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競馬雑記帳 2021/4/29

JRDB永野です。

3月始めに新人騎手がデビューして2ヶ月。
先週の新潟競馬で西谷凛騎手が初勝利を挙げて、8人全てが勝ちクラを挙げた。

ふたりの女性騎手やダービージョッキーでもある角田師の二世などデビュー前から話題の多かった今年の新人騎手だが、ふたりが初騎乗初勝利、古川奈騎手の4週連続勝利など成績面も優秀。

このご時世で、短期免許の外国人騎手の不在や、リーディング上位の騎手が海外遠征後に騎乗自粛期間があったりで若手騎手にとってチャンスは多く、世代交代の時期に来ているのかも。

過去何年かの新人騎手のデビューした直後2ヶ月(3・4月)の成績を見ながら現在の状況を確認しておきたい。
(黄色は競馬学校卒業時にアイルランド大使賞を受賞 順位は2ヶ月間の全体でのもの)


2021年デビュー組

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勝ち頭の古川奈騎手は矢作師のバックアップが強力。初勝利のバスラットレオンは次走で重賞を勝つほどの素質馬で、これまで6勝のうち5勝が自厩舎の馬。兄弟子の坂井騎手が長期の海外出張から戻ったので、騎乗馬どうなるかと思っていた矢先、肩の違和感で手術を視野に入れての休養が発表された。早期の復帰を願う

初勝利まで少し時間は掛ったが角田大騎手の複勝率は過去10年の新人のデビュー直近2ヶ月の成績では2019年の斎藤騎手に次ぐ数字。
この期間の賞金は8806万円。進上金5%なので約440万円。単純に6倍して年間に換算すると2600万円あまり。
プロ野球のドラフト下位での指名の高卒ルーキーの年俸は600万円くらいなので、危険が伴うとはいえ高収入といえる。

同期8人のうち6人が競馬サークルに血縁があるが、(地方含む)初騎乗初勝利を果たしふたりは競馬サークルに血縁がなかったというのもおもしろい。

2020年デビュー組

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泉谷騎手が初騎乗初勝利を記録。2ヶ月で8勝を挙げたが、2020年の成績は19勝。このあと8ヶ月で11勝と苦しんだ様子だが、一貫して関西の主場で騎乗した結果で、裏開催でも騎乗し始めた今年は既に21勝で減量騎手の勝ち頭。

急遽の乗り替わりの東風ステークスをトーラスジェミニで勝った原騎手は一貫して関東の主場で騎乗。3キロ減を重宝されて騎乗数も多いが、騎乗する厩舎が地味で2ケタ人気が大半。それでも時として穴をあけるので目が離せない存在に。

2019年デビュー組

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福永騎手や和田竜騎手の世代を「花の12期」と称するが、この世代もそれに引けを取らない黄金世代といえる。

斎藤騎手は安田隆厩舎所属で父が美浦の斎藤誠調教師というサポートもありスタートダッシュで同期に水を開けたが今年の勝ちクラは同期のうちでは4番手。それも減量が取れるのは時間の問題。

勝ちクラが同期トップの岩田望騎手はあとは重賞のタイトルだけ。藤原英厩舎の所属も今年は自厩舎の馬では勝っていない。

団野騎手は今年に入って重賞を2勝と勢いがあり、減量がなくなっても影響はない。

美浦所属の菅原明騎手は昨年、今年と怪我があったが、カラテで東京新聞杯勝ち。
現在は裏開催の騎乗が中心だが1キロの減量を武器に主場でも十分やれそう。

2018年デビュー組

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同期が3人と、この10年では最少。
そんな中で気を吐いているのが西村淳騎手
今年これまでの成績は、近10年内デビューの騎手では横山武史騎手、鮫島克駿騎手に次ぐ3番目。
デビュー時には目標とする騎手として松山騎手を挙げており、寒い時期のレースではふたりとも黒のネックウォーマーを使用しており、たまに見間違える。
ギベオンで松山騎手騎乗のデアリングタクトを負かした金鯱賞は快心のレースだったはず。

2017年デビュー組

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この世代までが現在減量の対象。
同期5人のうち、3人は減量を卒業しいる。

デビュー直後は同期のなかで出遅れた横山武騎手が出世頭。
昨年は関東リーディングで、皐月賞でクラシック制覇。
ダービーではJRAのダービー最年少勝ちの記録が懸る。

冨田騎手が減量がまだ取れていないのは、長期の海外遠征を行っていたから。
今年の勝ちクラのペースは悪くない。
師匠の木原厩舎と第二の師匠と慕う武英厩舎の馬は要チェック。

2016年デビュー組

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今年の2月一杯で減量のなくなった世代。
森裕太朗騎手菊沢一樹騎手は100勝未到達のままだった。

常に注目される存在の藤田騎手だが、今年女性騎手がふたりデビューしたことで比較されることもしばしば。
福島の代替となった新潟開催では3週連続で勝ちクラを挙げるなど存在感をアピールしている。

2月のサウジから3月のドバイまで長期で海外に出張していた坂井騎手はすでに重賞5勝とこの世代では抜けた存在。ともに南関東の競馬にルーツのある矢作師の期待は大きく、豪州などへの積極的な遠征も将来性を見込んでのものか。

2015年デビュー組

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デムーロ騎手とルメール騎手がJRAの通年の免許を取得したのがこの年。(ルメール騎手は調整ルームでの携帯使用で騎乗停止になり実際の騎乗は4月から)
短期免許の外国人騎手もおり、この年デビューの騎手は騎乗数が若干少ない。

父は佐賀の名手、兄はJRAの騎手という競馬一家の鮫島克駿騎手
デビューの年は39勝、以降安定の30勝台だったが、今年は4月終了の時点で25勝を挙げてリーディングの9位。世代交代の象徴のひとり。

野中騎手は「穴太郎」の異名で芸人のTIMの競馬番組に出演も。
騎乗依頼のエージントは競馬エイトのヒロシ氏なのでその印は必見!?



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