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競馬雑記帳 2023/01/26

JRDB永野です。

「さらば国分寺書店のオババ」「岳物語」の椎名誠サン、ヘタうまイラストの沢野ひとしサン、社の事務職から人気作家になった群ようこサンらの活躍の場だった、「本の雑誌」の初代編集人の目黒孝二さんが亡くなった。

文庫本の解説や文芸評論の際は北上次郎のペンネームを使っていたが、もうひとつの顔が、「戒厳令下のチンチロリン」やハズレ馬券シリーズのエッセイ・コラムを執筆していた藤代三郎
その活動は1980年代から。80年代後半から90年代始めにかけて、オグリと武豊での競馬ブームで、高橋源一郎氏や当時細君だった高橋直子さん、女優の飯干景子さんなど競馬にまつわる作品が増えたが、その先駆け的存在といえる。

ハズレ馬券に関しては、グリーンチャンネルで制作・放送されている「全日本はずれ馬券委員会」では委員長を務めてらした。
現在のシーズン2の生前に収録済みのものは、引き続き放送されるとのこと。

昨日25日の放送分を見る限り、病でやつれているという様子は見受けられなかったが。

で、追悼を兼ねて私のハズレ馬券ネタを。

時は1999年の秋。既にJRDBとして情報配信はスタートしていた。今から四半世紀近く前だけに通信の環境も全く違い、競馬場からのパドックでの情報は電話で事務所に伝えてそれをパソコンに入力してテキストなどに変換してサイトのアップするという方法。3場開催の場合は10分おきに現場から電話が入ることに。
その作業をしていると予想や投票の時間は極限られてくるこに。
自然と予想はある程度事前に行うことになり、GⅠや重賞は前日に予想して、朝イチに梅田のウインズで購入ということも。

迎えた第120回の天皇賞・秋。

フルゲートに1頭欠ける17頭立てで人気は割れ加減。前年に皐月賞と菊花賞を制し、前走の札幌記念を勝っていたセイウンスカイが1番人気。
その夏の初めには今でいう2勝クラスの条件馬だったが、夏に大バケして朝日CC、京都大賞典と重賞連勝中のツルマルツヨシが2番人気。
前年の天皇賞・春の覇者で、その後も有馬記念2着や連覇を狙ったこの年の天皇賞・春で2着と安定したせ成績のメジロブライトが3番人気。

前年のダービー馬で、この年の天皇賞・春を制したスペシャルウィークは前走の京都大賞典で自身初めて馬券対象を外し10立ての7着と沈み、ツルマルツヨシやメジロブライトに遅れを取ったことが嫌われたか4番人気までだった。

私の予想としては、ダービー馬スペシャルウィークの巻き返し、前走で安田記念を制したエアジハード、勢いを認めざる得ないツルマルツヨシ。さらに当時まだ重賞勝ちはないものの、前年の春秋の天皇賞や宝塚記念で2着の実績のあるステイゴールド

さて馬券はどう買うか。当時はまだ馬券の種類は単・複と枠連、馬連のみ。
現在の3連複、3連単のマルチという複雑な買い方はなく、いたってシンプル。
今で言う馬連4頭ボックスなら買い目は6点。当時はまだ、流し・ボックス専用のマークシートは無かったと思う。通常のマークシートも裏表で10点マークできるものがあったかもしれないが、その時手元にあったのが、表面だけで5点購入のマークシート。2枚使って6点買えば良いものを、1点ケチって1枚に収めての馬券購入。

もうおわかりだと思うが、ケチった買い目のスペシャルウィークとステイゴールドでの決着。直線で逃げるアンブラスモアに、エアジハードとステイゴールドが襲いかかるが、その外からアッサリとスペシャルウイークが交わして、一瞬たりとも買い目の形にはなっていないのだが。
その後の両馬に実績を考えると馬連で15770円という配当は考えられない。

https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/akiten/result/akiten1999.html

スペシャルウイークに関しては、引退時には特番も組まれ、そのなかで白井調教師はパドックでマイナス16キロとほぼダービー当時と同じまで馬体が絞れたことで勝ちを確信して、レース前に武豊騎手を祝福したというエピソードが語られていたと記憶している。


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