと賞金を稼ぐのではなく、狙い澄ましたローテーションを組める強みもある。

しかし、年明け桜花賞直行にはリスクもある。
桜花賞はトライアルでの優先出走が8頭なので、収得賞金順による出走枠は10頭。
今年の桜花賞の出走のための収得賞金のボーダーは高く、重賞2着のある2勝馬のメイクアスナッチが収得賞金1650万円で除外になっており、2歳GⅠで2着のシンリョクカも収得賞金1700万円で除外の可能性があった。

2歳のGⅢの重賞の取得賞金は1600万円、新馬または未勝利の収得賞金400万円とあわせて、収得賞金2000万円だが、これとて全く安泰という訳ではない。

桜花賞までのトライアル以外の3歳牝馬の重賞は、フェアリーSとクイーンC、フラワーCの3クラで、1着の収得賞金は1850万円。1勝馬が勝っても収得賞金は2250万円に。更にシンザン記念やファルコンSなど牡馬相手に重賞を勝てば収得賞金は2400万万円に。2勝馬が、紅梅SやエルフィンSのリステッド競走を勝てば取得賞金は2100万円。その他2歳時の牡馬相手の重賞や2勝馬の重賞での2着など賞金加算のパターンがあり、上位10頭の枠に収まらない可能性も。
この辺りは他馬の状況を見ながらになるのか。

クラシック初戦という流れは牡馬にも。2020年には年明け初戦となった2歳GⅠ馬2頭、コントレイルとサリオスでのワンツー。昨年は2歳の11月以来の出走のイクイノックスが2着に入っている。

嘗ては弥生賞が皐月賞の最善のステップだったが、2014年のイスラボニータ以降共同通信杯に変わって、この先は年明け初戦が主流になるかもしれない。

今年の皐月賞のメンバーで年明け初戦はダノンタッチダウンだけ。1勝馬だが、GⅡとGⅠで2着があるので、賞金的には早い段階で皐月賞の枠は確保。前走後は放牧に出して3月上旬に帰厩。この先の主流のローテーションになるかは、この馬に懸っているかも。

余談だが、管理する安田隆師は来年の2月末で定年。ロードカナロアやトランセンドといったGⅠ馬を育てた安田隆師だが、クラシックとは無縁。ダービーなどは、昨年のデシエルトが初めての挑戦だったりした。

皐月賞は騎手時代にはトウカイテイオーで勝っており、騎手と調教両方での制覇のラストチャンス。その鞍上を厩舎からデビューした川田騎手が他のお手馬を差し置いて勤めるというのも縁を感じるのだが。

いつもサポート(投げ銭)していただき、ありがとうございます。 おかげさまで、とても励みになります。