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競馬雑記帳 2020/5/21

JRDB永野昌治です。

北米のサラブレッド生産の新ルールとして、種牡馬の年間の種付け頭数を140頭に制限というのが設けられるらしい。
「遺伝的多様性が阻害される懸念を解消する」のが目的で、2020年生まれの種牡馬からというから、今年生まれた馬が種牡馬になった際の話。

しかし、遺伝的多様性の阻害なら日本の生産界も結構偏りつつある。

まもなく始まる2018年産の馬達の新馬戦。5/20現在でJRAに登録されている2歳馬はキズナ産駒が54頭で最多で、そのあとに新種牡馬のドゥラメンテ50頭、モーリス44頭と続く。

ドゥラメンテが宝塚記念で2着入線のあと下馬したのなんて、つい最近のようだが、間もなく産駒がデビューする。
種牡馬としてのドゥラメンテは初年度の種付けが284頭と北米の新規ルールの上限の倍の数字。ちょうどキンカメが種付けを停止した時期と重なり人気を呼んだのだが、ドゥラメンテの血統構成をみると、父がキングカメハメハで母父がサンデーサイレンスなので、結構繁殖相手の牝馬には制限がある。その為か、現在登録されている2歳馬のうち、ノーザンFの生産馬は9頭のみ。

もう1頭の期待の新種牡馬モーリスは自身の3代前、父母父がサンデーなので、産駒にとっては4代前にサンデーが入ることになり、ディープインパクトなどサンデー直子の種牡馬を父にもつ牝馬が繁殖相手ならサンデーの4×3の血量になるし、キンカメ産駒の牝馬は勿論、ルーラーシップなどキンカメ産駒の種牡馬を父に持つ牝馬とも付けやすい。その為か、現在登録44頭の2歳馬のうち18頭がノーザンFの生産で、GⅠレース6勝のブエナビスタやヴィクトリアM連覇のヴィルシーナなど良血が並ぶ。

今年の新種牡馬の争いは、繁殖牝馬の質ではモーリスの方が優勢かも。

それ以上にドゥラメンテに今年の結果を求められるのは、同じキンカメ産駒のレオデオロが種牡馬入りしたことだと思う。
レイデオロはサンデーの血を持たず、祖母がディープインパクトの半姉。ディープ産駒の牝馬との配合なら今活力のある牝系のウインドインハーヘアの4×3の配合になる強みがある。

そうなると、ドゥラメンテは血統的字面から、母系にダート適性の高い馬との配合でダート路線に活路を求めることになるかも。
う~ん、産駒もデビューしていないのに、気が早いか。

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