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競馬雑記帳 2022/11/10

JRDB永野です。

競馬の魅力のひとつが血統。

今年の秋の天皇賞を勝ったイクイノックスはキタサンブラックの初年度産駒。天皇賞・秋の父子制覇となったが、父が不良馬場の中で勝ったのが2017年。その暮れの有馬記念を最後の競走生活を退き種牡馬となったが、3年半程で産駒が2歳新馬でデビューする。「あの時な~」と記憶を甦させるには丁度いいサイクルかも。

この10月末現在の種牡馬リーディングは、いわゆる持込馬のキングカメハメハも含めて11位までが内国産。20位までに国内で走った馬は17頭。今の競馬ファンは、いろんな馬で、「あの時な~」の記憶が甦る。

ちなみに、30年前の1992年の種牡馬リーディング上位10位以内で国内で走っていた馬はアンバーシャダイ始め5頭、20年前の2002年ではフジキセキなど3頭。10年前の2012年では大きく状況が変り15位までを国内で走った馬は占めるように。その大きな変革の要因はサンデーサイレンスで、2012年の種牡馬リーディングの上位20頭のうち、首位のディープインパクトを筆頭に12頭が名を連ねている。

種牡馬の場合は、ひと世代で100頭の産駒がいる場合もあるので、思い入れとしては牝系の方がディープかも。

現在、話題性もあり実績も残しているのが、シラユキヒメを祖とする系統。シラユキヒメ自身は未勝利だったが、サンデーサイレンス産駒ということもあり、繁殖に上がって12頭の子供を産んでおり、うち7頭が牝馬でそこから、枝葉を広げて、現役ではソダシやメイケイエールといった重賞勝ち馬を出している。この2頭やママコチャやブッチーニなど牝馬の活躍馬も多くこのあとも勢力を広げそう。

シタユキヒメは複数の娘からその勢力を広げているが、唯一の娘から今後勢力を広げそうなのがキョウエイマーチの系統。キョウエイマーチ自身の牝系は戦前に輸入された馬に遡るが、現在その系統では余り活躍馬は出ていない。唯一キョウエイマーチの系統が気を吐いている。メジロドーベルを負かして桜花賞馬となったキョウエイマーチ。繁殖牝馬として残した仔は4頭。皐月賞で2着した3番目のトライアンフマーチが競走馬としては代表馬か。牝馬はフレンチデピュティ産駒のヴィートマルシェだけ。しかしそのヴィートマルシェの産駒は優秀で長男のグランマルシェ以下、現4歳のバーデンヴァイラーまでJRAでデビューした馬7頭は全て勝ちあがっている。その中の1頭が昨年のBCディスタフを勝ったマルシュロネーヌ。こちらはこの春に繁殖に上がったので近いうちに産駒を競馬場に送り込んでくるはず。
それ以上に現役で期待されるのが、キョウエイマーチからみれば曾孫にあたる、ナミュールラヴェルの姉妹。姉のナミユールはこの週末のエリザベス女王杯でも人気に。ともにすでに重賞のタイトルがあり無事に競走生活を終えれば繁殖にあがつて子どもが競走馬としてデビューするはず。
血統表の四代母にキョウエイマーチの名前を見つけて、雨で大混雑の阪神競馬場での桜花賞の記憶が甦る日もそう遠くないかもしれない。

競馬を20年・30年と続けていれば、こういった楽しみもある。

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